第45回(帰還)
トッペンハイマーの城にて
クリス「フェスタリア、どんなものを見つけたんだい?」
フェスタリア「みなさんに見てほしいものがあります」
アル「僕らが見て分かる物かい?」
フェスタリア「(厳重に封印された緑のスクロールケースを見せる)これなんです。たぶんスクロールが入っていると思うんですが……ただ、開け方が分からないんです」
クリス「どこで見つけたんだい?」
フェスタリア「この城の地下です」
クリス「あとでトッペンハイマーに聞いてみようか」
フェスタリア「開けた跡はあるんですけど……なんでしょうね、見たこともない材質です」
アルティア「これは私も見たことありませんね」
クリス「箱には何やら文字が書かれてるね。ナイン読める?」
ナイン「ロケットの筒……かな」
フェスタリア「あと、地下に物凄い魔力を感じるエリアがありました。お城の人にそれ以上は行くなと言われましたけど。金属の床と手すりがあって、おそらくその先は虚無な感じです。強いて言うならホールディングバッグの中みたいな感じです」
クリス「今度、時間がある時にでも見にいってみようか」

 しばらくするとトッペンハイマーがやってきた。
 エーリッヒとタリマは学園への紹介状を受け取った。
トッペン「ナイン、あとで私の部屋に来てくれ」
ナイン「わかった」
アル「このたびはお疲れ様でした」
トッペン「明日、君の父が来るぞ。ちゃんと別れの挨拶をしておけよ」
アル「分かりました。兄貴はどうしましたかね?」
トッペン「兄上に関しては実際は何もしていないので、軽い厳重注意ぐらいだな。北の果てで国境警備をやってもらう。フロストジャイアントが出るあたりだろう」
アル「そうですか、では軽い出直しというところですね」
クリス「ところでトッペンさん、フェスタリアが見つけたスクロールケースなんですが」
トッペン「それは持っていってくれていいぞ」
クリス「地下の怪しい空間は何ですか?」
トッペン「なに? おかしいな、カギをかけておいたハズなんだが? あそこに落ちた者は今まで誰も帰還せず行方不明になっているから、進入禁止だ。地下室を作っている時に掘っていたら出てきた謎の遺跡なんだ。クレリックに調べてもらったら魔力はあるようだ。噂ではどっか他のゲートに繋がっているとか」
クリス「そのゲートを通って来た人はいないんですか?」
トッペン「人はいない。ただ変なものが落ちてくることはある。以前は小さな真鍮でできた変な鍋が落ちてきたが、最近はなにも無いな。ああそうだ、あとは金属の箱とか」
クリス「さっきのスクロールケースもですか?」
トッペン「あのような物もだ。だから絶対に行ってはならんぞ。何かあっても責任は持てん。昔ロープを垂らしたことがあったんだが、引っ張ることはできなかった、切れてしまったからな」
 しばらく時間が経過し、ナインがトッペンハイマーの部屋に行く。
ナイン「お話とは何ですかな?」
トッペン「(ダスライヒのマークを見せて)この組織のマークに見覚えはあるか?」
ナイン「それがどうしました?」
トッペン「君らがマイバッハと戦っている間に、この組織から接触があった。君の身柄を引き渡せと言ってきた」
ナイン「オレはもう組織の人間ではない」
トッペン「もちろん断った。しかし調べてみたら、これは昔グラストで暗躍していた暗殺集団のマークだった。未だにそんなものがあるとはな」
ナイン「表立っては出てこない組織だからな」
トッペン「では現存するのは事実というのだな?」
ナイン「国としては必要悪と思っているかもしれないが、あの組織は純粋な黒の組織だ」
トッペン「なるほど、とりあえず報告だけしておくぞ、気を付けた方がいいな」
ナイン「分かりました」

 オッティとフェスタリアにマジックアイテムの鑑定してもらう。ポーションはアルがシッピングで。「まあ邪神(クレリック)関係の妖しげなポーションじゃなきゃシッピングするよ」
フェリペのスクロール:コンティニュアルライト
謎のスタッフ:魔法を打ち破るスタッフ(まだ何回かチャージがある、ポーションやスクロールに使うと破壊できる。マジックアイテムの装備品に使うと1D4ラウンドの間マジックは無力になる。1つの物に対しピンポイントでディスペルマジック的な使い方もできる)
ポーション3本:逆ヒーリングポーション3つ(アンデッドヒーリング、生者が飲むと1D6ダメージ)
クレリックのスクロール2本:ホールドパーソン、ライト

