第2回(森のくまさん)
 ゼーレ王国は良心的な商売発展国である(現在は93年3月下旬)
 クラウスとクレイは馬を買い、同時に騎乗の技術も習った。
 クラウスは銀の矢も購入する。
 レンは変装道具を大量に買い揃えている。
 クラウスとクレイはタッドポウルの村の中に貸し倉庫を借り、ここを拠点にする(管理人付きで月10GP、クラウスは小銭を消費するために2年分・26ヶ月分を先に支払った)
 タッドボウルの北、材木業が発展しているモルテリアという街にいけば、何か仕事があるだろうということで移動することに。

モルテリアの情報
 北に森林が広がっており、森の木が高値で売れるらしい。神殿を立てる際の柱などにも使われているようだ。
 林業を仕切っているのはベアフォレスト家。街の外れに大きな屋敷を構えている。労働者は朝、屋敷に立ち寄って道具類を準備して森へと仕事にいく。
 森には危険な動物もおり、レンジャーときこりが協力して林業を行っている。
 この街に来る冒険者は、材木の運搬の護衛などで駆り出される仕事が常にある。

 クレイ、クラウス、ビニスティは夕方にモルテリアに到着。
 ユーニスはモルテリアの教会に何か用事があり、レンと一緒にモルテリアへ向かっている。
 『月夜の黒猫亭』という宿がある(1晩1GP、馬を泊める場合はさらに1GP)
 モルテリアの最下級労働がきこりの仕事。
 宿はきこりと思われる人々がお酒を飲んでいる。
 レンは、きこり達が歌っている歌を聴き、それをキッカケに街の情報を聞き出す。
 ここの街は毎日仕事があり、とても平和そうに暮らしているとのこと。
 ベアフォレスト家にはナターシャという12歳の一人娘がいるが、この子は不幸な人生を送っているようだ。
 ベアフォレスト家の当主であったナターシャの両親は馬車の事故で亡くなった。
 今はカーセルという老人が当主の代理をしている。
 カーセルはベアフォレスト家の執事だったが、今はナターシャの親代わりにもなっている。
 ナターシャの社会勉強として街の中を見回っているらしく、たまにこの宿にもナターシャを連れてくるようだ。
 ベアフォレスト家の前の代から平和だが、ナターシャは時折 変なことを言うらしい。
 そうこうしていると、カーセルとナターシャが宿にやってきた。
レン「こんにちは」
ナターシャ「こんにちはー」
ユーニス「こんにちは」
カーセル「ここは平和な街です。ごゆっくりしていってください」
ユーニス「この街の教会はどちらにありますか?」
カーセル「森の方にあります」
 カーセルは冒険者を探しているようで、腕試しに腕相撲に勝てる者を探している。
 ユーニスはもう寝る時間らしく、席を外し部屋に上がっていく。
 クレイは挑戦したくて仕方なく(クラウスにけしかけられて)"仕事を取ってくるぜ!" と名乗り出て、激闘の末(20面の振り合い)どうにかクレイが勝利!
クレイ「うお~、この爺さんメチャ強ぇ!  腕が痛ぇぇ……」
カーセル「わしに勝った者は初めてじゃ」
レン「回復できるクレリックを知ってるぞ」
クレイ「うおー、早く頼むぅぅ!」
 ビニスティが話を聞き、仕事の依頼を確認する。
 仕事の話はビニスティに任せ、クレイはレンからユーニスを紹介してもらい、治療に向かった。
 クラウスは、交渉に入る前にビニスティに「最低これ(と言って指を1本立てて見せる)な!」と告げる。ビニスティはそれを「私とクレイとクラウス、計3000はもぎ取らないといけませんね」と判断した様子。しかし前金を受け取れるようにする段取りは忘れていたようだ(笑)

依頼内容
 以前ナターシャが1人で森に行ってしまい、その時に森の熊に出会った。
 熊は貝殻のイヤリングをナターシャにプレゼントした。
 ナターシャはその熊にお礼をしたいのだが、森に行くのが危険なため同行する冒険者を探している。

