第41回(同世界の異なる社会)

翌日
 ミラがパーティーメンバーを杖で回復する。
 クリスは手に入れたスクロールにリードマジックをかけ、マジックユーザー用のフリーパーソンと判明した。
※このフリーパーソンのスクロールを勉強して習得する場合、ホールドパーソンとして習得できる

今回のオッティの魔法:マジックミサイルx2、ファンタズマルフォース、ノック、ディスペルマジック

 ナインが中央の扉に聞き耳を立てるが、中からは何も聞こえない。
 鍵穴から覗くと、暗い中にわずかに光があるように見えた。
 ナインが鍵を使って扉を開けると、そこは部屋ではなく20フィート幅の回廊になっていた。
 通路の明かりはロウソクのような小さな火で、20フィート幅のうち通路の中心部分は暗闇で全く見えない。
 ナインはキュウベイに "通路の中心部を駆け抜けて向こうで待機だ" と命令出す。
 キュウベイは命令に従い走っていったが、どうやら穴に落ちてしまったようだ……
 パーティーはランタンをつけつつ、床を確認しながらゆっくり進む。
 ナインはクライミングロープを使って、キュウベイの救出と穴の深さを確認しようとするが、泥だらけになったロープが戻ってきただけでキュウベイの救出はできなかった。
ナイン「キュウベイ、大丈夫か!? ……(返答は無い)……ヤツならきっと無事だろう」
 パーティーは穴を迂回して前進する。
 正面の扉をファルケが開けると暗闇の空間が続いているようで、地面は土になっている。
 と、ここで背後のキュウベイの落ちた穴からヘビのような触手のようなものがニョロと、2本飛び出したきた!
ナイン「キュウベイなのか? ふざけるのもいい加減にしろよ?」
 と、言いつつ戦闘開始!
 触手が2本ともクリスに襲い掛かってきた! ピトと、引っ付いてダメージ&エンタングル!
 さらに穴から触手が7本出てくる!(合計9本)
ナイン「お!? トラップ用の吊り天井がちょうど真上にあるな……」
 ファルケはクリスに撒きついている触手をブッタ斬り1本を切断!
 ナインはクライミンブロープを使い、吊り天井の根元部分にぶら下がり、ロープを切りはじめる!
 ファルケがもう1本の触手を切ってクリスが解放された!
 クリスはすぐさま穴にウェブを張って塞ぐが、少しずつ触手がうごめいてウェブを破りにかかる!
 オッティが近づいて明かりで確認するとウェブからハミ出している触手は3本あり、この3本は攻撃できそうだ。
 ナインはウェブが破られたのを確認すると天井部分のロープを切って落としにかかるが、まだローブを切りきれず!
 触手の本体も穴から上がってきて、イカのようなモンスターが登場!
 触手の1本がファルケに絡み付いてエンタングルが成功するが、すぐにファルケは縄抜けの要領で抜け出した!(逃亡スキル)
 オッティは天井の吊るしロープにマジックミサイル!
 奥の扉からアンデッドが登場するが、すかさずミラがターンアンデッド!(スペクター1体を追い返した)
 クリスはまたエンタングルで触手に撒きつかれた!
 スペクターはミラに攻撃するも何とか回避! 仕返しとばかりに2体目もターンアンデッド成功!
 ファルケはクリスのエンタグル触手を切ってクリスを解放!
 ナインがようやくロープを切ることに成功し(クリスのエンタングル解除を待ってから)天井部分を落としイカの本体を撃退!
 苦戦しつつも戦闘が終わり、ミラがクリスとファルケを回復。


