『護るべきもの』


 空は高く、澄んだ青い色をしていた。
 風は優しく頬をなで、彼女の金の髪を揺らして通り過ぎていく。
 小高い丘からは、彼女の暮らしていた城が小さく見えていた。大きく立派な造りのその城も、ここからでは小さな点だった。
「……こんな風に城を見下ろすなんて思ってもみなかった。
 イーヴ達はちゃんとやってくれているかしら」
 彼女は自嘲気味に笑う。
 おかしな話だった。
 ついこの間までは、あそこで何も困ることなく兄と義姉と甥と一緒に暮らしていた。なのに今は兄はシャガール王についてアグスティから去り、義姉と甥はレンスターへ渡り、自分は兄の親友達と共にこのアグスティに居た。こんな状況、想像すらした事がなかった。
 何故、兄があそこまでシャガール王にこだわるのかは分からない。ただ、もともと頑固な人で融通が利かないのはよく知っている。自分を助けようとした友にさえ、感謝の言葉を述べようともしなかった。
 もう、兄には親友の言葉も、妹である自分の言葉も届かなかった。
「お義姉様やアレスが居たら……どうだったのかしら」
 ラケシスは城を見つめながら呟く。
 突然の別れだった。
 急に兄がレンスターに戻るように言ったのだ。体調が優れない義姉のためだと兄は言った。
 今思えば、それは表向きの理由でしかなかったのかもしれない。
 あの時の義姉の顔をラケシスは思い出していた。

「わ〜い!おでかけ、おでかけ〜!」
 小さな小さな金髪少年がくるくると回りながら楽しそうに廊下を走っていた。
 そして、向こうから現れた彼女を見つけて、はしゃいで飛びつく。
「ねえ、おばうえ、聞いて、聞いて〜!」
 叔母と言われて彼女はひきつった顔をする。確かに間違いなく叔母だし、そろそろ縁談の一つでも来ていい年齢ではあるのだが、そう呼ばれるのには抵抗がある。
「アレス、お姉さまって呼びなさいって言ってるでしょう?」
 飛びついてきた少年の頭をぐりぐりと撫でると腰を下ろしてアレスと視線の高さを同じにする。小さな子と話をするのには、視線を合わせるくらいの高さになってやる方が良いからだ。
 くしゃくしゃと撫でられたアレスは、不満そうに頬を膨らます。
「だって、僕のおねえさんじゃなくて、おばうえだもん」
 どうも、融通の利かない性格がそのまま遺伝しているらしく、小さな甥っ子はかなりの頑固者なのだ。なんとかして『お姉さま』と呼ばせたいのだが、相手もかたくなである。
「ほら、アレス。ラケシスお姉ちゃんを困らせるんじゃありませんよ」
 穏やかにアレスを諭す声が聞こえる。その声に、アレスは満面の笑みで振り返り、声の主の下に走って行った。
 ラケシスも顔を上げる。そこには茶色の髪の上品な女性が立っていた。穏やかな表情に上品な雰囲気を纏い、どこかはかなげに感じるのはその病弱さ故だろうか。
「お義姉様?」
 ラケシスは義姉の表情にいつもと違うものを感じた。優しく微笑んでいるが、どこか不安げな印象があった。
 そういえば先ほどアレスが元気に騒いでいた時、『おでかけ』と言っていた様な気がする。
 城下にでも出かけるのかと思っていたのだが、義姉の表情でそうではない事を感じた。
「あのね、ぼくとははうえは明日レンスターに行くんだって!」
 母親のスカートにしがみついたアレスが楽しそうにそう言った。今までアレスはレンスターに行った事がないから、楽しみで仕方が無いのだろう。本当に楽しそうだった。
 しかし、ラケシスにしてみれば、そんな話は寝耳に水である。急な話だった。
 いくらレンスターが義姉の実家であるとはいえ、レンスターに渡るのにはグランベルを横断する長旅になる。そんなに簡単に決まるような話ではない。行くなら行くで、前もって色々と準備があるはずである。それなのに明日というのは急すぎる話だった。
