- 無性の結晶たち- 名前は カラス







                      河が  今日も荒れている。

                      水鳥は  何処に行った。
 
               


                      あなたたち  何かに似ている。

                      そんなに目を伏せて

                      何処に帰る場所があるのか。



                      あなたたち  魚に似ている。

                      あの河の  魚に似ている。



                      何もしないで  食べられる  魚。

                      水鳥は待っているから

                      鏡のように静んだ  河  その水面を

                      かすめるように飛ぶ  水鳥。





                      あななたち  ただ  もがく  それだけなのか。



                      そこにいたら  何も得られない。

                      何も変わらない。




                      目を開けないと  いけない。

                      水鳥は  もう  すぐそこ。