ナイン「キュウベエよ、あとで助けてやるがここで死ぬようならオレのペットとして失格だからな」
 通路の壁に設置されているロウソクを奥の部屋に差し入れて様子を見る。
 倒れた墓石がいくつかあって、墓のフタが外れている。
 さらに奥に進んでいくと、アーチ戸のところに紋章があり(グレンベラーという家名も書いてある)どうやらここが最後の部屋っぽいことが分かった。
 パーティーが様子を見ていると奥にトーチの明かりが見えた。距離はだいたい40フィートで、そのあたりが階段になっていると思われた(明かりが下から上がってきた感じだったので)
 人影が2つ分かり、パーティーに語りかけてきた(2人とも甲冑を着ていて、1人は男、もう1人はやや小柄で男か女かわからない)
「よくやってくれたな、いろんな意味で。この奥へは何用かな?」
ミラ「よくやってくれたな、の意味は何なの?」
「……まず1つ、我らが同胞に手をかけてくれたな。あそこのイカについてはある意味我々も邪魔に思っていた」
ミラ「あなたアンデッドなの?」
「随分やぶから棒に……生者と死者の間に区別はあると思うか? 取引きといこうか。少なくとも私は君たちと同じ世界に住んでいる」
ナイン「だが同じ社会には住んでいない」
「その通りだ。ずいぶん余裕なようだが、さて何ゆえこの奥に行こうとする? ここは通行止めだ」
ナイン「通行止めの理由はなんだ?」
女?「何をナメたことを(ナインに剣を突きつける)」
ナイン「我々は冒険者だ。未知なところを進むのが我々の本能だ」
「なるほど、ではこの先はお前らにとって未知なだけだ。ここから先は他人の家に入ることになる」
女?「これ以上ガタガタ言うと首をハネるぞ」
 ナインが構える感じでクロスボウピストルを見せると、女性はディザームを試みるが失敗。
女性「今のは警告だ。次は当てるぞ」
ナイン「お前達の家であることは分かった。だが、ダンジョンの外の地上は我々の住処だ。場合によっては脅威を取り除かねばならない」
ミラ「そもそも、こんなところで何をしているのかお伺いしたいところね」
「何をしている……か」
ナイン「墓場の先に住む者はたいてい悪と決まっているのだ」
「墓の先に王がいるかもしれないぞ。ヴァンパイア退治ぐらいな気持ちで来たのなら痛い目にあう」
ミラ「邪悪な者がいるなら退治しなければ」
「不死たるものが邪悪か?」
ミラ「アンデッドは邪悪よ」
ナイン「例え邪悪ではなくとも、我々に敵対するなら戦うしかないな」
女性「ならばここで叩き斬ってあげるわ」
ファルケ「オレたちはマイバッハとの繋がりを調べているだけだ」
「こらこら、テオドラン(女? の名前)その剣を収めよ。マイバッハを仕留めるというのなら我々に任せてもらおうか。クレンベラー家の……」
ミラ「クレンベラー家……確か昔の戦争でヴァンパイアに加担した名前だったかしら」
「私たちは現在の当主ティーダー様に仕えるものだ。ローゼリアとレイセオン(以前のダークエルフ)が倒されたようだが、お前らのせいか?」
ミラ「それでこの地下深くにいるのね」
「クレンベラー家はカイン様の正当なる家系である。マイバッハは我々を騙し、カインの剣を汚そうとした。あの偽ヴァンパイアめ」
ミラ「マイバッハはヴァンパイアなの? あ、偽なのね」
「それとドクター・マリエッティはどうした?」
ファルケ「あぁ、あいつか……確か土に返ったかな」
ミラ「残念ながら私達が倒したわ」
「それは感謝しよう。ドクター・マリエッティは裏切り者だ。ティーダー様は嘆いている、似非ヴァンパイアが増えていると」
クリス「マイバッハは何がしたいんだ?」
「マイバッハは力を欲しているだけだ。我々ヴァンパイアの力を借りたいとティーダー様を利用したのだ」
ナイン「お前らの欲しているものは何だ?」
「過去の栄光だ。グラストを正しい方向に戻したいだけだ」
ナイン「それは人間に対する敵対行為だと思うが?」
テオドラン「私とて一度は神に身を捧げたが、戦で全てを失くした。その戦いが無意味だったのだ。お前らから見れば私はアヴェンジャーに見えるだろう。お前もそのうち神に裏切られるだろう」
「我々の要求としては、ここで引き返してもらいたい。それだけだ」
ミラ「そういえば、さっき霧になって逃げて行ったヴァンパイアはあなたの仲間?」
「出来の悪い同胞だ。まぁ大目に見てやってほしい。とりあえず敵が共通しているならマイバッハの始末は任せてもらいたい」
ミラ「ならマイバッハが悪人だということを世に広めてほしいの」
「それならヤツの根城をあさればいい。世の中はお前が考えているより複雑だ」
ナイン「ヴァンパイアの国を作ってどうする?」
「ティーダー様が安心して暮らせるようになればいい。人間たちは我々を恐れているが、人間とうまく共存できる可能性もある。我々ヴァンパイアは人間と共存しなければならないのだ。何せ我々の食料は人間の血なんだからな。つまり人間を滅ぼそうということは決してありえない」
ナイン「なぜ地下にねぐらを持つ?」
「ヴァンパイアは日の光が苦手だ。克服した者もいるがな。もし仮に君たちが我々と敵対したとすると、より強力なヴァンパイアが各地からお前らを狙うだろう」
ナイン「お前らのボスはヴァンパイア全体を統率できるのか?」
