センター入試


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【H22.2.14追記】 平成22年度の倫理社会

 平成22年度の倫理社会で、血液型の話がちらっと出ているようです。
 「血液型性格判断が科学の教科書で否定された『場合』」ですから、平成14年度に比べると、かなり引いちゃっているようですね。(^^;;

 ちなみに、設問は次のようになっています。

問7 下線部(f)[省略]に対して、様々な定義があり得るが、次の文章を参考にして、疑似科学的な発言の例として最も適当なものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。[29]

 言葉の定義からして、疑似科学には「科学のようで」「科学でない」という二つの条件が必要である。……
 「科学でない」ことの一つの目安として、その分野の中心的な主張が正統科学から否定されていることは疑似科学の重要な特徴であろう。……
 次に「科学のようで」という方法だが、その分野の研究者たち自身は自分達のやっていることが科学的であると主張していたり、少なくとも科学の装いをまとっていたりすることも疑似科学の特徴として入れておきたい。(伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』)

 @「血液型性格判断が科学的に否定された場合でも、ふだんの会話の中で盛り上がる話題としてそれをもち出すのであれば、全く問題はないよね。」
 A「血液型性格判断が科学の教科書で否定されたとしても、血液が生命を維持しているのだから、やはりそれは科学的に見て正しいはずだよね。」
 B「血液型性格判断がある種の研究者により正しいと主張されたとしても、新たな反証によって否定され得るので、絶対視しない方がいいよね。」
 C「血液型性格判断が現在までの研究で否定されたなら、それを覆す明らかな証拠が出されない限り、科学の主張としては信用できないよね。」

 正解は(予想通り?)Aです。

 これで、“血液型性格判断”が疑似科学っぽいとしても、科学的に正しい(間違っている)かどうかは現時点では不明ということを、大学入試センターが公式に認めたことになるのでしょうか?

 もっとも、この設問はちょっとヘンです。一般的な「科学の教科書」なんてありませんから…。
 大学入試センターに質問した方がいいのかな?

 [注:誰でも質問できますし、質問には必ず返事が返ってくることになっています]

32.gif (286 バイト)大学入試センター問題情報

 平成14年度の現代社会の冒頭部分に血液型の問題が出題されています。
 実は、大学入試センターの試験問題は、ホームページからダウンロードすることができます[現在はダウンロードできせません -- H16.3.14追記]。実に便利になったものです。ということてで、ここは一つ、皆さん自身でも考えてみてくださいね。

Red_Ball12.gif (916 バイト)平成14年度大学入試センターの現代社会

  まず、設問冒頭の血液型に関係する部分(現代社会4ページ)を引用しておきます。

君たちの中にも、性格や適正を測る心理テストを自分の進路決定などの参考にしている人がいるだろう。また、星占いや(a)血液型性格判断で自分の性格やだれかとの相性を調べて一喜一憂している人もいるかもしれない。このように、いろいろな方法で自分の個性を知ろうとすることは、「自分探し」の時期にある若者にとってはごく自然なことだし、自分がどういう個性を持っているかという意識は、青年期の人格発達と深く結びついている。しかし、君たちが自分の将来を考えるときには、そうしたテストや占いの結果にとらわれすぎてはいけない。(以下略)

 素直に読むと、別に血液型と性格に関係がない、と言っているわけではありません。また、心理学の性格検査についても、「結果にとらわれすぎてはいけない」と、妥当(?)な見解が書かれています。心理学会から文句が出ないのか心配です(笑)。

 さて、これを受けて問1では(a)の部分に関する設問があります(6ページ)。

問1 下線部(a)に関連して、次の文章と表とは、ある心理学者が血液型性格判断についての行った研究の方法と概要である。この研究によって示されたことの記述として最も適当なものを、下の@〜Cのうちから一つ選べ。

