これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの「繁昌記」2015年の10月の巻。
既に、老年70を越え、激変する世界、「一体世の中はどうなってしまうのか」とおろおろするばかり。最近、今日の世界を俯瞰するような「21世紀の資本」といタイトルの本が翻訳されみすず書房より出版になったと聞き及びます。草堂に時を過ごす中、一度目を通して、一条の光を得たいと思うこの頃です。
さて、「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。

最近読んだ気になる文章
「未来はすでに訪れている。ただし、あらゆる場所に等しく訪れるわけではない」リンダ・グラットン著 「ワークシフト」より


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次


2015年10月31日(土)曇
終日曇。昼から午後に到り、三々五々人来。今日は、孫が朝から来てくれて、頻りに薪割りをて手伝う。有難い限りだ!
2015年10月30日(金)薄曇
朝より飛駒に出掛け薪を拵える。薪割りをして汗もかく。今日も啄木鳥が仕事をしている。その音と、鳥の鳴き声だけが聞えるばかりで長閑な日だ。昼、粗食飯。午後、暫くして帰宅。織姫山散歩。4時40分落日に遭遇、暫く望。他、特に記す事無。
2015年10月29日(木)曇後晴
昼前より飛駒に出掛け、薪作りをする。夕方、織姫山散歩。この頃、旭化成の「データ流用」報道続く。他、特に記す事無。
2015年10月28日(水)晴、暖
朝より飛駒に出掛け薪を拵える。日和は将にインディアン・サマー。昼、粗食飯。午後、再び薪作り。夕方空は雲に覆われる・・・・。織姫山散歩。
2015年10月27日(火)晴
朝より穏やかな日和となり、先日観た「のぼうの城」に出ていた、行田に「忍城」を見学に出掛け、帰路、大利根堤にて落日に遭遇。風情ある風景に暫しみとれ周辺を散策する。他、特に記す事無。
2015年10月26日(月)晴
昨夜は群ようこの「作家ソノミの甘くない生活」を読み始めたら、読書深更に及びて、今朝は朝寝をしてしまった。朝食と昼食を兼ねた粗食を飯後、飛駒に出掛ける。途中、木々の葉は色付きはじめ、秋影深まる事頻りである。先日、輪切りにしてもらった、エンジュの木をまさかりで割る。しかし、直径が6〜70センチの太いモノは思いっきりまさかりを振りかざしても、先端があたった瞬間、「ポン」という音とともにまさかりを跳ね返してしまうのである。これは、楔を用意して、ポンドハンマーで割らなければならない。汗をかくこと頻り也・・・・。
2015年10月25日(日)からっ風1号の晴
深更より風の音有。朝、やはり風有。しかし、足利より須花トンネルを抜けて、飛駒の谷に入ってみると、風は無い。到着してローストビーフを焼き始め暫くたった、あれは10時頃であったろうか、風が出て来た。店を開ける頃になると、風は強くなって、外のテーブルにレースのテーブルクロスをかけることは止めた。11時より人、三々五々来。今日は皆店内で寛ぐ日となった。昼に到り来客続く。主たる客席が二階に在るから、一時は休む暇もなく階段をつかって厨房で出来た料理を二階に運ぶ事になった。この頃、平日は、毎日、織姫山の散歩で脚を鍛えているから、混雑していても十分耐えられる。第一、体重も53キロ弱に制御しているから、自然とフットワークもよくなるのだ。大正15年生まれの婦人来。今日はからっ風も吹いて、季節が一気に冬モードにシフトしたから、チーズフォンヂュも良く出る也。
2015年10月24日(土)晴、暖
今日も秋の恵まれた秋の日和となった。人、三々五々来。皆、屋外にて寛ぐ。午後、東京の青年達来。暫し、歓談。ミシェル・ウエルベック著「地図と領土」を読了。2040年代を予言する、面白い小説であった。著者は老輩より一回り若い人物也。敬服すること頻り也。
2015年10月23日(金)曇
午前中より飛駒に出掛け、薪作りに励む。涼しいから汗はかかない。陶芸家夫妻より手作りハムが届く。他、特に記す事無。
2015年10月22日(木)晴