 レンジャー隊が宿にやってきた。
レンジャー「いい獲物がとれた、この熊は食えるのか?」
ビニスティ「(あれはアウルベア!?)森の熊って、あの熊じゃないですよね!?」
ナターシャ「あんなクチバシのある熊じゃないです。もっと普通のしゃべる熊さんです」
ビニスティ「喋るというのが疑問ですが……ちなみに、今回のご依頼の報酬はいかほどで?」
カーセル「これ(指を2本立てる)でどうでしょう?」
ビニスティ「うーん……本来ならこれくらい(指を4本立てて)は頂かないと頷けないのですが、こんな年端のいかない令嬢に万一のことがあったらこちらとしても寝覚めが悪いですし……引き受けたいところなのです。そちらの要求とこちらの要求の間くらいでいかがですか?」
カーセル「分かりました。では必要経費、食糧費を別で3000GPでどうですかな?」
ビニスティ「(よし、一人頭1000獲得!)分かりました。いつから出発ですか?」
ナターシャ「明日、準備してクッキーを焼いてからだから、明後日に出発かな」
レンジャー「この熊やっぱり食えねぇらしい。剛毛でクチバシも邪魔だってよ」
 クレイは、ユーニスに腕の痛みを見てもらった。
ユーニス「魔法は必要ありませんね。明日になれば治るでしょう」
クレイ「骨は折れてないのか?」
ユーニス「大丈夫です。あ、それと明日の朝なのですが街の外れの教会へ案内してもらえませんか?  きこりさん」
クレイ「きこりじゃない。冒険者だ」
レン「ユーニスも下に来て少し話そうぜ」
ユーニス「もう寝る時間を決めているのですが……まぁ少しくらいなら」
クレイ「みんな、この司祭さんのおかげで治ったぜ」
 などと皆が自己紹介しながら合流。が、5分程するともうユーニスは眠そうにしている。
クレイ「森にはどんなモンスターが出るんですか?」
カーセル「猛禽類です。オオカミ、鷹、コウモリなどです」
クレイ「きこり達はどんな斧を使ってるんです?」
カーセル「おかかえの鍛冶師がいて、常に斧を手入れしております」
クレイ「(ハンドアックス+1を見せ)オレの斧もいい斧でしょう?」
カーセル「おお、これは素晴らしい。しかも軽いですな。ですが我が財力をもってすれば魔法の斧もありますぞ?」
クレイ「な、なんだって~。今回の仕事はぜひお任せください。また明後日よろしくお願いします」
カーセル「こちらこそよろしくお願い致します」
レン「ところでビニスティさんだっけ? さっき聞こえた3000ってなんの話?」
ビニスティ「(いかん、一人頭1000を割ってしまう!)……ああ、三千世界のお話をしていたんですよ?」
レン「なにそれ」

