YAMAHA F100-112




F100−112
当時の価格:\100,000
昭和54年 7月発売
シリアル:#645*
スピーカー:JA3062
定格電圧:100V 50Hz/60Hz(国内仕様)
定格消費電力:90W
■フロントパネル
input(high), input(low),
chanel select SW,
ch1volume(pull fat),CH2 gain(pullfat), master,
treble(pull bright), middle, bass,
parametric eQ(LEVEL, Q, FREQUENCY),
reverb,pilot lamp,power sw(ground)
■リアパネル
FUSE, AC OUTLET, SP.OUT, EXIT SP OUT, DIRECT OUT, REVERB ON/OFF, CHANEL SELECT

☆Fシリーズのライブ現場の代表機種が212なら、
このF100-112はプレイヤーサイドの代表機種と言う感じでしょうか。
212は今も置いてあるスタジオ、たまーにありますが、112置いてある所って最近
あまり見かけなくなりましたね…。昔はこの112、いわゆるBスタによく
置いてありました(爆)
ポジションとしてはFシリーズ版ブギーですかね。
12インチ1発@100Wで、このサイズでは従来苦手とされていた、低音の貧弱さ
をF独特のローミッドのウォームな特性でカバー、さらに高出力パワーアンプと
スピーカーで小型ながら、ファットでクリーンな音を出すことができます。
F=FATサウンド。ある意味、Fのコンセプトに一番必要だったのは、この
112サイズで太い音を実現する事だったのではないかと思います。
大型アンプなら別に合えてファットサウンドと命題を掲げなくても良かったと思うんですよ。
大型でチューブアンプ作れば良いワケだから。
そうじゃなくて、運搬時の機動性や、耐衝撃性に優れた小型トランジスターアンプに
ライブで使えるようないい音の高出力アンプがなかったからこそ、この
Fシリーズ、中でもこの112サイズで100W出せるF100-112の存在意義は大きかったと
思うんです。
そしてそういったアンプほど、ライブに明け暮れるアマチュアプレイヤーに取って必要だったし、
実際112系はプレイヤー所蔵品が多く見受けられました。
だから80年代、スタジオやライブハウスでなく、公民館とかイベントとかで機材
持込となると結構このFの112が登場したりしたワケですよ。それも近所の
「バンドやってるお兄さん」から借りてきたらこれだったとか、
「対バンの先輩の機材使わせて頂いた」とかW
そんな感じなので昔はJCと並んで「良く出てくるから使い方覚えとけ」な
アンプの一つでしたね。ある意味昔は今ほどアンプに選択肢、なかったよな…(笑)
 基本的にFは全て、クリーンと歪みをフットスイッチで切り替えられる
2チャンネルアンプですが、112系はトーンが共用になるので、トーンの設定は
クリーン主体化ドライブ主体化のどちらか一方で妥協する必要がありますね。
このF100-112のオリジナルスピーカーJA3062はとてもレスポンスが早いスピーカ
ーなので、コーンが新しいとちょっと他のFより痛いかな。
まあ、使いこんでコーンがこなれてくると痛い感じがなくなり、味わいが出てき
ますが。
ただこのJA3062、100Wギリギリなので、ライブで飛ばないか、ちょっとハラハラ
する時も無きにしも非ず。何せ1発ものなので。
まあそういう風に思った人がいたからかどうか判りませんが、後年、このモデル
のバリエーションとして、F100-112Sが1982年に発売されます。


▲後面から。スピーカーは30cmのJA3062。リヴァーブユニットはアキュトロニクス製。
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