サンデー毎日


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16bal01a.gif (567 バイト)サンデー毎日の記事 (H10.1.30)

 珍しく、肯定論者の記事が入手できたので、ちょっと読んでみました。それはこれです!

サンデー毎日 平成7年11月19日号 『血液型性格占いは「ウソ」の反証!』 前『関西文学』編集長 河内厚郎さん

 この記事には、大村政男さんと能見俊賢さんの両方のコメントも同時に掲載されています。これは非常に公平だと言えますね。では、ちょっと引用しておきましょう。

■血液型性格分析は「ウソ」
  日本大学教授(性格心理学)大村政男

 私も以前は、血液型と性格は関係があると思っていました。それが、1891年生まれの教育学者で因果関係ありとした古川竹二氏と同じ方法で調査をしてみた結果、血液型と性格は関係がないことが分かったのです。
 古川氏は、OとB型の85.1%が積極的、AとAB型の81.9%が消極的な性格傾向を示したとし、 四つの血液型別に性格を分けました。ところが、私の1989年の調査では、OとB型の52.0%が消極的、AとAB型のうち52.4%が積極的な性格という結果が出てしまいました。
 残念ながら、現在の能見正比古氏(故人)と俊賢氏の親子の説も、結局は、このいったん滅びた古川説を化粧直ししただけにすぎません。彼らは数十万のデータがあると言いながら、その内容を発表していません。「鰯の頭も信心から」というように、血液型性格分析は、日本人の大衆文化にしみこみ信じられているデタラメにすぎないのです。
■性格と血液型の関係は常識
  血液型人間学研究所所長 能見俊賢
 父・正比古が、「血液型でわかる相性」(青春出版社)を出して以来、四半世紀にわたって常識といっていいほど日常生活のなかに定着し、さまざまな分野で活用されているのが血液型人間学です。いまさら、血液型と人間性が関係あるかないか議論するような問題ではありません。その因果関係は、日本人が世界に先駆けて研究してきた成果で、すでに決着はついています。
 何しろ、血液型と人間性が関係ないと言っている人々はたくさんいるようですが、感情的に科学的根提がないと言うだけで、私たちが集めた量と同じレベルの反証データを挙げた人はいません。
 私たちは数十万、数百万レベルのデータを持って、日常の生活傾向や性格と血液型が関係あること、さらに、政治家やスポーツ選手など百ジャンル以上の専門分野と血液型の因果関係を証明してきました。色の好み一つとっても、血液型によって明らかな違いが見られるのです。

 『サンデー毎日』だから、週刊誌としては権威がある方でしょうが、残念ながら数字は全く掲載されていません。非常に残念ですが、しょうがないですね。確かにこれでは心理学者向けの反論とは言えないようです。

 リーダーはこうなっています。

 あの疑心暗鬼のかたまりとも言える麻原彰晃被告が血液型と性格の関係を重視して、O型信者を露骨に敵視していたことが分かったが、本当に血液型と性格には因果関係があるのだろうか。実は1916年に日本の医師が両者の関係の大研究を始めたが、結論が出るたびに異論が出て、以来ずっとけんけん諤々の論争が続いているのだ。そこで改めて「血液型性格判断は俗説」に反論する1人、『関西文学』前編集長の河内厚郎さんに、著名人の評定を交えて、血液型人間学論を聞いてみた。

 一部事実誤認のところもありますが(日本の医師=古川竹二ということなのでしょうが、彼は医師ではなく教育学者ですし、結論が出るたびに異論が出たというのもちょっと違いますし、以来ずっとけんけん諤々の論争が続いている訳でもありません)、まあいいでしょう(笑)。次に、見出しをちょっと拾ってみます。

