これは、関東平野のチョッとディープなカフェ・ブロッサムの「繁昌記」2014年の10月の巻。
「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる関東老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2014年10月晦日曇、暖
朝より独り飛駒に出掛け、薪割りをして薪作りに励む。隣地に飛び出した桑の木を一つ伐採。他、特に記す事無。
2014年10月30日(木)晴
インフルエンザの予防注射をする。午後、二人で佐野に所要で出向き、帰路、唐沢山神社に登る。今日は、風がなく、空気がかすんでいて眺望効かず。
2014年10月29日(水)晴
風なく穏やかな日和となり、昼前より二人で飛駒に出掛ける。家内は室内清掃、片付け。老輩は、隣地に枝が伸びてしまった古い桑の木を伐採。まずは、上に高く伸びた幹に梯子をかけて上段に上り、さらに、枝を足がかりに更に上部に上り詰める。店の屋家の棟ははるか眼下に見える。かつて、6年前に、このような場面でチエンソーを両手で操り、落下して、背骨を骨折した経緯があり、その事を思い出し、足も竦むのであったが、枝切り鋸で片手は幹を抱えるようにして上から、徐々に切っていった。無事、1時間後に地上に降り立った時は、疲労困憊・・・・・。しかし、達成感この上なし。ひこかかえもある太い幹であるから、老妻はお清めをせなばと言うので、ワインを幹、平蕪に注ぎ邪気を払う。周りから、啄木鳥の働く音がしきりに届く。
2014年10月28日(火)晴、風有
朝より眼科訪。眼底出血やや改善。12月中旬の再訪を約し帰宅。昼、粗食飯。午後、市中散策。渡良瀬川橋上より、西に妙義、南に秩父連山現れる。晩秋の証也。夕暮、繊月浮かぶ。気象ニュースで北海道初雪を報ずる。大昔、五十年も前、あれは、九月の中旬であったろうか、欧州放浪が終了して、パリに枯葉が舞う頃、モスクワに飛び外に出たら、一面雪景色であった。光陰矢の如し・・・・。
2014年10月27日(月)晴後曇
赤瀬川源平さんの訃報流れる。77歳。老輩は、この人の「ライカ同盟」という私小説を読み、写真機に対する自分が抱いている概念が、言葉となり明瞭になった思い出がある。
2014年10月26日(日)晴後曇
昨日に続き行楽日和。愛犬家、家族連れ来。シャンパンを飲み、上等な週末気分を味わう人多。店が一段落後、薪割り。他、特に記す事無。
2014年10月25日(土)晴
秋の行楽日和となる。店が一段落して、薪割りを始める。腕を大きく振り大半径を拵えて、振り落とし太い丸太が割れると気持ちがよい。腕の筋肉も発達し、息も切れなくなった。
2014年10月24日(金)晴
去年の今日は、老妻が入院した日である。その日から老輩の生活は激変、独居老人になってしまったのである。我々の世代は、自分で食事を拵える習慣は無い。そうすると、台所にはいっても、冷蔵庫をのぞいても、何がどこにあるかさっぱり解らない。老妻の入院前は、老輩が梯子を踏み外して、踵を骨折。車いすの生活をしていた。だから、平和な時を過ごせる毎日は至福の時だと思う。
2014年10月23日(木)曇
秋深まり、草刈りより解放される時節になった。終日休息。夜、二人でセドナのTV番組を観る。「ボルテックス」の強い土地柄だと云う。我らも以前この地を訪れた事がある。グランドキャニオンに寄った帰路、二泊したのだ。老妻は病を得て26年、中国の指圧、アメリカ各地のパワースポットツアー、東欧パワースポットツアー、免疫力強化サプリメント851の服用、赤城山麓での気功と、体に良いと云う事をさまざま実行してきた。老妻曰く「何が効いたか解らないが、ここまで生き延びてきた!」と言う也。「やはり自分にとっては飛駒が一番のパワースポット!」と云うのだ!
