株式会社でなくても社債を発行することが可能になりました。

少人数私募債 活用のすすめ

 いよいよ(ようやく?)、会社法上の全ての会社に直接金融の手段が与えられました。

これまで、株式会社以外の会社には社債の発行が許されませんでしたが、会社法の施行により、従前からの有限会社(特例有限会社)や合名・合資・合同会社(LLC)にも、社債を発行することが許されたのです。

 少人数私募債は自社で発行・管理ができるので、経費も少なく、使いやすい社債です。

これは「縁故債」とも呼ばれています。「企業を応援しようとする身近な人に対して発行する社債」と定義すれば解りやすいでしょうか。購入対象者は、役員(代表を含む)、社員、取引先、役員の縁故者、知人などの個人です。

例えば、設備投資や事業拡大をする時などに活用してはいかがでしょうか。金融機関からの融資と併用することも考えられます。導入のメリットは金融機関への依存度を軽減すること、購入対象者に利率の良い金融商品を提供できることなどです。

社債の利率は自由に決められます。例えば、発行時の長期プライムレート(優遇貸出金利)を基準にすれば、会社にとっては安い借入金利、購入者にとっては率の良い預金金利として双方に有利な条件になるのではないでしょうか。    長期プライムレートの推移(日銀)
従業員や縁故者のための預金事業として活用することもできます。

会社は、社債発行後1年経過する毎に(後払いで)利子を払い、償還期限に最終利払いと元金の償還を行います。また、利払時に利子税を預かり後で納税を行います。納税の時期は所得税の源泉徴収と同じですので、同時に事務処理を行えば良いのです。
(利子税の特別徴収義務者として、税務署と県税事務所に届出が必要になります。)
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利子税の率は、預貯金と同じく一律20%です(国税15%、県税5%)。この税率は平均的な所得税率よりも安いですね。例えば、課税所得が350万円の場合は、国税は20%ですが、翌年住民税10%が課税されます。また、所得が上がる程、所得税率も上がります。

ここまで読んでいただくと、ピンと来た方が居られるかもしれません。既に実行している方も居られると思いますが、会社に多額の貸付をしている経営者の方は、役員報酬を抑え、利子で貰う方が節税になります。他に所得に応じた負担(所得割)がある場合にも有利です。

ともあれ、少人数私募債導入の最大のメリットは、会社に対する良き理解者を獲得できることではないでしょうか。熱心な協力者になってもらえる可能性があります。

ただし、会社(経営者)を信頼してもらえなければそのような方の協力は望めません。そのためには業務内容や財務状況に関する情報の開示、誠実な説明、法令遵守の姿勢を示すことが必須ですし、これが成功の鍵になると思われます。

 (少人数私募債の利用には制約があります、今後追加します。)

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