事務局だより9月号 

 今月号の目次
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 障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)及び手話言語条例(仮称)に関する大綱に係る説明会の報告

 視覚障害者情報交流会開催のお知らせ

 訪問型情報機器講習開始のお知らせ

 国勢調査で拡大文字・点字による調査票が使用できます

 多機能音声体重計のご案内

 ご協力ありがとうございます
 
 寄稿「見えなくなって!干支一周年」


障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)及び手話言語条例(仮称)に関する大綱に係る説明会の報告

                                                                                理事 及川 篤生
 
 8月1日に宮城県庁で、障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)、(ここでは「差別禁止条例」と書くことにします)の大綱の説明会があり、穂積理事と一緒に参加してきました。大綱という言葉自体が良くわからなかったんですが、県議会に提出する前の段階の素案のようなものでした。同時に、手話言語条例の大綱に関しても説明がありました。
 
 宮城県側からのそれぞれの素案に関する説明があり、その後当事者の団体からの質問や意見が述べられました。僕としては、差別禁止条例には、当事者の役割として、障害理解のための活動が規定されていないのに対して、手話言語条例では規定されていることに関しての矛盾点などを指摘しました。
 手話言語条例に関しては、当事者からの強い要望があって条例に盛り込んだこと、差別禁止条例では、障害者といっても多様性は様々で、それぞれの当事者の状況も異なるということから、当事者の責務としては入れなかったという説明を受けました。
 
 次に、LGBTなどの性的マイノリティの人たちに関する差別に関して、今回の条例では対象になるのかということを尋ねました。県側の答えとしては、当事者に含まれないということで、別の条例などで規定するようです。他の自治体では、すでに性的マイノリティの人たちに関する条例などが制定されている場合が多く、宮城県は出遅れているということを感じました。
 他の障害当事者団体からの参加もあり、初めて聞く障害などもあり、非常に参考になりました。

 後半は、条例への意見というより、当事者からの県への要望などを伝える形になりました。自分の障害の現状と与えられた障害者手帳の等級の乖離などが話されました。ほかにも、障害理解の行政の活動に、もっと障害当事者を活用してほしいといった意見も出ました。差別禁止条例は、あくまで障害者全体に関わるものであり、それぞれの障害別に現実的に即したものとはなりません。そこで県としては、障害別のガイドラインを策定する予定です。ガイドラインがあれば、差別禁止条例も、それぞれの現場で有効に活用される法令となると思います。
 今後、そういった点に関して、県とやり取りをしながら進めていきたいと考えています。


                                                                                       
視覚障害者情報交流会開催のお知らせ

 視覚障害者情報センター主催による交流会を開催します。申込は不要ですのでお気軽にご参加ください。

・対象者:視覚に障害のある方(障害者手帳の有無は問いません)、ご家族、その他(視覚障害支援に関心のある方等)

・柴田町 9月12日(土) 13時~16時 船岡駅コミュニティプラザ
・岩沼市 9月24日(木) 13時~16時 いわぬま市民交流プラザ 多目的室1・2


訪問型情報機器講習開始のお知らせ

 当協会では宮城県視覚障害者情報センターに来館して、情報機器講習サービスを受けられない利用者の方を対象に、訪問による機器講習を、令和2年10月1日から令和3年2月28日まで実施することになりました。訪問日は原則として火曜日と木曜日としますが都合によっては土曜日・日曜日が可能な場合もありますのでご相談ください。
 なお、講習時間は1回当たり90分~120分とさせて頂きます。

※対象となる情報機器・講習内容
・音声パソコンの場合                     文字入力・メールの送受信・ネット閲覧等
・携帯電話・スマートフォン(iPhone・iPad)の場合    基本操作・メールの送受信等
・デイジー再生機(プレクストーク)の場合          基本操作・設定等

 なお、社会通念上適当でない内容の物・機器の不良・故障を招く恐れがあるものについてのサービスは提供できませんので、予めご了承ください。

・費用:無料

 ご希望の方・ご興味のある方は、9月14日(月)から受付いたしますので、当協会事務局までお申込ください。

  電 話:022-257-2022
  メール:miya-shikyo@orange.plala.or.jp


国勢調査で拡大文字・点字による調査票が使用できます

 国勢調査は、統計法という法律に基づき、5年に1度行われるもので、国籍や年齢に関係なく、日本に住んでいる全ての人に、「回答義務」があります。今年はその調査年に当たり、以下の通り行われますが、高齢者や視覚障害者のために拡大文字・点字による調査票もありますので、必要な方は調査員が訪問した際にお申し出ください。

