これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの「繁昌記」2016年の1月の巻。
既に、老年70を越え、激変する世界、「一体世の中はどうなってしまうのか」とおろおろするばかり。最近、今日の世界を俯瞰するような「21世紀の資本」といタイトルの本が翻訳されみすず書房より出版になったと聞き及びます。草堂に時を過ごす中、一度目を通して、一条の光を得たいと思うこの頃です。
さて、「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。

最近読んだ気になる文章
「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場所に等しく訪れるわけではない」リンダ・グラットン著 「ワークシフト」より


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2016年1月31日(日)晴、暖
今朝より風無く暖。この冬は、晴れると風の無い日が続くようである。例えば、昨年の11月は例年であれば、お天気の良い日が続いて乾いた風が吹き、それが、薪を乾かすのであるが、曇り空と雨の日が多かった。異常気象と言われて久しいが、今まで覚えて来たモノでは通用しない時代になったようで、意味しんである。今日は穏やかな日和となり、人、三々五々来。店を上がってから、夕焼けの空が見える織姫山に登る。晩餐は牡蠣フライとなった。独酌。冷えた白ワインがマッチ、上等な一時を過ごせるようになった。
2016年1月30日(土)曇、寒
昨夜深更より雪となる。飛駒は積雪があり、諸般の事情で営業を休む。昼前、耳鼻咽喉科に出掛け、聞きづらくなった耳をみてもらう。来週チューブを入れる手術をすることにした。帰宅後、終日休息。
2016年1月29日(金)雨後雪
午前中休息。午後より大塚に出掛け、親しくしている陶芸家夫妻と、江戸料理の「なべや」にて晩餐をなす。美味・・・、まことに美味・・・。帰宅すると雪模様なり。
2016年1月28日(木)晴、暖
終日休息。夕方甘利大臣が辞任するという報有。他特に記す事無。
2016年1月27日(水)晴、暖
飛駒、10時半の室温15度。風無く暖。昼に到り、都内より人来。店をあがり帰宅後、織姫山散歩。山頂にて、夕焼け空を望。山頂には風が無い。夕飯は、フレッセィにて塩鱈とお豆腐を買って、湯豆腐をする。ヨーコさんが台所でやっていた様子を思い出し、ネギを刻んで、昆布をいれ、頃会いを見計らい、鍋を卓上コンロに移し冷えた白ワインで味わう。季節感があり極めて美味。
2016年1月26日(火)晴、暖
宇都宮より、リラクの編集氏来。アンコウ鍋を供し、暫し歓談。宇都宮駅周辺は外国観光客も増えているという。今日は、愛妻の誕生日だ。2005年にフォトグラファに撮ってもらった写真をソファーのところに持ち出して来て、お話をする。夜、8時半の外気温は3度。愛妻と忙しく店をやっていて、片付けが遅くなって、今頃外に出ると今夜のような星空を二人でみた事を思い出した次第。
2016年1月25日(月)晴、寒
飛駒、10時半の外気温は4.5度。室温12度。終日暖炉を燃やす。何もしないのではもったいないので、室内の清掃をする。6時の外気温は0度。帰路、足利市内にはいっても2度。少し街を歩いたら、頭が非常に冷たい。やはり、頭に毛が無いのはこう云う時に不便だ。寒いので、織姫山散歩は中止。
2016年1月24日(日)晴後曇、寒
9時、飛駒の外気温は2度。天気予報では山沿いに雪とあったが、降らない。終日暖炉を燃やす。三々五々人来。北米ワシントン周辺に大雪の報有。帰宅後、牡蠣フライを拵えて飯。
2016年1月23日(土)晴後曇
5時半起床。TVのニュースで米国のワシントンでは来るべき大雪と嵐にそなへ外出を控える市民の様子を報じている。日本も先日来、この冬一番の寒波が襲来すると報じ、無用な外出は控えるような天気予報が連日報じられている。
2016年1月22日(金)晴、寒
絵を描く同級生に誘われて、佐野文化会館で水彩画の鑑賞に出掛ける。絵は、着想、構図、色彩等を手を頼りに、技量を高め創作活動をするものだ。文章は、着想と言葉を頭脳内で処理するだけであるから比較的安易にトライアルできるが、絵はなかなかそうはいかない。創作活動の難しさをつくづくと思う次第。
2016年1月21日(木)晴後曇、寒風有
