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根掛りさせないテクニック、ichi、

 

この釣りでは、捨石先の駆け上がり50cm以内、を中心に狙います。

だが、捨石先の駆け上がり、は大変根掛りしやすい。

この釣り方を考えるうえで、いかに根掛りさせずに、駆け上がり50cm以内のサカナを釣るか、が大きな課題、で、

試行錯誤の末、たどりついたのが、下の3っつ、

・“聞き”、で底を知る、(底がわからないと根掛りしてばかりで、釣りにならない、)

・竿先より、前方で釣る、(仕掛けを真下に落とすと根掛りしやすい、)

・仕掛けの移動は、上げて浮かせて、寄せて、(底を横に引くと根掛りしやすい、)

でした、

この釣り方には、これらのテクニックが詰まってるんです。

 

1.“聞き”、で底を知る、

まずは“聞き”ですが、

 “聞き”は、前アタリを知る、とともに、オモリが海底を離れた、この竿先のホタルの高さが底だ、を知るための動作でもあり、“聞き”により、海底の状態、駆け上がりの状態を調べていきます。

だから、“聞き”のテクニックがマスターできないと、根掛りばかり、になり、結果、根掛りを恐れてポイントを外れたとこでサカナを待つ、釣れない釣りになります。

 

 

“聞き”は、竿を上げるとき、オモリが底を切る一瞬、「竿先のホタルが止まる」、これを観察し、底を知るテクニックです。

じゃあなぜ、「ホタルが一瞬止まるのか」、ですが、


上図で、オモリを着底させた状態で、下から上に竿を上げると、

@では、糸はタルんでる、竿先を上げ始める。

@〜A、竿先を上げると「竿先のホタルは上がり」、糸のタルみがとれていく。

A、タルみがなくなり糸が張ると、竿先にオモリが乗り始める(重さがかかる)。

A〜B、そのまま竿先を上げ続けると、「竿先は止まったまま」、竿がオモリを乗せることができる強さになるまで曲がって行く。

(柔らかい竿ほど、またオモリが大きいほど、また、動きが早いほど、この瞬間がわかりやすい、わからない場合は、動きを早くするか、オモリを大きく、してください。)

 

この、「曲がりが強くなっていくA〜Bの間、竿先のホタルは止まってる。」(見た目では、一瞬止まる程度、この一瞬のホタルの動きを見極めるのが“聞き”で、「ここが底だ!」を知る。)

 

B、竿が、オモリの重さを乗せれる曲がりになると、オモリが海底を離れる。

B〜C、そのまま竿先を上げ続けると、竿先にオモリを乗せて、「再びホタルが上がっていく。」

C、オモリが乗った(海底から離れた)ことがわかれば、竿を上げる力を抜いて竿先を止め、下げる。

 

というように、柔らかい竿先の動きがケミホタルに伝わり、ホタルを観察することで小さなオモリが乗ったことを知らせてくれる、んです。

(ホタルの振舞いは、サカナが食わえた、根掛りした、などで変わってきます、)

 

このように、“聞き”は、どこが海底かを知る、必須のテクニックなのです。

 “聞き”ができれば、オモリの乗る位置(竿先の高さ)が深いから捨石にクボミがある、とか、乗る位置が浅いから捨石が大きく張り出している、藻に掛かった、サカナが食わえた、とか見えない海の底の様子がわかるのです。

 

そして、この“聞き”は、“止めて食わせる3カウント”とセット、です。

この釣り方は、「エサを“止め”れば、エサから50cmまでのサカナは、3カウントあれば近寄り、止まって、エサを食わえる、」という仮説を基に組み立てています。

だから“止め”て3カウントしたら“聞き”して、前アタリが無ければ半径50cm以内にはいないのだから、サッサと1m(50cm×2)先に移動、です。

 

そしてもう一つの仮説、

先ほどの3カウントは、サカナが近寄り食う、ための3カウント、ですが、

もう一つの仮説、根掛りしないための3カウント、でもあるんです。

 