 ラケシスが驚く顔をを見て、グラーニェは複雑そうな表情をした。なんと言っていいか分からない、そんな表情だった。
 そんな二人とは対照的にはしゃいでいるアレスはくるくると二人の周りを楽しそうに走った。
「じゃあ、ぼく、もっていくもの用意してくるね!」
 そう言うが早いか、アレスはたかたかと廊下を走り、見えなくなっていった。
 楽しそうな息子をグラーニェは笑顔で見送っている。
 そんな彼女にラケシスはどう話しかけるか迷っていた。あまりにも急な話で、聞いてはいけないような気さえしたのだ。
 それでも言わずにはいられない。突然の別れなのだ。アレスが居ない今なら聞いても問題はない。ラケシスは意を決した。
「お義姉様…、前から決まっていたのですか?」
 その言葉にグラーニェは首を横に振る。そして寂しそうに微笑んだ。
「いいえ。今日になって突然レンスターに戻るように言われて……」
「エルト兄様が?」
「ええ」
 ラケシスの問いにグラーニェは頷く。
 それを聞いてラケシスは怒りに近い感情を覚えた。尊敬し敬愛している兄だが、いくらなんでも突然すぎる。誰一人として相談する事も無く、勝手に決めてしまうのは兄らしいといえば兄らしいが、それとこれとは別問題だ。
「私、お兄様に抗議してきます!」
 ラケシスはきびすを返し、兄の部屋を目指そうとする。その手をグラーニェに引っ張られた。
「待って」
「離して下さい、お義姉様!」
「ありがとう。でも、理由は分かっているの」
 兄を庇おうとする義姉にラケシスは抗議するが、理由は分かっているという言葉に振り払おうとした腕を下ろした。
 理由として考えられるもの…それはラケシスにも見当がついた。まさか、そこまで悪くなっているのだろうか。
「……お義姉様、そんなに容態が悪くなられたのですか?」
 急に心配になってラケシスは姉に尋ねる。
 姉が戻らなければならないとすれば…彼女が患っている病気のせいだろう。このところ、あまり体調が優れないとは聞いてはいたが、まさか実家に戻らなければならないほど悪化しているとは思ってもみなかったのだ。
「いいえ…そこまでは酷くないと思うのだけれど……私の出身はレンスターだから、そちらの気候の方が療養に合うのじゃないかと、そう言われて」
 そう言われてしまうと何も言えない。ラケシスが今、彼女に行くなと言えない様に、グラーニェはエルトシャンに戻りたくないとは言えないのだろう。
 気にかけてくれていること、心配している事は間違いない事実だろう。
 もし、その方が早く回復するのであればそうするのが一番良いのだろう。
「それにアレスはレンスターに行くのが初めてだからとてもはしゃいでいて……。
 あの子の楽しそうな顔見ていたらそれも良いのではないかとも思えて。
 だから心配しないでね?」
 義姉は優しい笑顔でそうラケシスにあやすような言葉で言った。その母親らしい優しさに満ちた言葉にラケシスはこくんと頷く。義姉がそれで良いのなら反対する必要は無いのだ。たとえ別れが寂しいと思っても。
 確かにアレスは初めてレンスターに行くし、向こう側の祖父母に会えるもの楽しみだろう。
 レンスターは温暖な気候の地だと聞くし、ゆっくり療養するならば最適かもしれない。アレスが楽める事も沢山あるだろう。
 ただ、今まで一緒だった人達が突然居なくなってしまう寂しさを言葉にするのは難しいことだった。
「ねえ、ラケシスちゃん。一つだけお願いがあるの」
 優しい表情だった義姉の表情が真剣なものに変わる。その表情の変化にラケシスはこくんと頷く。
「はい。私に出来る事ならば」
 はっきりと意思の強い言葉でラケシスは義姉に返す。彼女の表情に義姉は安心した顔をする。彼女になら任せられる、そんな顔だった。
「あのね、これが私の杞憂であれば言う事はないのだけれど……」