 翌朝、皆で朝食をとる。
 ユーニスは "今日またご飯を食べれることに感謝してお祈りしましょう" などクドクド言って食べる。
 レンは3000GPについて詳しく聞きたがっている。
レン「でさビニスティ、昨夜の3000って、報酬の話でしょ? 仲間になるんなら山分けだよね?」
ビニスティ「は? いやですからあれは三千世界の話ですって」
レン「やめようぜ、仲間内で報酬を値切ったりすんのはさぁ」
ビニスティ「クレイ、レンさんとユーニスさんは仲間に加えます?」
クレイ「あぁ生きて帰らないと "魔法の斧" がもらえないからな。3000GPは皆で分けたまえ」
ビニスティ「仕方ありませんね。クレイ代表が仰ったので、総額3000報酬、今回は山分けということで」
ユーニス「ではクレイさん、教会へご案内をお願いします」
クレイ「ああ、護衛なら任せてくれ」
 ユーニスはクレイをきこりを思っているので道案内してくれると思っている。
 クレイはユーニスが教会の場所を知っていると思い、護衛感覚で適当に進んでいく。
 ビニスティは "あの二人は道を知っているんだろうか?" と思い、宿のマスターに教会への地図を書いてもらい、急いで追いかける。
 ユーニスはクレイに難しい話をしながら歩いていき、クレイは難しい話が分からないので適当に相槌をうっている。
 歩いているとイタチのような動物が現れ、クレイに臭い屁をカマして去っていった。
クレイ「ったく……オレのせいじゃない。オレは後ろから離れて見守っているから安心しな」
ユーニス「このまま真っ直ぐでいいんですか?」
クレイ「え? 道を知らないのか?」
ユーニス「え? あなたきこりさんですよね? 案内してくれるんじゃ……」
クレイ「いや、オレはきこりじゃない。それに案内ではなく護衛っていう話だったじゃないか」
 などと言っていると、爺さんが現れた。
爺さん「お、おぬし(クレイ)とても臭いな、どうした?」
クレイ「イタチだよ、イタチ」
爺さん「それはイタチじゃなくスカンクじゃ」
クレイ「たまったもんじゃねぇぜ」
爺さん「どうじゃ? 50GPで消臭できるスプレーがあるぞ?」
クレイ「高いな、要らん」
爺さん「25GPでどうじゃ?」
クレイ「要らん」
レン「なら20GPで譲ってもらえないか?」
爺さん「いいだろう」
レン「これは夜這いに使えそうだ!」
ユーニス「ところで祠(教会)はどちらですか?」
爺さん「この先じゃ」
レン「爺さん、お名前は?」
サイトリー「聖サイトリー(山菜取り?)じゃ。わしは元パラディンじゃ」
ユーニス「それはご立派です。聖騎士さま、何か最近は問題でもありましたか?」
サイトリー「わしのペットが逃げ出してしもうた。あのスカンクがいなくなったら商売あがったりじゃ」
ユーニス「なるほど、そういうことでしたか……」
サイトリー「他にも山菜も売ってるぞ」
ユーニス「では山菜をくださいな」
 というところで、ビニスティが追い付いてカクカクシカジカ。
 祠にも無事に到着し、ユーニスがお祈りをする。
 クレイは泉の水で斧を洗った。

 夕方に宿に到着。
 ビニスティは街の魔術師ギルドの場所を聞き、レンはシーフギルドに顔を出しにいった。
 レンは聖サイトリーについての情報も集める(本当に元パラディン、いたずらが好きなだけのようだ、そうしながらも森を守っている、隠居生活をしていても剣術はまだ健在)
 ユーニスは先ほどサイトリーから買った山菜を宿のマスターに渡して料理してもらった。

翌朝
 ユーニスの魔法:キュアライトウーンズ、リムーブフィア、スピークウィズアニマル、ブレス
 ビニスティの魔法:スリープ×2、ウェブ、ミラーイメージ

 ベアフォレスト家に到着しナターシャを迎えにいった。
 レンジャー隊の隊長も同席していたが、レンジャー隊は別の任務があるため同行しない。
ユーニス「スカンクのスプレーを手に入れておけば良かったですね。消臭のスプレーじゃなくてスカンクの匂いのね。あれなら少し高くても戦闘を避けられ、命の危機を回避できたかもしれません」
ナターシャ「さぁ、贈り物のクッキーがおいしいうちに出発です」
ビニスティ「しゃべる熊……ライカンスロープですかねぇ。ただ、熊の状態でしゃべるなんて聞いたことありませんけど」
ユーニス「やっぱり普通のしゃべる熊さんでしょうかね」
 その間、カーセルの娘と息子もナターシャを見送りに来た。
レンは、そんなカーセルの娘と話し始める。
レン「あなたのような女性らしさを身に着けたいです」
カーセルの娘「あなたは女性なのですか?」
レン「女性に変装するようなシチュエーションがあった場合の技術を身につけたい。人々を助けるためのパフォーマンスを上げたいのです。そもそも私の信念はですね、政治や行政単位で切り捨てられ、救われなかった少数の弱き者を救えるようになることなのです」
カーセルの娘「……(キレイごとを言ってますね的な含み笑いしている)」