この頃、なんだか頼りない心持ちがするので、浅草寺に出掛け、「なにぶんどうぞ宜しく」とお願いをする。おみくじは「凶」であった。南米からの観光旅行の人が「大吉」を引き、老輩がその意味の説明をしてやったが、その時、大吉の棒を筒に戻していなかった。その事が一寸心にかかっていたが、まだ筒の中には大吉も沢山入っているだろうと、楽観的に考えて、筒からおみくじを引きだしてみたら、凶であった。そばの横棒に凶の札を結び、再び、さい銭箱にお金を入れ、宜しくお願いする。帰路、「ステーキ・レボルーション」を観る。世界各国を美味しいステーキを求めて取材をするドキュメンタリーなシネマで、ステーキレストランのベスト10が取り上げられている。劇場をでて、駅に向かいながら、映画の内容を反芻してみたが、カフェブロッサムもなかなかいい線を行っていると思う次第。
2015年10月21日(水)曇、寒
朝より曇。予報では日中は陽が射すと言う事であったが、終日曇天。朝、佐野厚生病院訪。一年に一回の腎臓がんの検査をする。データには変化なく、来年の10月5日に再度検査を予約する。先生からくれぐれも、脱水に気お付けるように助言される。午後、愛妻の同級生数人来。献花有。夕方、録画せし「恍惚の人」を観る。この作品は1973年のモノで、なんだか、自分の近未来をみるような心地ぞする・・・・。
2015年10月20日(火)晴
今朝は、早朝より、飛駒にて薪の整理をする。昼前、近所の陶芸家夫妻来。その友人がイギリスより来る青年を伴い来。彼の指導で、キドニーパイを拵える。料理が完成して、会食。かつてイギリスで体験した味を思い出した次第。英国青年と、「バトル・オブ・ブリテン」や「エニグマ・コード」の話で歓談。You Tubeで探して、It‘s A Long Way To Tipperaryを示すと、よく知っている歌だと言い、一緒に歌う。久しぶりに、「The White Cliffs of Dover」も一緒に歌う也。
2015年10月19日(月)晴
午前中雑用を済ませ、飛駒に向かう。昼、粗食飯。かねてより、気になっていた、厨房の網戸そ掃除する。ついでに窓も拭く。そろそろ、室内が多くなるので、草刈りは終了したが、薪作りと店内の磨きに心がけなければならない。明日は試作料理にとりかかる予定。
2015年10月18日(日)晴
秋の恵まれたお天気になり、開店前より来店有!訪れる人、皆、時間が止まってしまったような、カフェブロッサムの空間に、憩う・・・・。夕方、近所の青年に倒木の整理をしてもらう。こうして、台風による、倒木事件は一件落着とあいなった次第。
2015年10月17日(土)小雨後晴
9時の外気温は17度。昼の外気温は21度。三々五々人来。他、特に記す事無。
2015年10月16日(金)少雨
昨夜、深更雨の音を聞き、干してある薪が心配になり、早朝飛駒に出掛け、テラスに井桁に積み替える。その後、通路に散らかった薪を片付け、庭の隅に放置してあった、桑の枝を斧で刻む。昼に到り、粗食飯。止んでいた雨が降り出して来たので、夕方、作業を終了する。帰宅後、織姫公園を散歩。今日もイノシシには遭遇しなかった。夕飯は、シーザーサラダを拵える。まず、ポーチドエッグを作り、ドライトマト、アンチョビー、にんにくを刻み、サラダボールを冷やして、旧い食パンをさいころに刻んで、ニンニクとオリーブオイルで炒めクルトンを拵える。大分奮闘したが、なかなか美味なサラダが完成した。冷えた白ワインで飯。明日の天候が気になる次第。
2015年10月15日(木)晴
朝より病院訪。採尿、採血を済ませて、所定の診察室の前に座って、持参した「地図と領土」を広げて暫し読書。初めて読む著者の本だがなかなか面白い。間もなく、先生に呼ばれて、診察室に入る。先ほど測ったら、血圧は上が138と下が86だ。そのほかの数値も先回と変わらず、腎臓の数値も変化していないので、このままのライフスタイルで大丈夫だと先生はおっしゃる。有難い限りではないか!。夕方、織姫山散歩。今日はイノシシには遭遇せず、無事、家に帰り、粗食飯。
2015年10月14日(水)晴、涼
朝より晴。午前中より飛駒に出掛け、恵まれた秋の日を浴びて終日薪作りをする。
2015年10月13日(火)晴、涼