「もちろんだ。正当なヴァンパイアの血筋だからな。カイン様の剣は、お前らが触れてはならないものだ。あの剣を従えし者以外は触れてはならん。あの剣に命を吸われアンデッドになる。野良アンデッドが増えるのは我々も困る。それにマイバッハを野放しにするのは危険だ。ゴーレムも利用しようとしてる。我々はゴーレムとゴーレム使いを滅ぼす。アンデッドから見るとゴーレムはたちが悪いんだ」
ナイン「クレンベラーはなぜ人を捨てヴァンパイアになったんだ?」
「彼に血を授けたカインの直系の者に恩を受けたからだ」
クリス「ダークエルフとヴァンパイアの関係は?」
「ダークエルフとて闇に追いやられた種族。ほとんどエルフと変わりないのにな。彼らはとても過酷な環境に住んでいる。ゴブリンやエルフはダークエルフを攻撃する。彼らとて安らかに過ごしたいだけだ」
ミラ「あなた達の望みとしてはティーダーさんの命令でここから私たちに出ていってほしいのね。でも地上に出たら私達はこのことを報告しなければならないわ」
「それは構わん。その時は本当の戦いになる。その時お前らがそこにいれば対峙することになるだろう」
ミラ「あなたもティーダーさんに恩を受けたの? 元々はグラストの騎士だったの?」
「騎士団もどき……とでも言っておこうか」
ミラ「ファルケの身につけている鎧とか見たことない?」
「む!? その鎧……どこで手に入れた!? まさか貴様、貴様こそマイバッハの手下だったのか?」
ミラ「待って、この鎧は悪人から獲り返したものよ」
ファルケ「ルーデルを知っているということか?」
「ルーデルだと? 呼び捨てにするなど、やはり貴様! たやすく呼ぶでない!」
ファルケ「我が師匠を呼んで何が悪い!? この剣も見てみろ」
「なんだと? その剣は……どこかで見覚えのあるものだが」
ファルケ「この剣は我が師匠が倒されたときに持っていた剣だ」
「ほう? あのゴーレム騒ぎの時の剣か。聞いたことがある、奴隷にしたという小僧か。まさかお前があの小僧か、そういうことか。ならば尚のことこの場を去ってほしい」
ファルケ「人間界としてマイバッハを裁きたいんだ。そのあとはお前らの好きにしろ」
「なるほど、そういうことなのか。マイバッハは君らの手で片付けたいのか」
ファルケ「片付けるのはどうでもいい、人間界の法で裁きたい。グラストの中の問題を片付けたいんだ。マイバッハ自体を直接倒したいわけじゃない」
「なるほど。ただ連中には相当な量のゾンビパウダーが出回っている。かなりの似非ヴァンパイアがいる。エナジードレインはできないが、それ以外はヴァンパイアと同じというものだ」
ミラ「なんとなく話は分かったわ。今私たちがあなたと戦って得することはないわね」
クリス「ティーダーさんとマイバッハは会ったことありますか?」
「何度か会ったことがある。ティーダー様とマイバッハを繋ごうとしたムスターファという者もいたな。我々はゴーレムの情報を渡してしまった。マイバッハは言葉たくみに我々をだまし、見返りに人間の情報を頂いた。しかし、一緒に何か事件を起こしたことは無い。ゴーレムとゴーレム使いだけではまだ不十分だ。人や知能のある生物がそこに加わらないとゴーレムは制御はできない」
ミラ「ここで私たちが帰れば、あなた達は何もしないのね?」
「ファルケ、君はグラストの騎士を目指しているのかね?」
ファルケ「騎士? オレは師匠を目指しているだけだ」
「そうか、ならばそれは何もいうまい」
テオドラン「ま、今回は僧の立場としてヴァンパイアを見逃してくれということだ。お前らも見逃してやる」
クリス「確認ですが、ティーダーさんとマイバッハは今はもうお互いに敵対しているんですか?」
「我々はマイバッハに裏切られたと思っている。マイバッハが我々を敵視しているかは分からんが、もうヤツは望みを手に入れた。我々を切り捨て用済みと考えているだろうな」
ファルケ「傭兵連合にもヴァンパイアがいるのか?」
「いるハズだ。君らが思っている程ヴァンパイアの数は少なくない。傭兵連合のことはマイバッハに聞いた方がいい」
クリス「ダークエルフのヴァンパイアに出会ったけど、それもマイバッハのせい?」
「あのダークエルフは似非ヴァンパイアだ。ドクター・マリエッティが作ったものだ」
ミラ「ヴァンパイアの一族としてはマイバッハの始末と平穏を保ちたいのね? 今回はここから引かせてもらうわ。それとゴーレムの手がかりを渡したと言ってましたが、私達にも教えてくれない?」
 するとエーリッヒの依頼だった地下のドラゴンのゴーレム、ファシリア湖の遺跡のゴーレム、低地諸国やグラストとその他2~3の不確定な情報をマイバッハに教えたとのこと。
「ゴーレムを壊すよりも、ゴーレム使いの首をハネた方が早いと思うが? あとマイバッハの館の地下には気をつけろ、強力な番犬がいる。正面から行っても門前払いされるだけだろう。マイバッハの館の橋の下から入れるハズだ。あとはマイバッハのお抱えのマジックユーザーや、出入りしているクレリックにも気をつけるんだな」
ミラ「カインの剣の封印が解けたのは知っている?」
「あぁ、もちろんだ。あの美しい剣がもうじき我々の手に戻るハズだ」
 ということで地上へ戻ることにするが、キュウベエがいつの間にか戻ってきていた。
キュウベエ「ひどいじゃないかナイン」
ナイン「お? 戻ったか。先に進めとは言ったが、穴に落ちろとは言ってないぞ?」
キュウベエ「……」