 北へ進み森に到着。
 密林になるところまでは馬を連れていったが、ここから先は馬は入れない。馬は木に繋いでおく。
 レンジャー隊に出くわす。ただの獣ではない怪物を見たらしい。
 ユーニスは森の神にお祈りしてから入っていく。
ビニスティ「レディ・ナターシャ、以前、ここまで1人で来たのですか?」
ナターシャ「うん、気づいたら来ちゃった。帰りは熊さんが手伝ってくれたの。大丈夫、もうすぐ現れるわ」
レン「熊さんが出たら、まず様子をみるから待っててね」
ナターシャ「熊さんを攻撃しないでね」
ユーニス「探している熊さんは他の熊と見分けがつきますか?」
ナターシャ「しゃべりますので分かります」
ユーニス「ではすぐに攻撃はせず、ナターシャちゃんの判断を待ちましょう」
 すると振動のような足音が聞こえた。
 レンは、前方と後方から接近してくる音だと分かり戦闘に突入!
 横から熊が現れ、前方のイノシシにタックル! さらに後方からも何かがやってきた。
 熊はイノシシを倒し勝利の雄叫び。
 背後から来たのはレンジャー隊だった!  "言葉をしゃべる怪しい魔獣め! 撃て~!" と射撃開始!
 矢は何本か熊に命中!
レン「何をする!? この熊さんは味方じゃないのか? お嬢さんが探している熊なんだぞ?」
レンジャー「人語を話す熊など危険に決まっている! 我々は森と街を守るんだ!」
ユーニス「ちょっと待ってください。お嬢さんが言うには無害な熊さんです。きっとこの不思議にも理由があるハズです」
クレイ「熊さん、狙われてるみたいだぞ、逃げろ!」
レン「熊さん、あんたはどういう因縁がある者なんだ?」
「……(悲しそうな顔をしている)お嬢様を安全なところへ」
ユーニス「熊さんごめんなさい、魔法を使います。ここはお嬢さんのためにも逃げてください(コーズフィアの魔法をかけたが失敗)」
クレイ「レンジャー隊やめろ! お嬢さんに矢が当たったらどうするんだ!?」
クラウス「誰の命令で熊を追ってるんだ!?」
レンジャー「ベアフォレスト家からの依頼だ。森の安全は守る! それがレンジャー隊の目的だ」
クラウス「お嬢さん、やめさせるように命令を!」
ナターシャ「やめてくださいっ!」
レンジャー隊「むむ、撤収だ!」
ユーニス「待ってください!」
ナターシャ「熊さんが……熊さんが~(熊は傷つきながら去っていった)」
ユーニス「私はカクカクシカジカの教会の者です。あの熊さんについてご存じのことを教えてください」
レンジャー隊「最近は森に魔獣が出ている。クチバシのある熊や、触手のある犬などだ。殺さないにしても、あの熊は生け捕りにすべきだ。人里を守るのが第一だからな」
ビニスティ「触手の犬……? ディスプレッサー・ビースト!? この森、どれだけ剣呑なのでしょう……」
ユーニス「あの熊さんについては私たちにお任せいただけないですか?」
レン「ベアフォレスト家の誰が命令しているんだ?」
レンジャー隊「誰がというより、森の警備はレンジャー隊に一任されているのだ」
ユーニス「言葉を話す動物は神話により言い伝えられています。少なくとも熊さんはお嬢様をお守りくださった。ご存じの通り、あの熊さんはしゃべります。なんとかこの件に関してはしばらく任せてくれませんか? 分かったことは全てご報告します」
レンジャー隊「いくらお前らが言おうが、森で起きた事件はレンジャーの責任になるんだ。そんな我々の立場も理解して欲しい」
クレイ「さっさとクッキーを渡して帰ろうぜ」
レン「この森の生態系に詳しい人はいますか? ライカンスロープは普通にいるものなのか?」
ユーニス「いえ、病気のような悪いモンスターですから日常的にはいません」