 翌日、アルの父ハルトムートがやってきた。
ハルトムート「マイバッハの件で報酬を持ってきたぞ。各人に1000GP相当の宝石だ、受け取ってくれたまえ。それと "困った時にグラストにお願いできる券" だ。悪いことには使えないぞ?」
アル「お願い券は、直接グラストに関わりのある俺かファルケがもらおうか」
ファルケ「オレはしばらく来ないかもしれないから、アルが持ってろ」
アル「そう? ありがとう」
ハルトムート「アル、お前の成長が見れて嬉しいぞ。うぬぼれるのは良くないが、少しは自分を褒めてやってもいいと思うぞ」
アル「そうかな、じゃあ頑張ってみよう。そういえば兄貴だけど」
ハルトムート「学園に連れていくか?」
アルそれは断る
ハルトムート「見事なまでのシークエンスゼロセコンド、脊髄反射級の全力拒否だな。アルフレートは北の国境へ連れていく。お前には不愉快な思いをさせたな」
アル「まさかマイバッハの話に乗るなんて……1人で刃向っていくとかならまだしも。それはともかく、リーゼロッテ義姉さんのことを頼むよ。卒業したら一回顔を出すから」
ハルトムート「ああ、待っている。とにかく、お前らのおかげで吸血鬼の跳梁を止めることができた。改めてもう一度礼を言う」
アル「まさかあんな大事とは思わなかった。吸血鬼も至る所にいるみたいだし」
ハルトムート「これからグラストも色々と大変だろう。まあとにかく、自分が満足できる人生を歩め。あとはきちんと卒業してこい」
アル「そうするよ、まずは卒業だね。これからも忙しいだろうけど父さんも元気で」
ハルトムート「ファルケ、君にも世話になったな。こんな形で再会するとは思ってなかったが。これからグラストは良くも悪くも変わるだろう。それが君にとって向かい風になることもあろう。とにかく信じる道を進まれよ」
ファルケ「信じる道か……師匠の意志を継ぐだけだ」
ハルトムート「それも良かろう。騎士道を目指すがいい」
トッペン「いろいろあったが楽しい日々だった」
エーリッヒ「今回で君の大変さも分かった。一旦タリマのことは置いておいて、お互いに成長したら再会しよう」
トッペン「分かった、とにかくタリマのことは任せた。メイドの彼女も連れて行ってやってくれ」
エーリッヒ「あぁ任せておけ、このイケメンマントにかけて約束しよう!(トッペンとガッチリ握手)オレの戦いはまだまだこれからのようだ(盾をスリスリしながら)」
クリス「あ、それといつ行けるか分かりませんが、弓の達人を紹介して頂きたいのですが」
トッペン「知り合いはいるが遠いぞ? グラストの首都だ。一応、紹介状だけは渡しておこう」
アル「弓の達人なら俺の知り合いにルートガーって人がいるよ。というか俺の師匠だけど」
クリス「アルの知り合いはどこにいるんだ?」
アル「やっぱりグラストの首都圏だね」
クリス「遠いのか……学園で先生に習うかな」
エーリッヒ「タリマ、アグネシア、道中はオレが君を守るよ!(キリッ)」
アグネシア「でも将来性が難しそうよね」
エーリッヒ「将来性は無限だよ! 僕の宿屋は町一番の宿なんだ!」
アグネシア「はいはい、楽しみにしているわ」