〔方法〕ある雑誌に記載されていた「A型の性格は……」「O型の性格は……」といった血液型性格判断をもとにして、B型のところにA型の性格記述を、AB型のところにO型の性格記述を、というように、血液型と性格記述の対応をすべて入れ替えた「偽物」の性格判断を作成した。大学生1,020人を二つの群に分け、一つの群には雑誌の性格判断そのもの、つまり「本物」を、もう一つの群には「偽物」を、それぞれ本物か偽物かは教えずに読んでもらい、自分の血液型についての性格記述が「当たっている」と感じるかどうか答えてもらった。

〔結果〕

  「当たっている」と
答えた人数(%)
「当たっていない」
と答えた人数(%)
合計(%)
「本物」の性格診断を読んだ群 362(64.2) 202(35.8) 564(100.0)
「偽物」の性格診断を読んだ群 300(65.8) 156(34.2) 456(100.0)
全  体 662(64.2) 358(35.1) 1,020(100.0)

大村政男「血液型気質相関連説と血液型人間学の心理学的研究II」『日本大学文理学部人文科学研究所紀要』第46号(1993年)により作成。

@血液型性格判断が「当たっている」と感じる人が占める割合からいって、人の性格の6割程度は血液型から理解することができると考えられる。
A血液型性格判断の「本物」と「偽物」とを比較すると、「本物」の方が、血液型ごとの性格をよりよく言い当てていると考えられる。
B血液型性格判断には、もともと血液型に関係なく多くの人に当てはまるような記述が多いので、自分の性格が言い当られたように感じやすい。
C血液型性格判断が「当たっている」と感じる人が多いのは、その性格記述が血液型による性格の違いをよく言い当てているからである。

 もちろん、公式の「正解」はBです(笑)。

 しかし、この設問には大いに問題があります。なぜなら、被験者の男女比は、男性240人に対して女性が780人と、女性が圧倒的に多いからです。サンプルに短期大学の女子学生が多いのでそういう結果になったのでしょうが、これではあんまりです。心理学者が要求するランダムサンプリングとはほど遠いようです。そこで、男女を同数として補正した結果を次に書いておきます。

〔男女比を補正した結果〕

  「当たっている」と
答えた割合(%)
「当たっていない」
と答えた割合(%)
合計(%)
「本物」の性格診断を読んだ群 61.8 38.2 100.0
「偽物」の性格診断を読んだ群 59.8 40.2 100.0
全  体 60.8 39.2 100.0

 ついでに、血液型構成も補正してみたのが下の表です。

〔男女比・血液型比を補正した結果〕

  「当たっている」と
答えた割合(%)
「当たっていない」
と答えた割合(%)
合計(%)
「本物」の性格診断を読んだ群 62.1 37.9 100.0
「偽物」の性格診断を読んだ群 59.8 40.2 100.0
全  体 61.0 39.0 100.0

 「本物」の方が正解率が若干高いとはいえ、検定をしても有意になるとは到底思えません。(^^;;
 こうなると、@〜Cのどれでも正解になりそうです(笑)。

 大学入試センターも、わざわざ冒頭に血液型の、しかも結論があいまいな問題を持ってくる必要はないと思うんですが…。はて?  -- H14.7.21

Red_Ball12.gif (916 バイト)またまた疑問が

 まず、学会誌よりチェックが甘い研究紀要のデータを使ったことは疑問です。心理学者自身でさえ好ましくないと考えています(坂元章 1994 血液型ステレオタイプと認知の歪み 現代のエスプリ, 324, pp.184-185.)。

 筆者は、「血液型性格学」に関するアカデミックな研究は、認知の歪みの分野だけでなく、全体として、いまだに未成熟な部分があるとしばしば感じている。これには、二つの理由があるのではないか。
 第一に、「血液型性格学」の研究者はこれまで、審査の厳しい学会誌に論文をあまり投稿してこなかった。それにはさまざまな理由があったかもしれない。だがいずれにしても、厳しい審査を経ていないために、多くの論文がやや問題を残したままになっている。
 第二に、「血液型性格学」のアカデミックな研究者は、それぞれの研究を十分に吟味し、批判し合う姿勢をあまり持ってこなかった。例えば、本稿では、認知の歪みの研究の問題を指摘してきたが、これまでに、これらの研究の展望を含む論文はしばしばあったにもかかわらず、これらの研究を列挙するにとどまり、本稿のように、その問題を指摘したものはなかったであろう。
 互いの研究をよく吟味し、その不備を探し、それを踏まえたうえで慎重な議論を重ねていく姿勢は重要である。「アカデミック」とは、そういうことではないかと筆者は考えている。現在の「血液型性格学」研究は、「アカデミック」な立場から、「ポップ」な立場を批判するものとなっているが、筆者は、その「アカデミック」の足場をまず固める必要性を感じているのである。

