YAMAHA SG-30(1973年)




(写真説明)▼このモデルにはナチュラルとチェリーの2色がラインナップされていました。
そこで今回はこの2色をセットでご用意いたしました!!って某ジャ●ネットのテレビショッピングみたい(爆)
ちなみに非売品です(爆)
「PKO的ヤマハSGの歴史!!」
 ★ヤマハのSG-30である!激鳴ソリッドギターである!Wカッタウェイ、ニューロック、日本語ロック論争、シラケ世代、列島改造論、オイルショックの始まりである(笑)
しかしみんなグレコを使った。グヤトーンを使った。ELKを使っていた。ヤマハは高かった。ギブソンはもっともっと高かった。音が違った。作りも違った。レベルが違った。敷居が高かった。国産とアメリカのギター、の敷居がすげー高かった。
そこでヤマハは頑張った。ギブソンに負けまいと頑張った。日本楽器として負けまいと頑張った。頑張ってSGを作った。SG−5を作った。SG−7を作った。12弦を作った。桂で作った。オリジナルで挑んだ。寺内にフラれた。世界へ挑んだ。
東大安田講堂が陥落した。ビートルズも解散した。ヤードバーズも解散した。ヤードバーズがぽしゃってツェッペリンが飛んだ。
ツェッペリンが日本にやってきた。ニューロックがやってきた。グレコが僕らにやってきた。ヤマハは七転八倒していた。七転八倒しているうちに「ダルマ」シリーズを出した。
しかしダルマはダブルカッタウェイではなかった。SGだけどSGじゃなかった。まだ、世界のSGじゃなかった。
ラフスケッチが描かれた。正対称カッタウェイ。膨大な図面が描かれた。正対称カッタウェイ。
1973年がやってきた。ピンクフロイドもやってきた。
The Dark Side Of The Moonがやってきて12月が遂にやってきた。
1973年12がつSG−30が発売された。シンメトリックSGが発売された。
定価30000円で発売された。当時としてはなかなか精度の良いギターだったが誰も買わなかった。
みんなグレコで弾いていた。フレット音痴でも成毛が弾いてたレスポール。日本楽器、ギブソンの代理店だった…。
74年がやってきた。SG代2世代のスタートだ。35、45、85ときてとうとうSG−175になった。サンタナが175を見つけた。ヤマハSG、世界に日本楽器を知らしめた。
80年代SGブームが巻き起こり、そして…沈静化した。
2007年12月、あるギターショップにSG−30を見つけた奴がいた。
SGのせいで人生変わってしまった。かれはその店で何本目かのヤマハSGを購入する事になった。
店長は「ヤマハ版メロディメイカー」という笑える名言を発した。鳴る楽器としての賛辞だった。俺はレズリーウェストか?(笑)
SG−30・・・。ブリッジが錆びて動かなかった。何とか調整しようと苦戦する店長、なんとかブリッジパーツを確保しようと家中のジャンクを必死に探す俺。
かくしてユリア樹脂のブリッジは発掘された。6個の宝物は店長によってファイリングされ、新しい溝には6本の弦が載った。
磨耗のない指板とフレット。完璧だった。
オクターブも合った。容量の抜けたコンデンサーは新しいコンデンサーに新調された。ピックアップも調整された。
割れていたノブも探し出し、純正パーツで補完した。弾くだけならこだわる程の事じゃない。けど、こだわりたかった。
巷はレスポールとストラトに溢れている。10代で既に持てる世代、憧れて20代になってギブソンを買った世代、グレコで育ち、夢をやっと手に入れた世代。
でも何か違う。みんな同じギター。何か違う。ロックギター…やっぱ何か違う。
でも何か違う。みんな同じ服。何か違う。横並びの反逆…やっぱ何か違う。
新しいギターがないか。見慣れたいにしえの新品じゃなくていい。
新しいギターがないか。自分にとって新しいギター。
SG−30。懐かしくなんかないのがいい。媚びて格好つけたりしないところがいい。
今はこれしかない。店頭に並ぶ新品が嫌いなわけじゃない。今あるのでぶっ飛べるようなクレイジーなギターにめぐりあえないだけ。
だから今はこいつを弾いている。こいつならどんな弾き方でも受け止めてくれるような気がする。ストラトにもレスポールにもテレキャスターや335にも合わない音楽があったとしてもこいつならいい音で鳴ってくれるような気がする。
ある日の友人との会話。
「おっ、お前またヘンなギター持ってるね!」
「うん。これ、俺の新しい中古ギター(爆)」



▼チェリーのKNOBがオリジナル。ナチュラルのKNOBはSG−1000用でリプレ。
(協力:SRV GUITAR WORKS様)

★ボディは桂材、ネックはマホガニーのデタッチャブルと言うなかなかビザールなシロモノですが、音はなかなかロックです!
なんとなくボルトオンといい、表ザグリのピックガードアッセンブリといい、ストラトに通じる微妙に箱っぽい生鳴りに加え、
アンカーブリッジとハムバッカーというギブソン的なテンション感やパワー感が合体して、後のソリッドで重いSGとは違う独特なキャラクターが面白いギターですな。
重量は公称2.8Kgとかなり軽い。SG−1500と比べるともう軽くてやめられなくなりますね〜。
機材持って列車移動する時はこの軽さが楽で良いです。


参考リンク: SG−30〜ヤマハデータベース
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