レン「お嬢さん、あの熊さんは元々あの街の人だったってことはあるかな?」
ユーニス「ライカンスロープとは違うかもしれません。私の知識では通常のライカンスロープではあり得ない状態でしたから」
 ユーニスは近くにいたスカンクにスピークウィズアニマルを唱えた。
ユーニス「あの熊さんはよく知ってる?」
スカンク「知ってるよ」
ユーニス「熊さんの住処は知ってる?」
スカンク「熊さんは街から来てるよ」
ユーニス「オウルベアは森の奥にいる? ヒゲの生えた犬はいる?」
スカンク「オウルベアはいるよ、でもヒゲの犬は知らない」
ユーニス「山菜取りのお爺さんは知ってる?」
スカンク「あの爺さんは優しいよ」
ユーニス「あの熊さんは街から来るんですか……」
スカンク「ああ。森に入るまでは人間だけど、森に入ると熊になるよ。いい熊さんだよ、危害はない」
クレイ「とにかくクッキーを渡しにいこう」
 熊は流血しており、ところどころに血痕がある。
 途中で大きな血だまりになっていて、そこから血痕が見当たらなくなっている。
 レンがよく調べると包帯の切れ端などが見つかった(ここで人間に戻って止血した?)
 一旦、馬のところへ戻る。
クラウス「熊にもらったイヤリングって、どこかで見たことないか?」
ナターシャ「あ……お母さん……かも」
クラウス「なら、あの熊がお父さんかもしれないぞ」
ユーニス「元パラディンのあの方が何か知っているかも」
クラウス「祠の方に行ってみるか」
 パーティーが祠に到着すると衝撃的な光景が。
 祠の中の祭壇に、包帯を巻いた意識不明の執事カーセルが倒れている。
 さらに山菜取りの爺さん聖サイトリーがおり、傷の手当をしている。
レン「ど、どうしたんだ?」
ユーニス「まだ息はありますね。魔法で癒しましょう(しゃべれるまで回復)」
サイトリー「この男は悲しい男よ」
ユーニス「どういうことでしょう? 少しは想像つきますが……」
サイトリー「この男は、もともとは普通の人間だったが、ある目的で、国の機密作戦で熊に変身する能力を身につけられた」
ビニスティ「人体実験に使われたんですか?」
サイトリー「軍事目的でライカンスロープにさせられた。だからこやつは国に対して恨みを持っていた。だがしかし、この男はナターシャと出会ったことで優しい心を取り戻した。ナターシャを本当の子供のように思っていた。ナターシャが1人で森に行った時は心配そうだった」
ビニスティ「やれやれ、良心的商業国家が聞いて呆れますねぇ」
レン「イヤリングは何ですか?」
サイトリー「レンジャー隊がそのイヤリングを狙っているぞ。レンジャー隊の長もまたライカンスロープにされた者だ」
カーセル「ここからは私が話さねばなるまい。彼女の両親を殺したのはワシだ。金が目的だった。それも全て国に復讐するためだった。お金と拠点を得ようと彼女の両親を殺してしまった。許しておくれナターシャ」
ナターシャ「…………」
レン「今はもう復讐する気は無いんですか?」
カーセル「私はナターシャと出会ってしまい、人の心を取り戻してしまった。鬼のままでいればよかったのだが、今はナターシャを守りたい。それによりレンジャー隊にとってワシの存在が邪魔になってしまった。彼らからしたらワシは裏切り者だ。だから狙われた」
ビニスティ「お嬢さんが熊さんからもらったペンダント……それで気づかれないと思ったのですか?」
カーセル「気づかれると思った。だがお嬢様は森が大好きだった。だから彼女の気持ちを最優先したく森の熊さんに合わせたかった」
ユーニス「誰もが犠牲者であることに代わりないのですか……」