 また、サンプルは大村さんが心理学の授業で教えている学生と思われるので、回答結果にバイアスがある可能性が大きいのです。心理学者自身でさえ、このような歪んだサンプルを使用することは好ましくないと考えています。

 ここでは、松井豊さんの発言を『血液型と性格』(現代のエスプリ No.324 分析手法から見た「血液型性格学」 119〜120ページ)から引用しておきます。

 心理学者の反省

 しかし、方法論上の問題を抱えているのは、「血液型性格学」支持者だけではない。「血液型性格学」を否定する立場の多くの心理学者にも、先の批判を甘受しなければならないものが多い。詫摩・松井だけでなく、多くの研究は、学生を対象にしたアンケート調査に基づいて、「血液型性格学」を支持しないデータを提出している。それらの多くは、厳密な心理検査を利用しており、先の批判の第1(項目の不備)を改善している。しかし、これらの研究においても、回答者は講義や授業を受けている1つか2つの学校の生徒や学生に偏っており、ランダムサンプリングによるものはみられない。血液型は自己報告によっており、第二の批判(血液型の測定)にも対処されていない。
  残念ながら、血液型ステレオタイプに戦いを挑んでいる良心的な研究者たちも、方法論という面からみると、「血液型性格学」支持者と同様に批判を受けざるを得ないのである。

 現実のデータを見てみましょう。血液型に興味がある人の割合のデータです。下の表の赤枠の中が心理学専攻の学生です。平均を計算すると「興味ある」が53%になるので、@の中学生グループを除けば、他のいずれの被験者グループよりも低いことがわかります(佐藤達哉 1995 血液型性格判断、星占いを信じやすい性格があるか 児童心理, 649, 112-121.)。

interest.gif (40879 バイト)

Red_Ball12.gif (916 バイト)試験問題の作成方法

 その後、次のことがわかりました。公開しても特に問題はないと思われるのでここに書いておきます。

  1. 試験問題は1人で作成するのではなく、複数の委員(委員は毎年変わる)でディスカッションをし、慎重にチェックを行っている。
  2. 大学入試センターの試験問題についての疑問は、原則として問い合わせを受け付けている。
  3. 問い合わせの受付期間は、その年度の委員会が解散するまで(試験後1年間程度)としている。
  4. 試験の秘密と公平性を保つため、委員の氏名は公表できないし、関係書類はすぐ処分している。

 当然ながら、問題作成には細かい配慮がされているようです。さすがに大学入試センターというべきでしょう。(^^)

 したがって、問題は平成14年度ですから、既に問い合わせ期間が終了していることになります。残念!
 わかっていれば、もう少し早く問い合わせていたのですが…。

 ただ、そうなると疑問が残ります。実は、私が大学入試センターに血液型の問題が出題されていることを知ったのは、インターネットの掲示板からです。その掲示板には、平成14年度の試験が終了した直後に書き込みがあり、この問題は心理学者が主となって作成したという趣旨のメッセージがありました。

 文章の内容から判断すると、作成委員関係者からの情報だという可能性ゼロではありません(もちろん、可能性は極めて低いとは思いますが)。まさかとは思いますが、仮にそうだとすると守秘違反になるのは間違いありません。

 また、問題の作成委員の大多数が心理学者だと仮定すると、いままでの経緯から判断して今回のような問題が出題されても別に不思議はありません。まあ、可能性は極めて低いので、余計なことを考えてもしょうがないと思いますが…。