 学園に帰る道中、グラスト――レティシア間の関所に派手な鎧の兵士がいる。
兵士「検問~! 止まれ! お、アルじゃねえか。みんなも無事みたいだな」
アル「兄貴か……ここで隊長をやってるんだって? 単身赴任なのかい?」
アルフレート「おう、ここでしばらく仕事するぜ」
アル「どうでも良いけど、義姉さんに苦労掛けないようにね」
アルフレート「当たり前だろ、分かってる分かってる!」
 そうして2・3やり取りして関所を離れる。行こうとするたび何かを思い出して呼び止めて会話を続けるアルフレートとそれに対応するアルの様子に、オッティが呟いた。
オッティ「兄弟かあ。アルくん、兄弟がいていいね」
アル「いたらいたで色々と煩雑なものだけど……うーん、オッティには反論しにくいな……」


 そうしたあと、国境を越えボーヴェン村に到着。
アグネシア「ここなの? 街じゃなくて村じゃん」
エーリッヒ「え、いや町! 町だよぉ? あ、ひとつ提案なんだけど、学園に行くより、僕の宿で働かないかい?」
アグネシア「無理」
エーリッヒ「シークエンスゼロセコンド、脊髄反射級の全力拒否!?」
エーデス「おー、エーリッヒ様~!」
エーリッヒ「おお、エーデス! 元気だったかい? オレは強くなったよ。だけどさらに腕を磨くために学園にいってくるよ。これからも宿をよろしくね」
エーデス「分かりました。何が起きても守れるように警備や見張りを強化していますぞ。それとナインさん、恋人……いや奥さんがお待ちかねですぞ」
 エーリッヒの宿屋に戻ってみると、かつて部下に加えた傭兵たちがクィスの指揮の下、宿を要塞化していた!(笑)
エーリッヒ「うちの宿は厳重に武装し、監視も強化したことだし、このボーヴェン村を守る砦としての役割を持つ宿にしよう!」
アル「つーかもう、この村の詰め所代わりでいいんじゃない?」
ナイン「クィス、今帰ったぞ」
クィス「あぁナイン、大事な知らせが……組織のあれを見かけた。私は身を隠すことができて助かった。それから変装も兼ねて髪型や雰囲気を変えている。それにあなた、すっかり尋ね人みたいに張り紙されちゃっているよ。あと昔の骨っぽい男も見た、組織に出入りしていた魔術師。アイツのような匂いがした」
ナイン「やはり生きていたか、時空を操る男ムスターファ……クィス心配するな、これまでのように切り抜けてみせるさ」
クィス「すぐに出発しちゃうの?」
ナイン「しばらく休んで用が済めばな」
クィス「花嫁修業の方は、ずいぶん料理の腕が上がったわ」
ナイン「そうか、それは良かった」
 そうして振舞われるクィスの料理だが、その味にアルが物を申した。
アル「塩分が利きすぎている。クィス、味噌汁の味噌はもう少し少量でも大丈夫だ」
クィス「そうなの? じゃあ今度から気をつける」
ナイン「いや、俺たちの活動は激しい。人より多めに塩分を取ることに問題はない」
アル「旦那がカバーに入って来た!?」
 今夜はエーリッヒの宿に泊まることに。
 アルとクィスは料理対決みたいな感じで食事を振る舞った。

 さらに学園方面へ向かい、レティシアと法王領の国境付近で上空のファルケが気づき、街道の方に陣が見えた。
 ファルケが陣の旗の紋章を確認してみると、サソリのマークが見えた。ファルケは遠話石でクリスに報告し、クリスもパーティーに伝える。
 ファルケはサソリ軍を誘うようにパーティーの方に戻ってきて戦闘に突入!
 フェスタリアの魔法はアナライズ、スリープのみ。
 ファルケは低空飛行し、グリフォンから飛び降りて先制攻撃!
 敵軍はパーティーに一斉射撃しアルに命中! さらに奥と茂みから増援が現れ大軍が押し寄せてきた!
 クリスはパーティーにヘイスト、オッティはナインの周囲へスリープ!
 ミラは、クリスの立ち居地から見て馬車の反対側の増援に対処。そこにアルが駆けつけ、撃退。
 ナインは "コイツらじゃない何かが後方にもいる!" と気づいた!
 エーリッヒ "そんなことだろうと思ったぜ!" と馬車の背後に回り込み、剣を抜いてシールドのダークネスを展開!
 クリスはインフラビジョンで馬車の背後の熱源を感知!
 謎の声がナインの背後に接近し "ナイン覚悟! おとなしくゴーレム使いを渡せ!" と迫る(フェスタリアを狙っている?)
 背後から敵兵が馬車の扉を開けるが、盾のダークネスが入り込み少しはカバー!
 エーリッヒは馬車の背後の敵を叩き斬る!"タリマには指1本触れさせない!"
 オッティは囲まれてしまうが、スリープの呪文で身を守った!
 ナインは謎の元同僚(?)とレスリングで勝負!
 謎の特殊部隊の1匹は馬車に乗り込むが、足場が見えず転びながらタリマの上に乗っかった!
 エーリッヒ "き、貴様! オレでもまだやったことないのに! 許さんぞ!"
 ファルケは前戦で敵軍のリーダーにアタック!
 謎のナインの元同僚は "まぁいい、いつまででも逃げ切れると思うなよ" と捨てゼリフを吐いて撤退していく!
 ミラはすぐさま逃げる謎の同僚にホールドパーソンをかけるがSTを通され失敗!
 ナインは逃がさずアンカーガンのエンタングルで確保!"かかった!"




