みずたまり 雨の日が続きます.
春が過ぎる気配もそこそこに,今年は,どんよりした曇りの日や雨の日が多かったようです.

何時から梅雨になったのでしょう?
「気候が前倒しになっているようです.」
と,テレビで天気予報士が言っていました.

けれど,雨の日は,結構好きです.なんだか,お休みの日の気分があります.
「ちよっと雨だから,あれこれできないね・・・」
と言った具合です.

雨で思い出すのは,雨が降った後に出来る水たまりです.
今は,道が舗装されているので,あまり水たまりはできませんが,前は,雨があがると,あちこちに,大きな水たまりができました.
そして,その水たまりの中には,白い雲と,すばらしく美しい青空がありました.その青空は,深くて遠く,見れば,木々もあって,長靴の,足を入れるのが,ちょっと怖かったものです.
足を入れたとたん,別の世界へ落ちていってしまう気がしたのです。
そこで,わざとばしゃっと乱暴に足を入れて水たまりを,わたったものです。
水たまりの世界は,たちまち水紋にぐちゃぐちゃに崩れて,それが,映っただけの幻だということを露呈して,みょうな安心感と,全能感を感じたりしていました。

アンデルセンの童話に,「パンをふんだ娘」というおはなしがあります.

むかしむかし,インゲルといういじわるな娘がいました.
お母さんの焼いたパンをもって,おしゃれしてお使いにいく途中,水たまりにであいました.
インゲルは,きれいな靴を,水たまりでよごすのがいやでした.
そこで,パンを水たまりにおいて,わたることにしました.
すると,パンの上に足をのせたとたん,インゲルはパンといっしょにずぶずぶと水の底に沈んでいってしまうのです.
水の底は真っ暗な沼で恐いゲジゲジのような虫や,ヘビや,ミミズのお化け見たいのや,へんな魚がいるのですが,インゲルは,身動きができません。
その場面が細かくさしえでかかれていて,とても怖かったのを覚えています.
水たまりは,妙な,イマジネーションをかき立てるものだと思います.

今月(7月),小学生のみんなで,絵本をつくってみます.
自分の経験した事,読んだおはなし,ある時感じた事,これらを材料に,料理して,お話をつくりだしてみましょう.
あまり大げさに考えずに,ちょっとした短いお話で良いと思います.
イマジネーションをはたらかせる練習です.
どんなアイデアがでるか,とても楽しみです.

これで梅雨がおわると,暑い夏,夏休みがやってきますね.
夏の夕立の後,水たまりがあったらちょっとのぞいてみてくださいね.
どんな世界が見えるでしょう.

2006.6.30 みすず絵画教室主宰  藤森陽子