朝より晴。今日は、店の取材があるので、午前中より飛駒に出掛け準備をする。暖炉に火を入れ、仔羊を焼いている所を撮影。取材は無事に終了。夕方、織姫山散歩。山頂の駐車場より神社に下る階段がある。その踊り場のところで、動物の動く気配がするので、目を凝らすと、茶色のイノシシの姿がある!周辺には人の気配がまったくない。牙がないのでメスであろうと見当をつけ、更に前進する。相手もこちらに気付いて、地面のドングリを拾うのを止めて、こちらを注視する。こちらは又前進。何故かというに、そのイノシシのいるすぐ手前に、神社に降りる階段が続いているので、そこを通らざるを得ないのである。しかし、状況は、やや緊迫の度を増すばかりで、相手は後ろに戻ろうとはしない。いや、じりじりとこちらに向かって来る。ということで、ここはひとつ「君子あやうきに近づかず」と言う事で、もと来た階段を駆け上がり難を逃れる。安全な場所で観察を続けると、イノシシは藪の隅から、山中深くはいって行って、一件落着。老輩は無事に神社に到達。すれ違う散歩をする人に、イノシシの出た事を報告、注意する。
2015年10月12日(月)晴、涼
三々五々人来。皆、庭にて、恵まれた秋の一時を寛ぐ。昨日来たお客さんはヘリコプターを持っていて、今度はそのヘリコプターで来たいと言う也。
2015年10月11日(日)少雨
今朝、店の裏に在る原っぱで、オスの雉を見かける。スマートでなかなか凛々しい姿はさすがであると思う。小雨。昼に到り人、三々五々来。今日は外は寒いので、皆、室内。暖炉終日稼働。午後、「わたしに会うまでの1600キロ」を観る。パシフィック・クレスト・トレイルをモハベ砂漠から北に向かい、重いリュックをかついで歩いてゆく映画だ。かつて、愛妻と周辺を幾度か旅をし、その楽しい思い出の風景が、あちらこちらに散見できて、少し深刻な映画であるが楽しめた。今日は愛妻の月命日也・・・。
2015年10月10日(土)曇、涼
朝よりローストビーフを焼く。この頃は、大分涼しくなったので、暖炉の前に立っても汗をかく事がなくなった。昼に到り人、三々五々来。LIFEの常連の人も来。チーズフォンヂュも好評。早めに店がお終いになったので、「マイインターン」を観に出掛ける。ロバート・デニーロが亡くなった妻の想いを吐露する台詞が好いのです・・・・。
2015年10月9日(金)晴、涼
穏やかな秋日和となる。終日休息。夕方、織姫山散策。山頂にて、赤い落日に遭遇。他、特に記す事無。
2015年10月8日(木)晴、風有
今日は久しぶりに有楽町へ出て、「顔のないヒトラーたち」を観る。時間ギリギリに映画館に入ったので、概ね満席でスクリーンの前から二列目に座って見るので、終いには首の後ろがしびれてしまった。以前、アウシュビッツを扱った「アンナ・ハーレント」を観た時も、映画館に着いたら満席で、一番前の席で観た。このての映画は上映館が少なく、関心を持っている人が集中するのであろう。見ごたえのある作品である。夕刻、甥が松濤町に開く店のプレオープンに招かれていたので、渋谷に出る。駅が工事中で、スクランブル交差点に出るまで、人に尋ねながら、迷路を行くが如しであった。6時の開店であったが、少し前に到着して、外で待っていようと思ったが、脚も疲れて来て、座りたいので、訳を話して入れてもらう。その際、普段着の青年が案内してくれたので、「君はこの店で、フロアー担当になるのですか?」と尋ねたら「いえ、上のブティックとこの階の運営をやるものです」と言うので、色々尋ねるとつまりは社長であった。人はみかけによらないとはこのことで、歳を尋ねると、「32歳です」と言う。暫く、雑談をしていると、彼は、日本版KINFOLKの編集長であった。驚くべし!さらに尋ねると色々面白い事をやっているので、弟子入りを申し込み、快諾してもらった次第。食事の時間となり、LIFEの幹部のメンバーが色々集まり、その中に混じり歓談する。南アフリカ産の赤ワインを飲む。なかなかいけるものだ。帰路、銀座線に乗り少し酔っているので隣に座る外国人に「アナタハ、リョコウデイラシャッタノ?」と尋ねると「ソウデス。ミナミあふりかカラキマシタ。18ニチカンニホンニダイザイシテアスカエリマス」と言うのだ。奇遇であった。
2015年10月7日(水)晴、涼
朝より晴、爽やかな日和となる。薪を拵える為に飛駒に出掛ける。道中、稲はすでに刈り込まれて、稲穂が沢山干されている風景があちらこちらにみうけられる。秋たけなは。4時の外気温は19度。帰宅後、織姫山散歩。
2015年10月6日(火)曇後晴