 「有名人」の性格と行動
 血液型で性格パターンを知る
 力士は血液型がよく現れる
 人間関係のため血液型を利用

 次に、性格記述の部分をちょっと長いのですが引用しておきます。

 −血液型は古くて新しい問題ですが、まず「血液型と性格は関係ない」「人間の性格がわずか四つの血液型で分けられるはずがない」という否定論に対して、どう考えますか。
 河内 性格というより、思考パターン、考え方の傾向が血液型によって明らかに違うと思います。これは間違いないでしょう。だからその人の血液型を知った上で接すると、仕事や人間関係がとてもスムーズにいくのです。私自身、学校事務、予備校教師、『関西文学』編集長、プロデューサーなどいろいろな職業に就きながら、多くの人と付き合ってきた経験上、身にしみて実感したことです。
 −では、各血液型の思考タイプの特徴は?
 河内 A型は自分の技術やスタイルに対する信仰とも言えるこだわりがあって、技術を買ってくれたらいいと思っていますね。これに対し、O型は技術だけではなく、自分という人間全体を評価してもらわないとダメで、周囲の目を気にします。
 将棋の内藤国雄九段はA型ですが、試合に勝ってもひどい内容だと不機嫌で、O型の谷川浩司名人は最低の試合をしても勝てばいいそうですよ。A型は自分にとっての結果を大事にしますが、O型は社会的自意識が高く、周囲の目を気にするという良い例です。
 −B型とAB型はどうですか。
 河内 B型は、ある時期にアイデンティティーが形成されると、もはやスタイルを変えません。一般的には無神経でマイペースと言われているところがあるのです。
 AB型は、二重人格とか言われ、自分でも複雑な人間だと思っている節がありますが、実際は意外に単純な人が多い。みんなが落ち込んでるときに盛り上げて、盛り上がってるときに水をかける天の邪鬼のようにも言われますが、ああやって自らバランスを取っているのです。

 なるほどですね。この記述に首をかしげる人は少ないのではないでしょうか? で、AB型は以外に単純という記述が目を引きます。確かに、わかってしまえば意外に単純かもしれませんね(笑)。この後は、首相や力士、プロ野球の記述が続くのですが、長くなるのでカットします。スポーツの好きな人には面白いでしょうが…。で、最後に必ずしも血液型で性格が決まる訳ではないとして、次のような記述があります。

 −ところで、オウム真理教の麻原彰晃被告は血液型と性格の関係を信じていて、B型の自分と合わないのはO型だと言って、O型の信者を虐待したそうですが。
 河内 誤解しないで欲しいのは、血液型によって、性格や生き方、職業が決まるはずはないということです。よくA型の人が慎重と言われますが、慎重な人は、どの血液型の人にもいて、慎重に行動する動機が血液型によって違うのです。A型で慎重な人は自らのスタイルにこだわるあまりだし、O型は何かの目的のために動くから。AB型は極端なのが嫌だからでしょうし、B型はある時期に身につけた性格のまま行動するからなんです。結論はこうしたことを見極めてから相手に接すると、やはり失敗は少ないと いうことでしょう。

 ま、これも妥当な記述と言えます。で、最後の記者のコメントがふるっています。

 「性格は変わるものだ」という河内さんは、血液型は性格ではなく、その人の行動パターンと関係があるという。
 ここは血液型と性格、あるいは行動パターンを信じるか、信じないか−それも血液型型によるのでしょうか。

 前半は全くそのとおりなのですが、問題は後半の部分です。血液型が信じる信じないの問題になってしまうのは残念です。これでは、あまり科学的とはいえないでしょう。もっとも、血液型と性格の関係を信じる(「信じる」という言い方には私は少々抵抗がありますが…)かどうかは、確かに血液型で差はあるでしょうけど…。

Green_Ball9.gif (257 バイト)おまけ

 他には、『SINRA』と『anan』にも反論があるようですが、残念ながらまだ入手できていません(今後の入手もむずかしいようです)。ただ、雑誌の傾向から考えると、内容的には『サンデー毎日』の反論とあまり違わないもの(失礼!)であることが予想されます。ですから、心理学者を相手にデータで反論するというものではないでしょう、たぶん。

 となると、統計データでまともに心理学者に反論したのは、能見正比古さん以外には、どうやら竹内久美子さんと弓達さん、そして私だけのようです(古川竹二さんは除く)。データに基づく反論は日本では案外少ないようですね。

 ただ、いずれにせよ、まともな反論としてかなりのインパクトがあることは確かです。更に、『サンデー毎日』に掲載されたこともあり、必ずしもすべてのマスコミが血液型と性格の関係に否定的ではないということは確実にいえるでしょう。


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最終更新日:平成10年1月30日