・・・そうだ、この壁のように・・・

電脳法師の「壁」

 そういえば電脳法師は,昔,社内報の刷新に関して原稿を求められ,「壁」について書いたことがあった.最近いろんな「壁」が流行(はや)っているが,ここでは電脳法師の「壁」とはなんだったのかな,と思い出しながら再録してみよう(これは実際の原稿の一部です).

「壁」

 あなたは壁である。壁が仕事をし、給料をもっらているのである。

 よく社内では組織の壁があって、仕事がうまく行かない、効率が悪い等の意見を多く聞く。はたしてそうであろうか。組織は人間が集まってできており、組織そのものに壁などないのである。「組織」に対する不当な偏見である。大体壁など見えないではないか。

 あなたが壁なのである。

 厄介なことに,ベルリンの壁のように見える壁ではない。見える壁なら、それを壊すことは簡単である。ハンマーを用意すればよいことである。あなた自身が壁なのだから、それは見えないのである。壁はおのれ自身を壁とは認識できない。あなたの壁により、色々な偏見、差別、無視、無配慮等が存在する。それが組織の壁となって他には見えるのである。従い「組織」の壁を破壊するには、まず,あなたの壁を破壊する必要がある。

 パンドラの箱の中に「希望」が残った,と言われるがその箱の壁が問題なのだ。壁が邪魔をして「希望」が外にでられなくなっている。見えない壁は定義も難しいし、意識するのも容易ではない。しかし、その壁に少しずつ、穴を開けることはできる。穴が開けば光が入り,壁に覆われたあなたにも光が届く。どのようにして穴を開けるかあなたと考え議論しようではありませんか。

 Zing-Up"Zing"とは,熱意などの意味もある。この「熱」で壁を溶かすべきなのです。この熱とは,あなたのささいなパワーでよいのだ。少し他に関心を持つ,なにかの関連を持つ,自分があいての立場だったらとほんの少し考える,面倒くさがらない,まずはそのくらいでよいのだ。そうすれば,他となにか摩擦,ストレスが起こるだろう。そうすれば,そこに「物理的」に「熱」が発生する。この熱で壁を溶かすようにすればよい。このときに,お互いの壁が解けることに注意しよう。

 ところで,いま社内では,色々な新規ビジネスが展開されているが,あなたはどれほどの関心を持ってみているだろうか。これらは,あなたの関心にによって展開されるのである。分からないからどうでもよい,そんなことはできるわけがない,こんなにも問題があると最初から先の心配をする,こんなことでは摩擦熱も生まれないし,壁も溶かせないのだ。もっとおおいに関心をもって,みんなで干渉しようではないか。

 われわれZing-Upもおおいにあなたに,関心を持ち,突っかかり,時には批判しあなたとの間に摩擦熱を発生させようと考えています。あなたのわずかな勇気で壁は解け始めるのです。

 もっとも,電脳法師はこの原稿が採用されたかどうかは忘れてしまいました.

2004.10.30 電脳法師

・・・そして、この壁のように・・・