今日はお休みだからゆっくり起きて、茶の間で大半を過ごす。午後、出汁がなくなってしまったので、海草と鰹節で拵えた。この頃は、自分の食べるモノはなんでも材料を用意して、自分で拵えるようになった。これは、老妻が始めた事で、外で食べるモノは自分の口に合わないと言い、色々なモノを拵えていた。その様子を思い出しながら実行するのであるが、なかなか思うようにはいかない。人差し指のイボが取れたので、皮膚科に報告に出掛ける。先生はルーペで検診して、「まだ、根が残っているので治療を続けましょう」と言い、窒素で焼いてもらう。少し痛いが我慢をする。この「イボ」というのは、皮膚の表面に付着して、その人の血管に通じて成長する性質のものだと説明をうける。まったく、ふとどきなモノだ。夕方、時間があるので、織姫山に出掛けようと思い立ったが、どこからか「カッチャン、何もこんな寒い日に出掛ける事はないがねぇ〜」という声が聞こえて来たような気がして、外に出てみると寒風が舞い降りてくるような様子であったので、散歩は中止。山清に鮟鱇を買いに出掛ける。この寒さを乗り切るのは、アンコウ鍋に限る。愛妻はこの頃になると、トマトソースを拵えて、そのソースで鮟鱇を煮込むのである。これはブイヤベースのようで、非常に美味しい。冷えた白ワインにぴったりなのだ。また、牡蠣のフライなども美味しい。ヨーコさんは、「今日は牡蠣の美味しそうなのがあったから買ってきたよ」といって、牡蠣フライも拵えてくれた。というところで、何の気なしに、久しぶりに体重計に乗ったら1キロばかり増えていた。しかし、この寒さを乗り切るのは美味しいモノを食べて体力を補強するほかはないと考える次第。
2016年1月20日(水)雪
飛駒は終日雪模様。暖炉を頻りに燃やす。店が終わり足利に戻ると、様子はまったく違う。驚くばかり!帰宅後織姫山散歩。株価下落頻りに報有。原油安が原因と云う也。他特に記す事無。
2016年1月19日(火)晴、寒
このところ、冷え込みが続く。一方、水仙や梅は咲いてしまった。この寒さをどう乗り切るのであろうか。人ごとながら心配である。店の清掃をひとしきりする。他、特に記す事無。
2016年1月18日(月)雨後曇
昨夜深更より霙降る。店の営業は雪もようにて休み。昼、栃木に出掛けようと足利駅に出向いたが、列車は運休。車で知り合いのところに出掛ける。足利、佐野には雪の跡はみあたらない。友人宅にて暫し歓談。音楽談義も楽しい。久しぶりに、ゴダンのストーブをみた。帰路、ラジオにて最近生じている株価暴落を知る。2008年のリーマンショックを思い出す次第。平日の予約も入り始める。有難き哉!
2016年1月17日(日)晴後曇、寒
このところ、寒いと言っても風は吹かない。この一月は、織姫山散歩の折、空気も済み渡り、南アルプス、富士山も透明感のある空気の中で良く見えるが、去年までであれば、そのような日は、寒風が吹いて、それを押して、眺望を楽しみに出掛けるのであるが、今年はなんとなく織姫山に登れば、済み渡った風の無い中にそれが見えるのであるから不思議なのである。こんなことは、どうでもいい事であるが、備忘の為に記す。飛駒は8時半の外気温は−2度、室温は12.5度であった。昼の室温28度。三々五々人来。暖炉の前にソファーを移動したので、お客さんが、そこに留まり、十分に寛いでいる。まさに、この様な空間を楽しんでもらうためにこの店が存在する意義があると、この頃、思う次第也。
2016年1月16日(土)晴
8時の室温は9度、外気温−3度。昼の室温28度。三々五々人来。皆、時間が止まってしまったような空間を楽しんでゆく。
2016年1月15日(金)晴後曇
今朝は10時起床。茶の間に入ると陽射し届き、いつになく暖か。炬燵に入り、録画の映画を観る。こうしていると、障子があいて、ヨーコさんが「あら!カッチャン!今日は、ゆっくりテレビが観られて良かったねぇと声が聞こえてくるような気分になった。
2016年1月14日(木)晴
飛駒にて営業の準備。午後は休息。他、特に記す事無。
2016年1月13日(水)晴、寒
飛駒、12時の外気温は9.5度。来客無。帰宅後、織姫山散歩。他、特に記す事無。
2016年1月12日(火)曇、寒
今日はお休みをして、「ヒトラー暗殺の13分間の誤算」を観る為に高崎へ出掛ける。夕飯は「揚子江」にて飯。なかなか見ごたえのある映画で、日本の慰安婦問題の扱い方にも考えが及ぶ一時であった。
2016年1月11日(月)晴
今日は愛妻の命日、あれから一年が経過した・・・。お客様より献花有。ヨーコさんも喜んでいる。老輩の生活技術もだいぶ身についてきた。今夕なども、出汁をとったものがあるので、大根と鶏肉を柔らかく煮て御雑煮を拵えた。
2016年1月10日(日)晴、暖