朝は曇。今日は友人に誘われ、栃木に連れて行って貰う。万町の付近に在る某フレンチにてランチをご馳走になる予定であった。11時、店に到着。しかし、既に満席。1時になるまで待たなければならない。ランチの予約は原則として出来ないそうだ。しかたなく、1時の席をとり、大平山に登り時間を潰す。眺望台より南を望するが、生憎、樹の枝が前方をふさいでいて眺望を楽しむ事が出来ない。また、今日は晴れているが、遠方が霞んでいる。今朝は、サラダを沢山食べて、次にトーストを食べようと思っていたが、なんとなく、食べるのを忘れてしまったので、お腹が空いてきた。連れも同様であるから、茶店で卵焼きとお団子を食べる。すると、通路を隔てた、隣の席で、紳士が二人席に坐して、見ていると、焼き鳥と蕎麦が店から届いた。そんなことを切っ掛けとして、なんとなく四方山話をするようになったら、二人とも栃木住まい。なんと!その内の一人は、2年程前にカフェブロッサムに来店。その時も話しかけられて、この老輩がそこのお宅を訪問して、ご馳走になった事がある人であった。なんとなく見覚えのある顔だなぁと思ったのだが、奇遇であった。時間が頃あいとなり、万町の店に戻るが、相変わらず沢山の人が待っている。1時になっても食事にありつけない。今日は、家を出る時は、曇っていて涼しかったが、その頃になると陽射しが強くなって、なにしろ、帽子を被らないで出掛けて来たから、こちらは堪らない。花壇のボーダーの枕木のところが、日陰になっているので、そこに、腰かけて待つ次第になった。しばらくして、漸く、名前を呼ばれたので店に入り着席。隣の席の人は既にデザートになっていた。見ると美味しそうなので、その事を尋ねる。それがきっかけとなり、お話をするようになり、ついでに、カフェブロッサムのお話をしたら、その人は「行った事がある!わかりづらい、細い道を入って行くところでしょぅ!」とその後、色々話が盛り上がっているうちに、今度はその先のお客さんも「私たちも行った事がありますよ!」と手を挙げて話に加わり、一時の楽しい時間を過ごす事が出来た次第。お陰さまで非常に気晴らしになりました。
2015年10月5日(月)曇、涼
朝より曇。午前中より飛駒に出掛け、倒木した樹の始末をする。少しずつ輪切りにして薪にこしらえやすく切るのだが、徐々に幹の方に進んでいくから、切るところが太くなり、電動のチエンソーではパワー不足になりがちで、一度、ブレーカーが落ちた。だから、目立ても慎重に正確におこなって、刃を鋭く保たなければならない。昼、ジャガイモとチーズ、白ワイン。粗食だ。ひとりさびしく食べていると、アンネ・フランクの事を思い出す。午後、薪割り。斧を振るうこと100回に及ぶ。しかし、今日は涼しいから汗は避けられた。秋が深まる気配頻り也。
2015年10月4日(日)晴後曇、涼
今日も、人、三々五々来。大正14年生の大正15年生のご夫婦来。ご主人は先の戦役で出兵、シベリア抑留を1年半経験したと言う。ローストビーフを楽しむ。また、我らが同年輩の婦人二人来。飛駒カットを堪能する。犬連れさんも来。甥より電話有。松濤町の店のプレオープンに誘いあり。
2015年10月3日(土)晴
秋の穏やかな日和。三々五々人来。皆、恵まれた秋の一時を、ゆっくりと寛ぎ、カフェブロッサムの魅力を味わってゆく。
2015年10月2日(金)晴
爆弾低気圧が通り過ぎて晴れる。朝がた、ヨーコさんが出てくる夢をみた。大勢の人が出てくる夢で、それも、皆で何かを探している場面で、そこに、秀でた額のヨーコさんが私の横にいて、私がそばで見た犬を家で飼わないかと、ヨーコさんに話を持ちかけている所までは覚えているが、それを聞いて、ヨーコさんは微かに微笑んでいた。その後、なんだか大混乱がおきて、ヨーコさんを見失ってしまう。なんだか、非常に残念な気がする夢であった。こちらも、夢ではあるが、せっかくヨーコさんに遭遇したのだから、積もる話をしようと思うのが自然であろうが、その時は、そういう気持ちが起こらないから不思議であった。今日は、終日休息。夕方、佐野で「ドローン・オブ・ウォー」を観る。
2015年10月1日(木)曇後雨
今日は天気予報で爆弾低気圧が発生して、夜間雨が激しく降るという天気予報があったので、朝より草刈り、薪の整理の為に飛駒に出掛ける。気温も非常に低い。今日から10月、秋たけなはである・・・。


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