 グラーニェはラケシスの手をとり、その手を強く握る。ラケシスは吸い込まれるように、義姉の優しく強く輝く大地の色の瞳を見つめた。
「もしあの人が望まない道を進むようなら、あなたが止めてあげて。
 一度思い込んだら、それしか見えなくなってしまう人だから……」
 その時のラケシスは義姉の言う意味が分からなかった。ただ、義姉の真剣な言葉に押されて、ただ頷くしか出来なかった。
 だが、それを見て義姉は安心したようだった。優しく微笑む。
「ありがとう。あなたみたいな義妹に出会えて本当に良かった」
 そう微笑むと義姉は手を離そうとした。その手をラケシスは思わずつかみ、握り返した。
 その行動に義姉は驚いた顔をする。それを見てラケシスはにっこりと微笑んだ。
「私も…お義姉様みたいな方に出会えて幸せです」
 その思いはきっと同じだと思った。義姉の言葉は本当に嬉しかったけど、自分もそうであることをすぐに伝えないといけないと思った。
 憧れの人であり理想の人である兄の許に嫁いできた義姉を最初は羨ましく思うことはあったけれど、それ以上にラケシスは義姉が好きだった。二人の間に生まれたアレスも生意気言う子ではあるけれど可愛くて仕方が無かった。
 だけど…大好きな人達と別れなければならないから。伝える事は一つだけだった。
「…だから、早く戻ってきてくださいね」
 ラケシスの言葉にグラーニェは優しく微笑んで頷いた。
「ええ、早く戻ってくるわ」


 そう言った義姉がレンスターに戻って…もう随分と時が流れていた。
 兄はシャガール王に幽閉され、アグストリアは悪行が平気で横行する国となってしまった。
 今はシグルド公子がアグスティに留まり、結果的にアグストリアはグランベル公国の手の中にあった。
 どう考えてもシャガール王側に非があるし、グランベルの下にある方が生活が豊かであるという状態だった。他国に支配された方が国民の生活が安定するとは一体どういう状況なのだろうか。
 それも一重に、今アグストリアにいるシグルド公子が何の野心も持たない人物であるがこそであろう。他国であるにもかかわらず、友人の国だからと、内政にも心を砕いていた。
 兄だって分かっているはずである。
 間違っているのはアグストリア王の方であると。
 兄はきっとこの状況を予想していたのだろう。義姉と息子をレンスターへとやったのも彼女達に危害が加わらないようにとしたに違いない。
 それなのに兄はまだ騎士として生きようとしていた。
 仕えるに値しない主人であるというのに。
 もしかしたら、自分しか味方になるものがいないからと思っているのかもしれなかった。
 ラケシスは眼下に見えるノディオン城を見つめる。
 兄はノディオンの王だ。
 アグストリアの騎士である前にノディオンの王であるはずだ。それなのに城は空けたままだ。
 兄はシグルド公子の親友だ。だが、兄は友より愚かな王を選んだ。
 兄は…兄は自分の兄であるはずだ。
 だけど、その声は兄には届いてはいなかった。
 兄はノディオン王も親友も妹も捨て、愚かな王を護ろうとしていた。
 気分が憂鬱になってくる。
 義姉は、なんとなく今の状況を予感していたのだろう。だから、自分に頼むと言ったのだ。
 でも、駄目だ。今の兄に自分の言葉は届かない。
「ラケシス様?どうされました?」
 ふいに声をかけられて、ラケシスは慌てて振り返った。
 声の主は青の髪の青年だった。年の頃はラケシスとあまり差がなくて、年上の多いこの軍では数少ない歳の近い人物だといえた。もっとも、頭の方は結構固いので、たまに本当に歳が近いのか疑わしい時もあるのだが。
「いいえ、なんでもないわ。遅かったのね、フィン」
 ラケシスは今までの気持ちを悟られないように、精一杯の笑顔でそう言った。
 一方、遅かったと言われた方が慌てて首を横に振った。
「いいえ、僕はちゃんと時間より早く来ましたよ!