 少々後味が悪い結論になってしまいました…。(*_*) -- H16.3.14

 最近は、大学入試センターにクレームが増えているらしく、作成委員は原則として公表するように方針が変わったようです。例えば、西尾幹二さんの『日本がアメリカから見捨てられる日』(徳間書店 H16.8)の268ページには次のような記述があります。これは、自由民主党の安倍幹事長が自民党有志とつくっている「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(以下「議員の会」…ちなみに、私は全く関係ありません・笑)と大学入試センター(以下「センター」)が、平成16年3月26日に行った意見交換の内容です(太字は私)。

センター 従来、委員名は公表してこなかったが、可能な限りオープンにして透明性を高める時代であり、どのような仕方で公表すべきか検討中である。問題作成には2年かけており、1年ごとにメンバーを半数ずつ交代するという仕組でやっており[注:私の受けた説明とは違うようです…]、今年任期を終えた委員も翌年の問題作成にも関わっているので、いつの時期に公表するのがいいか慎重に考えている。
議員の会 公表するのか、公表そのものが検討中ということのなのか?
センター 公表する方向で考えている。
議員の会 文科省から事前に受けていた説明と違う。文科省からは公表を前提として、任期を終えた半数ずつを五月雨(さみだれ)式に公表するか、それとも全員が任期を終えてから一括して公表するかという公表の仕方を検討していると聞いた。内部で意見が合致していないのではないか。
文部科学省 公表することを前提に公表の仕方を検討している。ただし、すでに退任した委員については公表の仕方の同意を得ていないので、公表については検討が必要。
センター 文科省と同じ考えだ。公表時期は試験作成の流れもあるので検討したい。
議員の会 退任した委員名の公表になぜ同意が必要なのか。公表して困るような人、社会的な批判に耐えられないような人を委員に選んでいるのか。
センター 公表する。
議員の会 任期が終わった委員名はすぐに公表しても問題ないではないか。
センター 例えば今年3月に任期が終わる委員も、来年1月の試験作成にもかかわっているので、漏洩などの問題がある。

 大学入試センターの方は大変ですが、頑張ってもらうしかないですね。(*_*)

 いずれにせよ、次回からは委員の名前が公表されるようなので、もし血液型の問題が出たら早速問い合わせてみたいと思います。 -- H16.9.14

Red_Ball12.gif (916 バイト)試験問題評価委員会報告書

 平成14年度大学入試センター試験には「試験問題評価委員会報告書」という報告書があります。この本の内容は公開されているので、とある方法で入手することができました。関係者の方々には深く感謝申し上げます。m(._.)m

 まず、報告書からこの問題の関係部分を抜粋してみました。

 高等学校教科担当教員の意見(210ページ 下線は私)

第1問 青年期の性格形成について現代の風潮を取り入れた馴染みやすいリード文である。問1は、血液型性格判断に関する表の読み取り問題であり、資料としても興味深いものがあるが、容易にBと回答できるので選択肢の工夫が望まれる。

 公民科・社会科教育全国協議会の意見(216ページ 下線は私)

問1 血液型性格判断を題材に血液型と性格記述の対応を入れ換えた「偽物」と「本物」のどちらに当たっているかを感じるかを統計をもとに出題されている。統計と選択肢を冷静に読み、論理的に考えていけば正解に至る。凝った出題ながら平易にまとめてある。

 全国高等学校高校学公民か「倫理」「現代社会」研究会の意見(221ページ 下線は私)

第1問は、青年期の課題に関する問題。適性検査な占いを題材に個性の成長を扱ったリード文はとりかかりやすく好感が持てる。常識と読解力で解けるものが多く、問題としては平易である。だが環境と自分とのかかわりを考えさせる問題でもある。問1はデータから答えを導く問題であるが、正当の選択肢の記述はデータからは読み取りにくい。むしろ常識的な判断が必要である。

 問題作成部会の見解(225ページ 下線は私)

第1問 高等学校学習指導要領の「現代社会の特質と青年期の課題」領域を中心に、人の個性の形成や変化と若者の進路や将来をめぐる社会動向との関係に重点をおいて作題した。基本事項の知識と一般的な論理、推論能力を求める出題であり、本問全体としての正答率は7割後半となった。

