絵の好きなあなたへ――「ハウルの動く城」

 2004年11月21日、「ハウルの動く城」を見に行ってきました.

 宮崎アニメは大好きで今回も期待でわくわくしながらスクリーンの前に座りました.
 始まってすぐに,目の前に広がった街や野山の風景描写の緻密で美しいことに大感激.動く城のユーモラスで,ユニークで,メチャクチャで男の子の工作を寄せ集めたようで,とっても楽しくすっかり大好きになりました.

 ヨーロッパと思われる街並みの風景も,夢にあふれたファンタジックな色合いの中に,深みや実在感もあって,絵の好きな人ならきっと惹かれてしまうのではないかと思うのです.

 お話のほうはいささか不自然なところがあったけれども,16歳から突然90歳のおばあちゃんになってしまう主人公の心に共感.涙が出ちゃいました.

 「みすず」の講師の私も16歳の頃から心は少しも変わっていないのに,気が付くと体だけが年をとって、ある日,愕然とすることがあります.そのときはまるで悪い魔法使いの魔法にかかってしまったような気がするのです.

「おかしい,こんなことがあっていいはずがない・・・」

 そして絵についてですが,ピカソやマティス,ゴッホ,ダ・ヴィンチもいいけれど,理屈や理論に裏付けられたそういう芸術も,確かに大切です.

 でも,

見てみてひたすらよく描けている絵
びっくりするほど美しいものを素直に美しく描くこと
自分の夢やあこがれや思いついたものを緻密に表現すること
 そんな基本的な絵を描く「楽しさ」や「こころ」を「ハウルの動く城」は思い出させてくれました.

2004.11.28 みすず絵画教室主宰  藤森陽子