 そうしたらもうラケシス様がいらして……」
 怒られると思ったのだろう、フィンは必死で取り繕っている。そんな彼を見て、ラケシスは微笑んだ。
「別に怒らないわよ。私がここに早く来すぎたんだから」
 声のトーンがいつもと違う事に気がついたのだろうか、フィンは彼女の様子を見て心配そうな顔に戻った。
「……本当にどうかされたのですか?」
 本当に心配げな彼の様子にラケシスは苦笑する。性格がストレートなせいで、隠そうとしても到底隠せるものでは無いらしい。
「ノディオンを見ていたのよ」
 ラケシスの短いその言葉にフィンは大方の事を悟ったのだろうか。なんと声をかけるか悩んだ顔になり、俯いた。
 そんな彼の様子を見てラケシスはため息をつく。やはり人に心配をかけるのは苦手だ。自分は間違っていないと思うし、後悔しているわけではない。むしろ兄に悔い改めて欲しいくらいだ。だから、周りが気を使ってくれるのは嬉しくもあり複雑でもあった。
 ラケシスはふと気がつく。彼もレンスターの出身だ。そう、今義姉が居るレンスター。
 レンスターがどんな所であるのはか聞いた事がある。
 それでも聞いてみたかった。
「ねえ、フィン。レンスターは良いところ?」
 突然の質問にフィンはびっくりした顔になった。確かに彼からしてみれば何の脈絡も無い話だろう。だが、彼は律儀にもちゃんと返事を返してよこす。
「は、はい。気温がここよりも温かいですし、もっと乾燥していますけど、作物も沢山採れますし、魚もこことはまた違ったものが沢山いますよ」
 その顔は懐かしい祖国を思い出す顔。その表情からは、フィンにとってアグストリアよりも遥かにレンスターの方が素晴らしいのだろうということは想像できた。遠く離れた故郷が一番良いと感じるのは、その国が悪い所ではないという証でもある。
 ラケシスは安堵の息をついた。
「そう、なら良かった。
 今ね、レンスターに義姉と甥が居るのよ。
 どうしているのか…困っていないか…よくそういう事を考えるけど、心配なかったようね」
 義姉が居るという言葉にフィンは事情を察する。エルトシャン王の奥方様はキュアン王子の親戚だと聞いていた。離れ離れとなっていては心配なのだろう。状況が状況だ。本当は傍に居て欲しかったに違いない。
 ラケシスは、そんなフィンの気遣いに気がついているのかいないのか、その大きな青い瞳をくるっとさせて見つめた。
「ねえ、フィン。キュアン様がレンスターに戻られるようだったら、私もご同行しても構わないかしら?」
「え?ええ、問題ないと思いますけど……」
「そう?なら良かった」
 先ほどからのラケシスの発言はいつも以上に唐突な話が多い。なんだか訳が分からない状態のフィンだったが、ある事に気がついて納得がいった。
 今までの彼女の言葉をまとめれば、一つの事しか出てこない。
「……グラーニェ様を迎えにいかれるのですね?」
 フィンの問いにラケシスは頷いた。
 そして、再びノディオンのある方角へと顔を向ける。
「お義姉様の言う事だったら…アレスの言う事だったらお兄様も聞いてくださると思うの。
 お兄様はノディオンの王よりもアグストリアの騎士を選び、私やシグルド様よりもシャガール王を選んだ。
 でも……お兄様は騎士や私の兄やシグルド様の友であるだけでなく、お義姉様の夫でありアレスの父親。家族がここに居るのなら…あの人はきっと無茶な真似をするような人じゃない。
 お兄様を説得出来るのは……もうお義姉様しかいないわ。
 お兄様がお義姉様を逃したのなら…私は連れて帰るわ。本当に護るべきものが何か、お兄様にもきっと分かるはずだから」
「……護るべきもの……家族という事ですか」
 フィンの言葉にラケシスは大きく頷く。
 そう、本当に一番護るべきものは家族に他ならないのだから。
 誰よりも近くにいる家族を護れない人に、他の何かを護れるはずが無い。
 戦う理由なんて、大切な人を護る事以外にあるはずがないのだから。
「……ラケシス様は、よい母親になられますね」
