YAMAHA SG-1500





YAMAHA SG-1500
左:パーシモンレッド(1981年製)
右:ジェイド・グリーン(1982年製)
☆メインギターのSG-1500(左)です。このギターとの出会いについては
ここを読んで下さいね。
とにかく20代はこのギター一本で、文化祭やら、野外イベントやらといろいろ活躍して
くれました。

 これは1981年に発売されたSG−1500です。
(その前に出ていたドットの輸出モデルとはまた別っつうやつですね)
普通のSGがメイプルトップを持つTクロスメイプル構造なのに対し、
これは写真のようにトップからネック材がエンドまで伸びているのが見える、
いわゆる普通の(?)スルーネックになっています。(笑)
スルーネックですが
トップはアーチになっており、一応オリジナルのパーツ関係は普通のSGと同じ
ですね。
ただ、SG-1000や2000に比べるとボディがやや薄く、ボディに対してヘッドが
やや重いので、滑るストラップで下げたときちょっとバランスに難ありますね。
音質はSG-1000のようなオーソドックスなマホ系でもなく、2000のような厚み
とサスティーン狙いでもなく、3000のようなまったりした音でもない、
1500独特の音がします。
はっきり言えば普通のSGよりトレブリーです。どっちかと言えば、アレンビック
的な発想で、
材の共振は抑え、その分スルーネックによるロングサスティーンを全面に出し、
純粋にPUでの音作りに徹したコンセプトを持っていると思います。
指板はSG-1000以上のシリーズ中唯一のローズウッド指板で、
これがトレブリーなキャラクターでも、フィンガリングタッチでサスティーンヲ
コントロールしやすい暖かみを出しているのかな、と思います。
特にこのギターで優れているのは、まず普通のギターでは出せない
超ロングサスティーン。
SGシリーズはこのロングサスティーンが「売り」ではありますが、
SG-2000が「ヴィブラートをかけないで延ばすと、ひたすらサスティーンブロック
の作用で高域が減衰しないまままっすぐに延びる」=サンタナのような
サスティーンが得意
なのに対し、1500はロングサスティーンではあるけれど、音がナチュラルに
延びるところが特徴です。
これはオーソドックスなロックでヴィブラートをかけて延ばすようなフレーズで
も、人工的にならないのが良いです。
さらにSG-1500はシリーズ中、最もコードの響きが美しく出るギターだと思います。

これはボディがあまり共振しないでPUの音がストレートに出る分、音程感が鋭く
なり、コードの分離が良いからだと思われます。
ボディが鳴っているギターなら少しぐらいチューニングがよれていても、なんと
なく一体化している音になり、なじみがよい分、ズレが判りにくいのですが、
1500のようにカッチリ出ちゃうと、
チューニングが甘いとすぐに気持ち悪くなります(苦笑)。
 とまあいろいろ書きましたが、上記のような特徴がある以上どうしても苦手な
部分もあるわけで、
最初この1500は、80年代お決まりで、マーシャルでギンギンのハイゲイン
にして使っていました。
あまり材の鳴りと言うか、肉っぽさがないので、相当深く歪ませても音が鋭く
立ち上がり、キレも抜群、イコライザーとのマッチングも抜群だったのですが、
ここに書いたように、ストーンズのような「クランチで昔ながらの腕力で
ニュアンスを出す弾き方」になると音が途端に寂しくなってしまいます。
また、オリジナルがトレブリーになる原因として、ヤマハのOPG-1ハムバッカーは、
それ自体で音作りするPUではなく、どっちかと言えば生の音を
そのままナチュラルに拾うと言う
「素直な特製故にギター本体の鳴りが良くないと太い音がしない」という
ボディ鳴りが前提のコンセプトと思われます。
しかし1500は
「ボディはサスティーンに有利なスルーネックだが共振しない構造でPUのキャラ
を活かす」ので、
「音作りは電気的にいじってやって下さい」のコンセプトと
PUのコンセプトは相いれない結果になってしまったと思います。(これ、後期のスピネックスだったら違ったかも…)
そこで僕のSG-1500はPUをダンカンのアルニコ2プロハムバッカーに交換して
あります。
SGで耳に付く中高域の帯域がちょうど弱く、SGで不足しがちなローミッドと
腰砕けにならないおいしい高域のバイト感がうまくマッチして、
PU交換してからは、それまでレスポール(オールドではなく普通の)でないと出せなかった中低域の厚みが
再現できるようになり、クリーンでも歪みでも耳に痛く鳴らず、ヴォリューム操作
で音のタイトさをコントロールするのもやりやすくなりました。
今となってはただ音が太いだけで、高域に艶がないリイシューのレスポールより、
このSGの方が幅広く表現できるので、レスポールスタンダードを放出した現在も、
ハムバッカー系のメインとして不動の地位を守っています。(笑)





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