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49 インフルエンザ脳症と診断された患児から分離されたAH3型インフルエンザウイルス、
および患児の治療について−大阪(平成16年3月5日発行)

 国立感染症研究所ホームページ「感染症発生動向調査(週報)」の「2004年第8週」より抜粋

 患児は1歳7カ月の男児であり、2004(平成16)年1月22日に40℃の発熱があり、近医を受診した。

 翌日より痙攣を伴い、意識レベルも低下した。

 インフルエンザ迅速診断キットでA型抗原陽性反応を示し、インフルエンザ脳症が疑われ転院した。

 急激な臨床症状などからインフルエンザ脳症と考え、直ちに治療を開始したが、1月25日に永眠した。

 本年度インフルエンザワクチン接種は受けていなかった。

 1月23〜24日にかけて採取された鼻汁、髄液、血液について、MDCK細胞にてウイルス分離を行った。

 鼻汁では顕著なCPEを示したが、髄液および血液は示さなかった。

 鼻汁からの培養液について、国立感染症研究所から分与された2003/04シーズン用インフルエンザウイルス同定キットでのHI試験(0.75%モルモット赤血球使用)を行った。

 その結果、抗A/Moscow/13/98(H1N1)血清、抗A/New Caledonia/20/99(H1N1)血清、抗/B/Shandong(山東)/07/97血清、および抗B/Johannesburg/05/99血清(ホモ価はそれぞれ1,280、320、40、640)に対しては、いずれもHI価<10であったが、抗A/Panama/2007/99(H3N2)血清、および抗A/Kumamoto(熊本)/102/2002(H3N2)血清(ホモ価いずれも2,560)に対しては、それぞれHI価320および1,280を示した。

 この結果から、今回患児から分離されたインフルエンザウイルスはAH3型であると同定された。

 なお、髄液および血液のRT- PCR法での検査は陰性であった。

 当院入院時、意識状態は昏睡で血圧測定困難であった。

 検査ではAST211IU/l、LDH1,594IU/l、CK388IU/l、クレアチニン0.3mg/dl、血小板数正常、頭部CT では脳浮腫はないと判断された。

 治療は、オセルタミビルの投与、脳圧モニター、低体温療法、ペントバルビタール投与、インフルエンザ脳炎・脳症研究会(代表 森島恒雄・岡山大学教授)治療プロトコール(γグロブリン・ステロイドパルス・AT- III・シクロスポリン)に従って開始した。

 また、ノルアドレナリン0.4〜0.5γ持続投与にて、収縮期血圧は80mmHg前後を維持し、尿量も1ml/kg/h以上を維持していた。

 脳温は入院時40.5℃であったが、脳圧は治療開始前17mmHg、以降10mmHgを超えなかった。

 翌日、心室細動が出現し、低体温中止、ノルアドレナリン減量、リドカイン投与にて一時的に軽快したものの反復し、除細動に反応せず、永眠した。

 本症例は、痙攣、意識障害で発症したインフルエンザ脳症であるが、本症の死亡例にみられる強い脳浮腫・脳圧亢進は認められず、不整脈が直接的な死因と考えられた。

 ただし、サイトカインの代理マーカーと考えられる血清ネオプテリン値は517.4nmol/lと極めて高く、予後不良と判定される濃度であった。

 インフルエンザ脳症で早期に死亡する症例には、このような例が含まれている可能性が考えられる。

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51 小児と青年におけるインフルエンザ関連重篤疾患、 2003年−米国・ミシガン州

・国立感染症研究所ホームページ「IASR」中、15年11月号より抜粋

2003年1月以降、 ミシガン州保健局が実施しているインフルエンザ関連重篤疾患サーベイランスでは、 小児と21歳未満青年でインフルエンザ合併症に対する危険度が低い者を対象として、 インフルエンザ関連重篤疾患の報告を求めているが、 これは入院を要する非呼吸器系合併症(心筋炎、 脳炎ほか)、 あるいは集中治療室での治療を必要とするすべての合併症である。インフルエンザ感染はウイルス分離、 迅速抗原検査、 免疫蛍光法あるいは免疫組織化学法によって確認することとしている。

このサーベイランスにより、 1月17日〜2月21日の間に発症した4死亡例と10重症例のインフルエンザ関連重篤疾患を確認した。これら14症例のうち8例(57%)は脳症で、 うち2例(5歳女、 2歳男)は死亡し、 1例は心筋炎を示していた。

死亡した4例全例がA型インフルエンザウイルスに感染しており、 インフルエンザワクチン未接種であった。重症の10例においてはインフルエンザA型が9例、 インフルエンザB型が1例であった。これら10症例のインフルエンザワクチン接種歴は不明である。

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