- 無性の結晶たち- 無題 No.1







               自分が性を持たない人間であったとしたら

               その昨日を果たす事が出来ない人間であったとしたら

               自分は何者になればいいのか分からなかったかもしれないし

               どう生きていけばいいのか分からなかったかもしれない


               自分がこの体として生まれてきたことの意味すら持てずに

               誰かに教えてもらいたいと問い続けるかもしれない


               強く勇ましいのが男性であり

               美しく柔らかいのが女性であると

               教えられてもいないのにみんなそうだと知っている

               その本能にも似た理性の秩序で

               私たちは何かを見失わずに生きていられる


               それが崩れることは無いのだと思っている

               お互いを愛すること


               それは誰かに教えてもらった訳じゃない

               それはとっても説得力のある     生命