羽衣異聞

これは「羽衣コミックミュージアム」という羽衣伝説をテーマとした美術館から依頼を受けて描いた展示用イラストです。私としてはほとんど描かないA3という大きなサイズです。(ってもCGなのであまり感じないけど(^_^;)

一応羽衣伝説に触れてあれば自由な解釈で、ということでしたので勝手にストーリーを仕立ててみました。皆さん御存じのように、天女は漁師の伯梁(白龍)から羽衣を返してもらうと舞を舞い天に昇ってしまうのですが、私はその後の話というのを考えてみました。

伯梁(白龍)は一旦は諦めたものの、やはり天女のことが忘れられず思いは募るばかり。ついにその強い念が彼の体を龍に変え、彼は一心に天に昇っていきます。しかし天女の住む天界ではそれを許してはならぬと雷(いかずち)を放ち伯梁を阻止しようとします。彼は傷付きながらもなお天に昇ろうとし、その決死の姿を見た天女は心を打たれ彼の元に戻っていくのです。

名前が「白龍」だけに白い龍にしようかなと思ったのですが、ちょっとストレートかなとも思い、画面的にも白だと弱々しい気がしてこの色にしました。……と言い訳したかったのですが、実を言うと初めストーリーを考えた時点では漁師の名前を詳しく知りませんでした(^_^;)依頼された時に「獣なイラストを」という指示だったので龍を思いついたのですが、後で調べたら偶然「白龍」とあってびっくり。いえね、私が無知なだけなんですが(^_^;)それにしてもたまたま合っちゃったもので、よかったかも、と思いました。

ということで、三保の松原で有名な清水三保にある「羽衣コミックミュージアム」に私のこの作品が展示されています。実物はもっと綺麗にプリントアウトされていると思うので、機会があれば是非見に行って下さいね。