 地上に戻る。
 アルブレヒトとエーリッヒの姿はなく、トッペンハイマーだけが見張りで残っていたので報告。
トッペン「なんと……吸血鬼だと? ……それは厄介だな。問題山積だ。マイバッハを排除したとしても、今度はヴァンパイアが国を作るなんて。また吸血鬼戦争が起きるのか……」
ミラ「私達のような冒険者がこれ以上やるのは危険なので戻ってきました」
トッペン「それで正解だろう。マイバッハは裁かれなければならないが」
クリス「地下でヴァンパイアとマイバッハが交わした契約書や、ゾンビの作り方などの書物をいろいろ発見しました」
トッペン「おぉ、これは……教会に全て報告しなければ」
 ここで一旦パーティーは休息をとることに。
 今後の方針としてはマイバッハの館の地下に潜入し、ヴァンパイアとマイバッハの繋がりや悪事の証拠を探す。
 休息をとる前に、スペルストアリングのミラーイメージとヘイストを使い切って、オッティの余ったマジックミサイルをリングに入れてもらい、さらにクリスも余ったマジックミサイルをリングに入れた。

  翌日のクリスの魔法:マジックミサイルx2、ウェブ、ミラーイメージ、ファイアボール、ヘイスト、マジックミサイルx2(リング)

今回の経験点:なし(次回にまとめてもらえる)
終了時のゲーム時間:1994/13/07