敵リーダー「(ファルケに斬られ)くっ……ちょ、ちょっと待った!」
ファルケ「戦って死ぬか、降伏するかどっちだ?」
敵リーダー「ここは勝負を預ける」
ファルケ「お前が言うか……ならば預かれるかどうか神に聞いてみろ!(追撃!)」
敵リーダー「ぐぉ~、に、逃げろ! オレはここで降参だ! クソッ」
タリマ「(乗っかられた敵兵をエーリッヒが叩き斬り)な、何よこれ……血だらけじゃない~」
エーリッヒ「ケガは無いかい? さぁ着替えよう」
ミラ「馬車の中は掃除しておいてね」
エーリッヒ「分かりました!」
 ナインの元同僚と敵リーダーを拘束し尋問する。
ファルケ「今、傭兵連合はどうなっている? サーベルトゥースはどうなってる?」
敵リーダー「サーベルトゥースは組合から降りたぞ。リシア嬢は学園から戻されて花嫁修業中だぜ。それといずれサーベルトゥースも我が盟友ダーククリムゾンとアレになるだろう」
ファルケ「先代の族長は?」
敵リーダー「もう力を失っているぞ。発言力は無くなった。これから傭兵連合はスコーピオとダーククリムゾンに動かされるハズだ。お前、リシアの知り合いか?」
アル「いや、誰でしょう(アルはリシアを知らない)」
敵リーダー「取引といっちゃなんだが、君達に用があるのは傭兵連合の連中だ。ここまで話してやったんだ釈放してくれ」
ファルケ「ここに展開していたサソリ部隊はまだいるのか?」
敵リーダー「本陣にいけば50人程いるぞ」
ファルケ「ここから撤退するなら命は見逃してやろう」
敵リーダー「わかった、オレ達ももっと弱いヤツを襲う方が楽だからな」
ファルケ「下っ端には用は無い、名前だけ残して行け」
敵リーダー「双剣のバルボアだ」