問1 表の数値とその特徴を正確に読み取り、判断する力を問う中で、性格判断の妥当性について考察させることを意図した。選択肢の正誤が数値とは独立に常識的にも判断できたためか、正答率は9割を超えた。

 結局、この問題の「正答率は9割を超えた」ようです。では、受験者がきちんとデータを分析してそう回答したのかというと、報告書を読む限りでは、「正当の選択肢の記述はデータからは読み取りにくい」「選択肢の正誤が数値とは独立に常識的にも判断できたため」とのことですから、必ずしもそうとは言い切れないところがポイントです。

 受験経験がある読者なら十分おわかりと思いますが、入学試験では物事を(時間を十分かけて)論理的に正確に考えるなんてことはしてはいけません(笑)。限られた時間内に、出題者が正解と考えている選択肢をなるべく多く探すのが高得点を取るコツです。

#もっとも、数学や理科には別のテクニックが必要になります…。

 従って、この問題では、「君たちが自分の将来を考えるときには、そうしたテストや占いの結果にとらわれすぎてはいけない」と書いてあるのですから、高得点を狙うなら初めからデータなんか無視して「B血液型性格判断には、もともと血液型に関係なく多くの人に当てはまるような記述が多いので、自分の性格が言い当られたように感じやすい。」を選ばなければなりません。なぜなら、他の選択肢を選ぶと「血液型性格判断は当たっている」ことになってしまうからです。まじめな高校生や予備校生ならそうするはずです。

#間違っても、私のように疑問を感じてたりしてはいけません(笑)。

 また、問題作成部会の見解からわかることは、人の個性の形成や変化についての問題を出題するなら、作成委員の多くは心理学者になるだろうということです。この問題の出題者(の多く)は心理学者であっても別に不思議でありません。いや、大学センターが自らの職務に忠実であろうとするなら、可能な限り多くの実力ある心理学者(大学関係者?)を集めようとするでしょう。少なくとも私だったらそうします。つまり、インターネットの掲示板に書いてあったように、出題者が心理学者である可能性は高いことになる…はずです。

 仮に、この問題の作成委員の多くが心理学者であるとすれば、大村さんのデータを採用する可能性が高くなります。たまたま、このデータが一番設問にフィットするということで選ばれたのでしょう。

 実は、そのインターネットの掲示板には、「どの予備校もこの設問に疑問を感じなかった」という趣旨のメッセージも投稿されていたと記憶しています。私は予備校の経営には詳しくないのですが、仮にこの問題にケチを付けたとして、その予備校の生徒の大学合格率が高くなるとも思えないので、経営的に得になるとは(全然?)思えません。また、この問題をチェックする予備校の先生は「現代社会」が専門なはずですから、心理学や統計の専門家はかなり少ないものと予想されます(失礼!)。従って、ランダムサンプリングが云々とか、ケチを付ける人がいる可能性はかなり低くなる…はずです。

 高校の先生についても同様です。「倫理社会」や「現代社会」の先生で、血液型に興味があり、統計がある程度詳しい先生となると、かなり限られてしまうと思います(失礼!)。そういう意味では、「どの予備校も疑問を提示しなかった」としても別に不思議ではありません。

 それに「ランダムサンプリング」や「血液型ステレオタイプと認知」は、心理学なら学部レベルというよりは大学院レベルで扱うテーマのはずですし…。

 まじめな先生だったら、そんなことに時間を使うよりは本来の教育に専念するでしょう。私だったらそうします。だから、「どの予備校もこの設問に疑問を感じなかった」のが大村さんのデータの正当性につながるという意見には少々疑問を感じます。

 大学入試センターの試験問題関係者の努力には敬服しています。しかし、多くの人からチェックがされているはずと思っていた試験問題には、そういう意味では意外な盲点があるのかもしれません。

 皆さんはどう思いますか? -- H16.3.17


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最終更新日:平成16年9月14日