お菓子を床に落としても3秒以内に拾えばOK、という3秒ルール、がありますが、

この3カウントは、「オモリを底に着けても3カウントまでなら根掛りしない」、の3カウントルール、でもあります。(道糸が抵抗になり、着底してもすぐには石の間に入らない、)

 だから、ichiの竿は、「“止めて3カウント”したら、根掛りする前に“聞き”」、(オモリを浮かす)して、1m移動、と、しょっちゅう動いてる、ジッとしていない、んです。

 

なお、この3カウントは、根掛りの激しい場所では1カウントと少なくする、とか状況に合わせて変えて行きます。

 

底スレスレで止めてジッとサカナを待とうとする人がいますが、暗い中、ホタルの明りだけを頼りに、竿先を同じ高さに保つのは至難の業、気づかない間に下がって根掛りとか、または、上がって底でなくポイント外れたずっと上・・・、とか、

明るい中なら背景を頼りに止めておけるでしょうが、暗いなかでは目標にする背景がないため長い時間同じ位置に留めておくのは困難、8m先では20cm30cm動いてもわからない、だから止めるのを3カウントで見切る、んです。

また、竿先をジッと水平に止めておく、のは重労働なんです、上下に動かすのであれば、上げるときに少し力を入れればいい、だけですが、水平で止めておくのは腕の力が・・・、大変です。

 

 

2.竿先より、前方で釣る、(竿先の直下では根掛りしやすい、)

 二つ目は、

仕掛けは、遠くに振り込むほど、根掛りしにくい。

 

遠くに振り込めば、

a、道糸が水を切る抵抗が大きくなり、オモリの沈みが遅くなり、根掛りしにくくなる。いわゆる、カーブフォール、です。

遠くに振り込み、沈めると、仕掛けは糸が水を切って沈むため、大変ユックリになり、根掛りし難い、

 

b、竿先直下に落とした場合は、水を切る抵抗がほとんどなく、オモリは、根に入りやすい。(フリーフォール、)

 

c、仕掛けを足元に落とすのも、水を切る抵抗が大きい、これも、足元から竿先に向けての、カーブフォール、です。


仕掛けを操作するとき、

aまたはcの、カーブフォールの形になるように、水を切る糸が長くなるように、竿を操作していく。


仕掛けを、竿下直下に降し、糸を張らないで、オモリを自由に落下(フリーフォール)させれば、根掛りになる可能性は大、

これも、仕掛けが竿下直下になれば回収する理由です。

竿下を釣る場合は、必ず竿先をオモリの位置から右なり左なりにずらして、張って糸に水を切る抵抗がかかるように、仕掛けをさばく、です。

 

道糸は、2号以内の強さ(強くない、竿より弱い糸で、)で柔らかい視認性のいいものを、ですが、もう一つ、水に浮く、比重が軽いものがいいです。(フロロカーボンは重くて、道糸には不適、ナイロン系の浮く道糸がいい、)

水に浮く糸は当然沈まない、だから上の図のようにカーブフォールした形を維持しやすい、

このため、竿を上げたとき、オモリは真上に近い方向に引き上げられ(横でなく上に引っ張られ)、根掛りしにくい、です。

 

 

3.仕掛けの移動は、「上げて・寄せて(移動)・下して、」で、

 三つ目は、

この釣りでは誘う動き、横に引き本アタリを誘う動き、はしません。

 

“止め”て3カウントし、“聞き”し、前アタリが無ければ1m先(手前)のポイントに、竿を、「上げて・1m寄せて・下して」、サッサと移動するです。

必ず、仕掛けを「縦に上げてハリを浮かせて」、底を切ってから、サッサと移動します。


竿先前方@ABでは竿を、1m上げて浮かせ、そのまま下す、だけで勝手にカーブフォールして1m程度手前に寄ります。

竿下のCDでは、1m上げて浮かせ、竿先を1m横に振って、糸が水を切るようにカーブフォールで下す、真下には降ろしません。

 

 