ナイン「名を名乗れ」
元同僚「ナンバー15だ。任務は失敗した、さぁ私を殺せ」
ナイン「お前もゴーレムシッターハンターなのか?」
ナンバー15「いや、今回は身柄の確保だった。殺すのは命令には無かった」
ナイン「毒のナイフとはチャチなものだな」
ナンバー15「ただ毒を塗っただけではない、何度も刺せるぞ」
ナイン「養成機関はまだあるのか?」
ナンバー15「昔とは違うが今もある……」
ナイン「オレら1ケタのファースト世代からしたら、ずいぶん腕が落ちているな」
ナンバー15「我々に求められるものも変わってきたのさ」
ナイン「組織はゴーレムをコントロールしたいのか? 今も変わってないのか?」
ナンバー15「ゴーレムは他の国も欲しがってる」
ナイン「戦争にゴーレムを使われたらオレたちの仕事は終わりだぞ」
ナンバー15「ゴーレムにもできないことはある。それがオレたちの役割だ。それにゴーレムは暴走してやがて止まる。まぁナインが戻る気が無いなら仕方ない。縄を解いてくれ、自害させてくれ。組織に戻っても殺されるだけだ。今回はオレにとっては試練のようなものだ。14号、16号は任務に失敗して……。不思議だが9番、10番を見た時、何か懐かしさを感じた。任務以外の憎しみ。これが妬みというものなのかもしれんな。オレのような劣化品はたくさんいる。14号からはオレと同じ新世代だ。だが、オレは後悔しちゃいねぇ、少なくとも貴様のように外の世界に出たいと思わない」
ナイン「ミラ、そばにいてくれ。メイスを構えてな。さて尋問を続けるが、他にあるか?」
ナンバー15「いや、もうない。早めにオレを殺せ。スキを見せたらゴーレムシッターをさらうぞ」
ナイン「自分で舌を噛め」
 すると舌を噛む前にミラがメイスを口に突っ込んだ!
ナイン「お前にもう1度チャンスがあったら、またかかってこい! お前がくれた情報料を、お前の命の代償としてやろう」
ナンバー15「次は必ず殺す、だがその前に大事な商品をキチンと持ち帰れ。オレは必ずお前らの目を盗んで連れ去ってやる!」
 っと、ここで15号に向けて矢が飛んできた! それをファルケが気づき、ファルケは身を挺して矢を体で受けた!
ファルケ「そんな矢じゃオレの装甲は抜けないぞ。おい15号やら、この流れた血の分を払ってもらおうか。オレ達はゴーレムシッターを道具として見ていない。お前は生きて償え。ナインが変わったようにお前も変われ。その能力を良い方に使え。もしその気があるなら学園に来い」
ナイン「どの道、お前にはもう帰るところがない」
ナンバー15「(号泣した後)……私にどうしろと」
ナイン「お前を追う者を倒せばいい」
クィス「殺すだけが目的ではないからな」
ミラ「なら一緒に働いてもらいましょうか。まずは馬車の掃除と運転ね」
ナンバー15「……」

 学園に戻る途中に十万斤まんじゅうを買い、さまざまな噂を聞いた。
・グラストとラインラントの間で紛争があったらしい。
・傭兵連合で組合長が変わったらしい。
・ファシリアの国王が死んだらしい。
・ファシリア国内のどっかの村が一夜にして全員ゾンビになったらしい。
・ファシリアとグラストの国境でグラストの騎兵を見た。

 学園に到着すると、だいぶ建物は再建されているが、石化されたオーギュール先生の像はそのまま(笑) むしろ学園の前に飾られている。パッと見、学園関係の偉人に見える感じ。
男の声「そこのあんちゃん、この石像の元になった男がどこ行ったか分かりまっか?」
アル「うちの教師だけど、最近見てないね」
男の声「うーん、生徒に35万GPを払えというのはアレだな。この男の取り立てができなくて困ってるんだ」
アル「あんたの名前は?」
男の声「センダだ」
サリア・ランス「あー、兄貴! ご無事でしたか!(髪型がちょんまげ風になっている)よー、クリス生きてたか」
クリス「学園は無事だったかい?」
サリア・ランス「何も無かったと言えるぐらい問題ないぜ。だが校長が体調を崩してる」

