忽(こつ) 蓮の花は盛夏の未明から開花し,昼にはもう物憂げに花を閉じ,そして三日目の昼頃にはもう散り始める. 忽(たちまち)にして蓮の花は散るが,その種子はこの年のこの夏に確かに咲いたという確かな記憶を留めて,また来年の開花を夢見る. 植物は動物のようにうろつき回らないが,長大な時間の意識の中で夢を見ているのだ. ・・・そして、この蓮の花のように・・・