この釣り方は、なるべく遠くに振り込んで、カーブフォールで30カウント、“止め”3カウントしたら、根掛りになる前に“聞き”でオモリを浮かせ、横に引かずに上に1m上げて浮かせて寄せて落として〜、を5、6回したら回収(1分程度)と、竿の上げ下げに大変忙しい釣りなんです。

そしてこの、忙しく上げ下げする動きが、仕掛けが沈み切る前に、根掛りをする前に浮かす、根掛りを防いでくれている、んです。

 

ichi、

 

(補足、)

“聞き”で、オモリが乗るのがわからない、人へ、

 

“聞き”での竿の上げ方が、ユ〜ックリではないですか?

ホタルの「動きの速さの変化をみる」のだから、ユックリ上げたのでは、一瞬止まる、は見えません。

事前に、どこでオモリが乗るかを想定して、スッと早く50cm(オモリが乗ったのがわからなければもっと)、上げて下さい。(早く上げれば、動く、止まる、動く、の速度差がはっきりします、)

 

それでも見えない、なら、オモリを重くして下さい。曲がりが強くなって、竿先が止まる時間が長くなります。(止まる瞬間が、長くなります、)

ただ、オモリが大きくなれば、根掛りしやすくなります。(小さいほど根掛りしにくい、)

それと、オモリを重くしないといけない、というのは竿が硬すぎるのかも?

 

オモリを重くすることは、根掛りを多くする、ことに直結します。特に浅場では、根掛りばかりで釣りにならない、とかになりねません。軽いオモリで“聞き”できるように、早く慣れて下さい。

 

オモリが乗った(底を切った)、がわかれば竿先を速やかに止める、上げすぎない。

竿先を上げすぎると、サカナは食わえていたエサを放す、この放すまでに竿先を止める下げる、上げすぎないことが重要です。

 

“聞き”したタイミングで前アタリを感じても、まだエサは、口の中にシッカリ入っていません、竿先を下げて糸を緩めることで、エサを吸い込むことができ、口の中にシッカリはいります。

ここで “聞き”から竿を下げずに、そのまま竿を上げ続けて合わせれば、獲れる確率は3割以下、

“聞き”から、一旦水面まで竿先を下げて糸を緩め、呑み込みカウントして合わせれば、7割以上の確率で獲れます。(竿先を水面まで下げて糸を緩めて下さい、糸を十分緩めないとサカナはエサを吸い込めません。)

 

“聞き”して、その結果から、1m移動するか、合わせに入るか決めて、合わせるのであれば、下げて呑みこみ3カウント、スーッと竿を立てて、外れていてもそのまま回収、です。

したら、一旦竿先を下げてから次の動作(移動、または合わせ)、に入るクセをつけて下さい。

 

そして、柔らかい竿なら、前アタリがわかって(糸が張って)から30cm上げても、サカナは放しませんが、硬い竿では10cm上げただけでも放します。

硬い竿では、より慎重に“聞き”する必要があります。

 

練習は、まずは大きなオモリで、オモリが乗った瞬間を体感し、乗る瞬間のイメージを膨らませ、小さなオモリがわかるようにチャレンジして下さい。

そして、オモリが乗ったら力を抜き、20cmくらい上まででは竿先が止まり、下げる、ように練習して下さい、

まず、どれくらい竿をあげたところでオモリが底を離れるか、のホタルの位置・高さを覚えて、力を抜くタイミング、を練習して下さい。

慣れれば、オモリが乗った瞬間に反射的に力を抜く、ことができるようになります。

 

また“聞き”したとき、ハリが何もついていない、とはっきりわかる以外の、「なんかへんだな、は全て前アタリ」として、竿先を水面まで下げて呑み込みカウント後、合わせて下さい。

初めは違うのが多くても、そのうち、前アタリ(サカナ)の確率があがります。

 

 

釣れないのは、サカナがいないとこにエサを置いているんです。

駆け上がり50cm以内にはサカナがいるんです。

シッカリ“聞き”ができるようになって、駆け上がり50cm以内、を攻めることができるようになって下さい。

 

以上でした。