283*昭和の あさこ

静かな田舎のアトリエから
大都会の銀座の人形館へ
この前 るりぃ を 送り出して

さて
次はですね
今度は京の都へ送り出す
人形の女の子のお支度を
このところずっと
毎日 毎夜 ひたすらに
進めておりました。








この人形の女の子の名前は
あさこ と いいます。
漢字で表すと 朝子です。
身長約45cm
粘土製の人形です。




あさこは ずーっと昔から
もう空気の様な存在で
アトリエにいる人形です。
あさこは 私の昔の時代の
想い出の人形作品として
ずっと長年
持っていたものですが
今回 初めて手元から離して
ひとり旅に送り出してみようと
想います。






あさこという人形にまでは
なっていなかったけれど
石塑粘土で ぼんやりと
カタチになっていたのは
確か 昭和の頃・・・
だったかな と想います。



そこからかなり長い年月
その時々造作に手を加え
石塑で創っていたボディーは
イージースリップで創り替えたり
小さな指がすぐ折れてしまうので
樹脂製で組み直したりしました。
髪も何度か
付け替えたかな・・・。



そのうち段々と昔風の
素朴な女の子らしい感じに
纏まって来て
そこで あさこ(朝子)と名付け
簡単服を着せて 学童帽を被せ
空想の中で よく遊んだり
していました。




あさこは
昔 出版された 私の人形作品集
「ある瑠璃色の夜・・・」にも
収録されています。
そのあさこが 元々のかたちで
そこから長年のうちに
ちょっとずつ手を入れて
少し表情なども変わり
今に至ります。




そんな あさこ のことを
これから綴っていきます。





つづく



2021年03月18日