 フィンはそう言った。そう感じたのだ。彼女はきっと誰よりも家族を大切にする人になると。誰よりも子供を愛する母になるのだろうと。
 その言葉にラケシスは目を丸くすると、くすくすと笑った。
「あら、私、エルト兄様みたいに素敵な人じゃなきゃ結婚なんてしないわよ?」
 先ほどまで、兄がどうだのこうだの言っていた人とは思えない発言にフィンも思わず笑ってしまう。
 ラケシスは兄が大好きなのだろう。そして義姉も甥も大好きなのだろう。だからこそ、心を痛め、解決策を探しているのだろう。
 そんな彼女に何か役に立てることがあるならば、何でもしてやりたいと思った。
「ラケシス様、僕に出来る事でしたらなんでもさせていただきますね」
 フィンのその言葉にラケシスは嬉しそうに笑った。
「そう?じゃあ、とりあえずはまず予定通りに槍の稽古に付き合って貰いましょうか?」
 いつもみせる笑顔に戻ったラケシスは元気良くそう言った。いつもの、はつらつとした逞しい彼女の笑顔。
 フィンもその笑顔に安心して頷く。
「それにしてもラケシス様が槍術が出来るなんて知りませんでしたよ」
「ふふ、お義姉様仕込みの槍術だもの。フィンにもひけをとらないはずだから覚悟しないさいね!」
 お義姉様仕込みという言葉にフィンは目を丸くする。
 確かグラーニェは病弱だと聞いていたのだが……。
 それに気がついたラケシスは軽く笑った。
「お義姉様は昔、キュアン様にも負けないくらいお強かったそうよ。
 お兄様は私が剣を振るうのを感心して下さらなかったけれど、お義姉様は私の気持ちを汲んで、こっそり槍を教えてくださったのよ」
 そう、男達に負けないようにと剣を学ぼうとするラケシスに、兄のエルトシャンはおしとやかな淑女として振舞って欲しかったのだろう、あまり剣を振るう事に感心していないようだった。
 だが、義姉は同じような思いをした事があるのだろうか、剣を学びにくそうにしているラケシスに気がつき、剣だけでなく槍についても教えてくれたのだ。昔は、これでも武術が得意だったのよと微笑みながら。
 今でも覚えている。義姉はラケシスに剣だけでなくあらゆる武器に対して才能を持っていると言ってくれた。
 だから、義姉に会う時には、もっと強くなっていたい。そんな思いがあった。
 丁度フィンは歳も近いし、レンスターの槍騎士なので腕試しにはもってこいの相手でもある。そもそも、ここに彼を呼び出したのはラケシスであり、槍の稽古が目的だったのだ。
 強気で微笑むラケシスにフィンも負けてられないといった顔になる。フィンの方もキュアンに目をかけてもらっているのだから、そう簡単に負けられない意地がある。
「……そう簡単に負けませんよ」
「ええ、楽しみだわ」
 ラケシスは微笑んだ。
 槍を手に取ると、義姉の事を思い出す。
 今日、フィンから一本取れたら手紙でも書いてみよう。
 教わった槍術が今も健在だと伝えるために。
 そして……早く会いたいと伝えるために。
 ラケシスは大きく息をつくと、槍をぎゅっと握り締めた。


 終わり。


いつか書いてみたかったラケちゃんの話。しかも、グラーニェさんとの別れの話。離れている兄への思い、とか色々含めて。
ラケシスは家族を大切にする女の子だと思うのです。それはデルムッドに会いに無理なことをしてしまうくらい。それだけ彼女にとっては家族が大きいのだと思うのです。いいお母さんなんだと思っています。
微妙にフィンラケ。それは私がフィンラケだからなんですが〜…、まあ私のフィンラケ像は基本的に人と違ってますのでなんともかんとも;;
でもエルグラでフィンラケなら兄弟そろってレンスターの人が好きなのですねvなんかそれもドラマチックかも〜vvと思い始めたり(笑)。
とりあえず、いつか正式にエルグラもフィンラケもラケちゃんとお義姉様のお話もまた書いてみたいです。
しかし書き始めて二ヶ月かかったわりには…って感じですね;;精進します。

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