飛駒、9時の外気温は3度。室温13度。今日は、昭和18年生、16年生来。嬉しくなって、暫し歓談。グルメ談義も出る。互いに、好い時代に現役時代を過ごしたと謂うことで意見が一致する。今度、東京方面に出掛ける事があったら、互いに連絡を取り合い歓談をしようと言う事で話がまとまる次第。今日は、昼に到り、陽気は春の如し。愛犬家は外のテーブルで、日だまりを味わいカフェブロッサムな雰囲気を堪能している。
2016年1月9日(土)晴
飛駒、9時半の外気温は3度。風は無く日だまりは温いほどになった。三々五々人来。他、特に記す事無。
2016年1月8日(金)晴、寒
午前中、暮れに行きそこなってしまった、耳鼻咽喉科訪。両方の耳を検査して貰って、「少しもれがはじまっている」との先生の診断である。暫く様子をみるとのことで、薬をもらう。声を聴くのが不明朗なようになれば、今度はチューブだと助言を得る。帰宅後終日休息。夜、アンコウ鍋で体を温める。
2016年1月7日(木)晴、寒
午前中より、友達に迎えに来てもらい、3人で高崎に向かう。群馬県に入ると、目の前に、個性的な山々がなす雄大なパノマラが展開して高崎まで飽きる事がない。「FOUJITA」を観て午後帰宅。今日は少し風邪気味なので、織姫山散歩は中止。昨日出汁をとってあったものを使って、雑煮を拵えて飯。体が温まったところで、早寝をする也。
2016年1月6日(水)曇、涼
終日曇。飛駒、10時の外気温は6度。室温15度。暖炉に火を入れ営業準備に入るが、来客無。例の如く、庭の整理を始める。3時の外気温は8.5度。帰宅後織姫山散歩。連休の予約が入り始める。有難き哉。
2016年1月5日(火)晴後曇、暖
昨日同様暖。お客さんを迎える用意をしていたが、昼に到るも来客来らず・・・。気持ちを切り替えて、店内の掃除をする。帰宅後、織姫山散歩。夜、粗食飯。
2016年1月4日(月)晴、風無暖
飛駒、9時の外気温は4度、昼、14度、日だまりは春の如し。岡村たか子さんのファンの人達来。ローストビーフを供する。帰宅後、織姫山散歩。夕、粗食飯。
2016年1月3日(日)晴、風無暖
飛駒、9時の外気温は0.5度。3時半の外気温は14.5度。風は無く、愛犬家のお客さんなどは、外の日だまりで上着を脱いでローストビーフを楽しんでいる。バイクの8人のグループも来。外では孫がアルバイトでチェンソーを使って薪を拵えている。お金がかかるが孫が顔を出してくれて有難い限り。今年は、たか望みはしないから、穏やかに過ごせて、孫達の元気な姿が見られればそれで十分と願うばかり・・・・。今の季節、老妻が好きであった、ほしがきと殻付き南京豆を供える。
2016年1月2日(土)晴、暖
朝、8時半の飛駒の外気温は−1度であり、室温は10度であった。今日より今年初めての営業である。桐生方面寄り昭和21年生来。小田原の知り合いに「此処は美味しいから行くべし」と教えられたと謂う。藤岡より1977年生の青年達グループで来。1977年は中国の改革開放経済が始まった時だ。76年の秋に毛沢東が死亡、中央を牛耳っていた江青等3人組が新体制側に逮捕され、中国の現政権まで続く新しい時代が到来したのだ。その劇的な時代転換の真っただ中に立ち会えたのだから面白かった。80年代に入り、レーガン政権、英国では、労働党が弱って来て、マーガレット・サッチャーを首相にいただくグレートブリテンが出現したのだ。夢中で突っ走って来たが、今振り返ると、スター級の大物政治家がそろっていて面白い時代であった。今日は静かで穏やかな暖かい日となった。去年の今頃は、先行きが皆目見当がつかず、寒風が吹きすさぶ冬であった。夕方帰宅。運動の為に織姫山散歩、落日を逃してしまった。山頂、風無く暖。
2016年1月1日(金)晴、暖
7時頃目覚め、東の窓より初日を拝む。孫の家にて、おせち料理とお雑煮を飯。中三の孫と織姫山散歩に出掛ける。神社は賑わっている。南に富士山秩父連山南アルプスまで望することが出来る。風は無く静かな御正月だ。階段を下り、足利市内に入り、鑁阿寺に向かう。すでに参道には人がにぎわっている。行列にならび詣でる。御神籤は大吉!。家に帰り暫く午睡、夕方、再び織姫山散歩。山頂にてネパールより来た青年達一行に遭遇。「ナマステー」と挨拶する。神社境内に暫く留っていると階段を上り次々と人が登ってくる。賑わう事祭りの如しだ。西に落日があり南に富士山のシルエットが浮かんでいる。好い正月の風景を味わった心持ちしきりであった。明日は営業なので早寝をする。

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