状況を整理
・カーセルがナターシャの両親を殺した。理由は自分の体がライカンスロープにされたことへの復讐のため。
・その後ライカンスロープの軍は破綻し、実験道具にされただけになってしまった。
・その計画を経済的に支持していたベアフォレスト家への復讐を果たしたが、ナターシャと出会いカーセルは心を取り戻した。
・他にもライカンスロープにされた者がいて、その者がレンジャー隊を結成し、裏切り者となったカーセルを狙っている。

レン「どんなに政治をしようが、切り捨てられた側の人を助けたい。社会的弱者が国家に復讐しようという時、その気持ちや覚悟の強さ。それによって犠牲になる人のことも考えて行動したい。なるべく犠牲を少なくしたい。ナターシャの父が殺されたのは自業自得だと思うが、母を殺したのは間違ってると思う。これまでの罪を償うなら力になりたい。過去に縛られていても憎しみの連鎖が続くだけだ。村人たちが犠牲になるなら反対だ、そうでないならカーセルに協力してもいい」

パーティーメンバーの考え
 レンは、カーセルやレンジャーの説得試みて、お互いに復讐というのをやめてくれと訴えたい。
 ユーニスは、カーセルが精神的に症状をコントロールできることを興味深くみている。できるなら治療してあげたい。レンジャーもカーセルも治療してあげたいと今後の展開を希望し、教会に話を持ち帰る。ナターシャの心をケアしたい。なるべく戦闘は避けたい。
 ビニスティは、どちらに話が流れても構わないという感じ。
 クレイは、もう何が悪で何が正義なのか分からないので、とにかく依頼主の希望を遂行したい。一介の冒険者があまり国の深い部分に入り込むべきではない。とにかく任務を終えて報酬をもらうこと。