 帰還を告げに、先生に会いに行く。
 エーリッヒ、タリマ、15号、フェスタリア、アグネシアらを入学させる。
 アルは、頼まれていたまんじゅうをリヒト・カティナの両先生に渡した。
 寮に戻ると、グラストの馬車が止まっており、グロスターの部屋から荷物が運び込まれている。
グロスター「あぁファルケか、僕は自主退学することにした。時間が無い、もうここで遊ぶのは終わりだ」
ファルケ「何をそんなに焦っているんだ?」
グロスター「焦りか……お前も外を見てきて情勢が分かっただろ。僕は自分に課せられた使命を果たす」
ファルケ「それは家を継ぐということか?」
グロスター「家だけじゃない、グラストのためだ。すべてはグラスト王国あってのこと」
ファルケ「そこに騎士としての正義が無くてもか?」
グロスター「君の言いたいことは分かる。騎士道あってのグラストだと言いたいのだろう。でもグラストあっての騎士だ」
ファルケ「それはただの軍隊だ。オレはグラストが悪しき方向に行こうしているのが分かった」
グロスター「何をもって悪しきなのか」
ファルケ「心と行動だ。戦争を起こすのではなく、戦争を止めるんだ。戦い方次第だ」
グロスター「ファシリアで疫病が流行った話は聞いたか?」
ファルケ「知っている」
グロスター「その話の真実もか?」
ファルケ「真実とはなんだ?」
グロスター「ラインラントかラーデンが、先にゴーレムを動かした」
ファルケ「だからゴーレムにゴーレムで対抗するのか?」
グロスター「ファルケ、いくら君のランスが優れていても、ゴーレム相手には意味がない。ゴーレムに対抗するにはゴーレムしかない。もしくはゴーレムを動かす……ゴーレムを動かせなくする」
ファルケ「ゴーレムを破壊しないのはなぜだ? 向こうのゴーレムをも手に入れたいと思っているんじゃないのか? ゴーレムは破壊できる」
グロスター「ゴーレムは破壊できない……ファルケ、断っておくが私の言っているのは下位の物ではないぞ?」
ファルケ「いや、上位のゴーレムでも破壊できる」
グロスター「フン、何をバカなことを。事態は深刻だ。傭兵連合も恐ろしい大砲を手に入れたらしい」
ファルケ「デスキャノンか?」
グロスター「よく知ってるな」
ファルケ「まぁオレはオレのやり方で破壊してやる」
グロスター「……分かった、好きにするといい。でもオッティは渡してもらうぞ」
ファルケ「それは前にも言った筈だが? オッティは物じゃない。彼女の意志に任せる。オレの所有物ではないからな」
グロスター「なら僕が説得しよう。オッティが行くというのなら連れて行くからな。結果がどのようになろうとも文句を言うなよ?」
ファルケ「言っておくが、もし行くといっても、あくまでオッティは人間として扱え。物として扱うなら認めんぞ」
グロスター「分かった。出発は翌日だ」
 アルはコリーナに会いに行く。
コリーナ「(顔を必死に笑顔の形にしようとしつつ)おかえりなさいませ」
アル「ただいまコリィ、大丈夫だった?」
コリーナ「お店は無事に守りました」
アル「そう、良かった。つまらないものだけど、これお土産。法王領で、猫のストラップを買ってきたよ」
コリーナ「ありがとう、カワイイ……」
アル「留守中、なにかあった?」
コリーナ「私の情報網によると、グロスター君が自主退学するみたい」
アル「この学園の卒業の箔をつけないつもりか? そういえば紛争の噂も聞いたけど、何か関係あるのかな?」
コリーナ「詳しくは分からない」
アル「あ(寿命が20年と思い出して複雑な顔をする)……もう仕事が無かったら食事にいこう。いろんな話をしよう。あ、グロスターからグラストに来いって言われなかった?」
コリーナ「ナディアは言われてたみたい。でもミラに黙っていくのは嫌だと言ってたかな」
 場所を学食に移し、アルとコリーナはそれぞれ、旅の話と留守中の学園の話を交換。その話の中で、アルはグラストがゴーレムシッターを確保しようとしている動きをコリーナに説明。
アル「グラストが君に、グラストに来るよう言ってきたら君自身はどうしたい?」
コリーナ「難しい」
アル「もし答えが出たら教えてくれる?」
コリーナ「今の生活を変えたくない。でももし何かあったら……」
アル「分かった。俺はなるべくコリーナのやりたいことに協力するから。あとフェスタリアというゴーレムシッターも連れてきたよ。今度紹介する」
コリーナ「うん。楽しみにしてる」
 クリスはサリア・ランスから故郷の話を聞いた。
サリア「そういえば、命の木が枯れ始めたらしいぜ」
クリス「な、なんだって!? じゃぁ明日もう出発だ!」
サリア「え、明日? しかも、オレも?」
クリス「当たり前だっ!」
サリア「じゃぁ兄貴(ファルケ)や子分(アルとか?)にも協力してもらおう。死霊のエリアを通らないといけない、オレ達だけじゃ行かれないぜ。それと手紙が来てたぞ」
クリス「1か月も前の手紙じゃないか。なんで放っておくんだ」
サリア「怪しい生き物が出現したらしい、コケミドロンみたいなモンスターだって。クリスが戻って来てから相談しようと思ってたんだ」
クリス「うう、コケミドロン!? もういい、すぐに準備をするんだ!」
サリア「オ、オレはいつでも準備できてるぜ」