※国勢調査の概要
①調査期日:令和2年10月1日現在で実施します。
②調査対象:令和2年10月1日現在、日本国内に居住する全ての人(外国人含む)及び世帯を対象とします。
③調査事項
・世帯員について⇒氏名・男女の別・出生の年月・配偶者の有無・就業状況・従業地又は通学地等15項目
・世帯について⇒世帯員の数・世帯の種類・住居の種類・住宅の建て方の4項目
④回答期間:回答はインターネットまたは紙の調査票を選べます。
・インターネットの場合⇒令和2年9月14日(月)から10月7日(水)までにオンラインで入力・送信します。
・調査票(紙)の場合⇒令和2年9月14日(月)から30日(水)までに調査員が調査票を配布しますので、10月1日(木)から10月7日(水)までの間に記入し提出します。
 なお、調査票は10月1日現在の情報を基に回答します。
⑤問合せ:宮城県統計課 
       電 話 022-226-8977
       メール toukeik@pref.miyagi.lg.jp


多機能音声体重計のご案内

 日視連用具購買所では、タニタ製多機能音声体重計「インナースキャンボイス BC202」を取り扱っております。

・測定結果や設定操作を音声で案内します。
・体重を含む以下の9種類の体組成を測定します。
 体重、BMI、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、 内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、体水分率
 最大4人分まで個人データを記録し、乗るだけで自動的に測定します。(設定をしなくても体重は測定可能です。)
・音量調整可能。イヤホンジャックあり。

※注意
本商品は、測定時に微弱な電流を体内に流すため、ペースメーカー等の体内機器をお使いの方は絶対に使用しないでください。
・価格:15,300円(税込)
・大きさ:奥行23.4×横幅35.2×厚さ3.7cm
・重さ:1.6kg(電池含む)
・電源:単三乾電池4本(付属)
・取扱説明書:音楽CD
お問い合わせ先:日本視覚障害者団体連合 用具購買所 
電 話 03-3200-6422 ・ FAX 03-3200-6428
メール  ご注文 yogu-c@jfb.jp ・ お問い合わせ yogu-toi@jfb.jp

※用具購買所では、補装具費支給制度、及び日常生活用具給付制度をご利用になる際の見積書の作成を承っております。
  各制度の詳細については、お住いの自治体の福祉課にお問い合わせください。 


ご協力ありがとうございます

― 「書き損じ及び未使用ハガキ回収事業」報告 ―
(令和2年7月21日~令和2年8月20日受付分)

◆小学校 (1校)
(仙台市) 幸町 

◆支援学校 (1校)
(気仙沼市) 気仙沼


寄稿「見えなくなって干支一周年」 

                                                                                 理事 及川 篤生
 
 会員の皆さん、こんにちは。協会理事の及川篤生です。
 先月は、3・11の震災が起きた時まで書きました。 この年は、沿岸部の透析患者の人が、仙台市内で透析をするようになったり、ライフラインが回復しなくて、しばらくの間、透析の時間が半分になったりして、すごく体調を崩しました。どうにか大学の単位を取りながら、耐えて過ごした1年でした。
 
 2012年は、どうにか透析にも慣れ、一人で自由に移動したいと思って、所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターで過ごしました。主に歩行訓練を中心に、日常の生活のための訓練を約1年間受けました。訓練以外にも、1日2万歩以上歩くようにして、10キロ以上体重を落としたんですが、今では、しっかりリバウンドしています。ここで一緒だったメンバーとは退所後も交流があって、一緒に温泉なんかに行ったりしています。 

 2013年は、仙台に帰ってきて、盲導犬協会にお願いして、仙台市内の歩行訓練などを行いました。所沢で基本的なスキルは身に着けても、地元に帰ってすぐには歩けなかったですね。それ以外の時間は、大学の卒業論文が中心でした。障害者と優生学に関する論文を書きました。週に1回、2時間のマンツーマン指導をしていただいたので、毎回、相当の準備をして臨みました。
 
 2014年は、論文が審査を通り、9月に大学を卒業できました。秋からは、大学院の履修可能な授業を受けるようにしました。また、情報センターのすいてん会に参加させていただくようにしました。目が見えなくなって以降、障害とは関わりのない仲間たちと行動していたので、当事者同士の集まりに参加したのは、すごく新鮮さを感じました。この時期のことを考えてみると、歩行訓練はすごく大変でしたが、自分一人で歩けるということは、僕にとって、非常に大きな可能性を与えてくれたのだと思っています。


  
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