野外観察

先生方へ 
1.生徒を連れて行く場所を必ず下見をしておく
 @予定した時間内に戻れるか。
 A崖崩れ等の危険箇所はないか。
 Bスズメバチの巣やイラクサなど、危険な生物の有無を調べておく。

2.授業のねらい、展開の仕方、まとめ、評価法など計画を綿密に立てる。
 授業計画に無理はないかどうか十分に検討する。計画外のことを行うと事故が起きやすい。

3.授業の前と終了後に生徒を点呼し、生徒数を確かめる。

4.交通事故に対しての注意
 観察コースを決める際に、自動車道路を避けて計画することが望ましいが、やむをえず道路を通るときは左側通行(集団の場合)を励行し、道路の横断には教師が道路に立って、迅速に行う。交通量の少ない場合、事故に対する注意を怠りがちになるので、教師の指導を徹底させることが大切である。

5.服装について−肌をむき出しにしないこと
 @靴をはかせ、裸足、草履、サンダルなどで歩かせない。
 A長袖シャツを着用し、長ズボンをはかせる。
 B冬は防寒具を身につけさせる。夏は日よけの帽子をかぶらせるなど、天候に対する備えを十分にする。また、歩き始めるとすぐ汗をかくので、厚着は避ける。
 C手には荷物をできるだけ持たないようにする。転倒したときに大怪我が防げる。

6.狩猟者に対する注意
 学校周辺で発砲することはないと思うが、禁猟区以外の猟場では11月1日から2月15日まで狩猟者が入っていることがあるので十分な注意が必要である。

7.危険な箇所に対する注意
 路肩の崩れ、壊れかけた橋、崖崩れの場所、落石、岩場、雨が降った後の赤土の急斜面などに十分注意する。

8.危険な生物
 千葉県には危険な動物として、マムシ、ヤマカガシなどの毒ヘビをはじめとして、スズメバチ、ドクガなどの昆虫類が生息している。
(1)ヘビ類
  千葉県では、マムシとヤマカガシが毒ヘビである。特に危険なのがマムシである。生徒は好奇心から手を出すことがあるので注意が必要である。また、血清を備えている病院をあらかじめ調べておくことも必要である。
(2)スズメバチ
  千葉県ではクマバチとよんでいるところもある。山林や人家付近に大型の巣を造っていて、夏や秋の昼間は、クヌギなど の樹液や熟した果実に集まることが多い。とにかく、巣に近づかないこと。樹液を吸いにきているものにも近づかないこと。
(3)カエル
  カエルを手でつかみ、その手を洗わずに眼をこすらないこと。
(4)ツツガムシ病
  ツツガムシ病は河川敷、山野、草原でツツガムシ病リッケチアをもったツツガムシ(ダニの一種)の幼虫に刺されて起こる急性熱性発疹性の病気である。刺されると高熱が出て死亡することがあることから「届出伝染病」に指定されている。
  千葉県では10月〜1月にかけて病気の多発傾向があり、11月が最も多く、山林内、または山林に接した草むらで感染している。ツツガムシに刺されると刺されたところが、トゲが刺さったような感じがし、入浴中刺された部位が、痛がゆい感じがすることがある。発熱や発疹も出てくる。こうした症状が出たら、ツツガムシ病と疑って、かかりつけの医師に自覚症状を述べ、診察してもらう。早期に診断し、治療すれば、決して怖い病気ではない。



参考文献 理科教育資料集、第33集、昭和63年3月、千葉県総合教育センター

トップページへもどる 野外観察の仕方へもどる

直線上に配置