サイトリー「心が戻ってしまったこと自体、ライカンスロープの失敗作じゃ」
カーセル「他にもいっぱいライカンスロープがいた。中には絶望して自殺した者もいる」
ユーニス「今回の事象はライカンスロープの心が戻るという大変興味深いものです」
サイトリー「ライカンスロープを治す奇術があるという噂もきく」
ユーニス「その研究をしてみたい気持ちもあります」
 ナターシャはかなり動揺しながらも、カーセルにクッキーを渡す。
ナターシャ「私のお父さん、お母さんを殺したのは許せません。だから責任を持ってこれからも私のお世話をしてください」
カーセル「私は許されるということか……」
ビニスティ「いえ、人を殺害した罪は永劫に許されるものではないでしょう。であればこそ、天に召されるその日まで、生きて償い続けねばならないのではありませんか」
レイ「これからは人間として、彼女を支えてください」
カーセル「ユーニスといったかな、私の体は本当に治せるのかな?」
ユーニス「いい加減なことを申し上げる訳にはいきませんので、それには確実にできる、とお約束する訳には行きません。ですがあなた達を治せるとしても、まず生きていてもらわなければなりません。レンジャー隊の人たちだって同じです。ライカンスロープが作れるのなら、戻すこともできるかもしれません。本来であればこんなことはあってはなりません。私は教会に報告せねばなりませんが、協力できることがあれば全力で協力します」
謎の声「随分と腑抜けちまったな、親父!」
 と、その時にカーセルの息子がライカンスロープ・ワーバットの姿で空から登場!
ワーバット「ずいぶんな、お涙ちょうだいの話だな。オレ達の組織への怒りはどうした? あんたの心は戻ってしまった。オレ達の計画には邪魔なんだよ。ここで死んでもらうぞ!」
ユーニス「依頼主さんの任務を遂行するということは、カーセルさんとナターシャを守りましょう」
サイトリー「2人の守りはワシに任せろ!」
レン「やめるんだ! お互いに復讐のし合いなんて、第二、第三の君たちを産むだけだ! あんたらも心を少し取り戻しているのではないか? 復讐ではなく心を取り戻すような愛を探すべきではないか?(と武器をすべて手放した)」
ワーバット「うう……うるさい、うるさい! 黙れ! オレたちは怒りで生きている」
レン「怒りは自分の身を滅ぼすだけだ」
ワーバット「そんなことは分かっている。この身が滅びようとも世の中に存在を知らしめたい!」
レン「オレ達が暴露して知らしめてやるよ。お前らをライカンスロープにした真の悪を知らしめよう。そうなるよう協力する、だからナターシャやカーセルまで犠牲にするのはやめてくれ」
ワーバット「オレたちはすでに罪人だ。たくさんの人々を殺してしまった……」
レン「その罪を償って、人して生きていくなら協力するぞ」
ワーバット「協力とは具体的には何だ?」
レン「これからの状況によりできることはやる。ナターシャの心を、人の心を今一度信じてもらえないか?」
ワーバット「……どうするか……なまじ人の心が残った体じゃなければ……」
ユーニス「復讐ができるのなら死ぬ覚悟があると言ってましたね? でもあなた方の復讐はおそらく成功しません。ライカンスロープを作り出せる組織を相手に、あなたたちだけで何ができます?」
ワーバット「だから軍資金が必要なんだ。その娘が持っているイヤリングが鍵なんだ」
レン「復讐の螺旋で動くのではなく、人の心で考え、平和な世界を作っていこうよ。それこそが悪に対する復讐なんじゃないのか?」
ワーバット「……むむ、ここは分が悪いか……」
ユーニス「先ほど言ったよう、復讐ができれば命はいいんですよね? その罪ならハッキリいって死刑でしょう」
ワーバット「憎しみが生きる原動力になることもある。争いが無くなれば傭兵どもも仕事がなくなるぞ?」
ユーニス「教会にとってライカンスロープは大きな問題です。いくつかの文献で治療に関してを見たことがあります。どうせ死ぬ覚悟があるなら、治療を待つようにしませんか? 今のままではテロリストというだけです。ライカンスロープは伝染すると聞きます、信用できないと仰るならば、私を傷つけてください。あなたがたと同じ立場になりましょう」
ワーバット「お前らの考えはわかった。オレ達はもうこの街を出よう。だが新たな計画を立てる。もしまたお前らのような人間に出会ったなら心を入れ替えよう。お前らのような正義の心を持った人間がいたならな」
レン「またいつか会おう。人間として会えることを楽しみにしている」

 ライカンスロープたちは街から去っていった。
 事の真相を全て知ったナターシャは、カーセルのことをお父さんと呼び、その後も今までと同じように暮らしていくらしい。
サイトリー「あの復讐心に猛っていた連中相手に、言葉だけで戦闘を回避するとは凄いな」
レン「言葉ではありません、心です」
サイトリー「なんと!? ……お前たちはいい冒険者じゃな。もっと世の中を良くしていけるじゃろう。引退した爺が言えるのはそれだけじゃ。今回は知る人ぞ知る事件じゃ、この街は今後も平和のままだろう」
レン「ナターシャとカーセルさんの今後を見守っていってください」
ユーニス「あと、この街と森の平和を」
サイトリー「スカンクも一緒でいいならな」
ナターシャ「そうそう、3000GPのお約束でしたね」
 と、祠の奥が扉になっており、イヤリングの鍵で開き、報酬を受け取った。
 魔法の斧はもらえずクレイが残念がった(笑)

 クラウスとクレイはこの街にも拠点を作ろうか、などと話しているとクレアルネスの街を紹介された。
 クレアルネスは神話により神聖な街とされている。
 クレアルネスの街の近くでヒューマノイドモンスターの集結が噂されているとのこと。
 レンは銀の矢を購入した。

報酬:3000GP
経験点:3880
終了時のゲーム時間:1993/3月下旬+(タッドポウルからモルテリアまでの移動日数)+2