 シャリアの手紙も届き、あの後シャリアとニーニーズは和解、ダークエルフ協会から左遷されたとのこと(送付先は湖のほとりの村)

ナンバー15「ここで何が学べるんだ?」
ナイン「それは自分で探すんだ。疑問は自分で解決するんだ」
ナンバー15「何か指示が与えられるのか?しかし、そのうち組織の者が来る」
ナイン「だから、それに備える。指示されるんじゃなく、自分の意志で迎え撃つんだ。オレもはじめは分からなかったが、仲間と一緒に戦う」
ナンバー15「それは任務を遂行するペアということか?」
ナイン「お前がまずやらなければならないことは、失いたくないものを探すことだ」
ナンバー15「それはクィスのことか?仲間のことか?」
ナイン「自発的な感情を学ぶ、探すことだ」
ナンバー15「今したいこと……難しい。正直言って、この学園でくだらない会話をしている者は理解できなかった。鍋の中にいれる具材で何であんなに議論するんだ?だが、バカらしくてだんだん楽しく思えてきたのも事実だ。逆にそうやって広がった世界が怖い。あまりにも選択肢が多い」
ナイン「お前は何のために組織に従ってきた」
ナンバー15「なぜか……そんなことは考えたこともない」
ナイン「それが服従、隷属ということだ。人間は基本的に楽しみ、喜びのために生きようとする」
ナンバー15「与えられて生きるのは、ある意味では楽だった。ここに住んでいる普通の人間には敬意を払う、オレにできないことを普通にやれている。俺にはそもそも、嬉しいとか楽しいということがまず分からない」
ナイン「優れた武器と普通の武器があったとしよう。そのどちらかを持って重要な任務を与えられたらどちらの武器を選ぶ?」
ナンバー15「無論、優れた武器だ」
ナイン「それは何故だ?」
ナンバー15「任務の成功率があがるからだ。それは結果的に生還に繋がり、また新たな任務を遂行できる」
ナイン「では普通の武器で任務に当たるよう言われたらどうする?」
ナンバー15「その武器で任に当たる」
ナイン「では優れた武器を貸し与えられて任務に当たるよう言われたらどう思う?」
ナンバー15「どう、思う、か……?」
ナイン「上層部がお前の実力を認め、お前を使い捨てるのは惜しいと感じ、任務の成功と生還の可能性を高めるために、お前に優れた武器を貸し出すのだとしたら、それをお前はどう感じる」
ナンバー15「……なんといえば良いか分からないが、普通の武器を与えられるよりもそちらであってほしいと思う」
ナイン「それが嬉しいという感情だ」
ナンバー15「そうなのか……なら少しはやっていけるかもしれない。いずれ来る敵に備えよう」
ナイン「オレがお前の命を助けたのは、お前を認めたからだ」
ナンバー15「そうか、時間はかかるかもしれないがやってみよう。お前を先輩と呼ぼう、これからもよろしく頼む」

 エーリッヒ、アグネシア、タリマが入学手続きをする。
カティナ「手続きが終わりましたが、一般学科と冒険者の科どっちがいいのかしら?」
エーリッヒ「宿を経営するのに必要なのは……まぁそれはタリマに任せて、オレは皆の命を守る冒険者コースで。助けるべき人を助けるべく力を身に着けたいです」
カティナ「冒険者コースね。お部屋はちょうどグロスター君が退学したので、そこで15号君と相部屋ね」
タリマ「ちゃんと勉強がんばりなさいね」
エーリッヒ「分かったよ、週イチぐらいで会おう」
タリマ「いいわよ、私はアグネシアと相部屋になったわ」

 奇しくも一行は、1994年の年末に学園に帰還していた。新年、1995年まであと2日。

経験点:4200、ミラもNPCとしてフル出場のため、割引なしで4200
終了時のゲーム時間:1994/13/27