2014年10月22日(水)雨
終日雨。朝より病院訪。採血、採尿、CTの検査をうける。今回の検査は異常なし。来年の水曜日に検査の予約を入れ帰宅。歯科訪。午後、休息。ドナルド・キーン「わたしの日本語修行」を読み始める。
2014年10月21日(火)雨後曇
朝より雨。老妻に付き添い、太田の病院訪。状態はやや改善。帰路、昼にかかり、市役所付近にある蕎麦屋さんに入り冷酒、イタワサを頼む。満席に近い状態。老妻は渋い店だと頻りに言うなり。帰宅後老妻は頻りに疲労を訴える。しかし、心労はないという。イベントが成功裏に終了した由。
2014年10月20日(月)晴後雨
昼「チューリッヒ美術館展」に出掛ける。美術には門外漢でも、絵の前に立つと、作家が色々なことを語りかけてくるようで、読書とは違う面白さがある。出口に近い「キュビズム」の部屋は絵画の技術的な雰囲気から解放された軽さと明るさがとてもよかった。
2014年10月19日(日)快晴
昨日続き快晴。三々五々人来。静かな秋のひと時を味わい、穏やかに時が流れる。この頃は、漸く草刈りも収まってきた。薪割りのシーズン到来。夏の頃は、斧を振り回すには、腕の筋を痛めないように、恐る恐る振りかざしていたが、腕に筋肉もついてきて、一気呵成に斧を振り回し、概ね狙い所に目掛けることが出来るようになった。
2014年10月18日(土)快晴
風無く、穏やかな秋日和となる。先日来、準備をしていたイベント「ことこと」には恵まれた日和となり、各方面より千客万来。甥達もかけつけて手伝ってもらい、全て滞りなく終了。晩夕より「トリコロール」のライブもよかった。当店を紹介する動画にはこのグループが奏でる音楽が載っている也。ご協力いただいた出店者の皆様には心より御礼を申し上げる次第。天に感謝多。
2014年10月17日(金)晴、涼
朝より快晴。昼前より老妻を伴い、明日のイベント「ことこと」の準備の為に、飛駒に出掛ける。すでに、息子達のグループが来て外回りの整理をしている。このところ、病妻の回復目覚ましく、食欲も日増しに回復。体重も徐々に増している。午後より甥も来。明日の賄い料理の支度をする。
2014年10月16日(木)晴、涼
朝より秋日和也。店に出掛け、薪作りに励む。ニュースにて為替105円をつけたと報有。米国の消費動向軟弱由。
2014年10月15日(水)曇、涼
近頃になり、漸く、老妻も食欲が順調に増えて来た。午後、二人で飛駒に出掛け、18日の準備をする。老輩は、涼しくなってきたので薪割りに励む。「エボラ」関連の報道頻り。
2014年10月14日(火)晴
この頃、暖炉でステーキを焼く技術も一段と向上した。暖炉の火勢が大分影響する。圧倒的な熱波で瞬時に寝ているような素材を刺激すると、肉はぷっくらと膨れ熱が芯までつたわる。ステーキの真ん中の辺をカットしてみると、レアの様相であるが、食べてみると、ジュシーで薪でやくフレーバーと材料の香りが混じって非常に美味。食材の持つ充足感は言うまでもなし・・・。これ即ち「開眼」!
2014年10月13日(月)台風19号雨
午前中より雨。終日暖炉を燃やす。晩夕、18日の打ち合わせをする。他、特に記す事無。
2014年10月12日(日)曇
曇。台風19号、速度遅にて、東支那海に在。終日涼。各方面より来。ピレネー犬も来。一段落後伸びすぎた桑を切断。晩夕、粗食飯。
2014年10月11日(土)晴
台風19号の報道しきりであるが、秋の好天となる。老妻も今日は店で活躍。ステーキの試食もする。午後、一段落した折、屋根の修理をしていたら、高い木の枝のところで、タッタッタと機械の炸裂音がするので、目を凝らしてよく見ると小さな啄木鳥が仕事中であった。
2014年10月10日(金)時々晴
「大いなる沈黙」を観る。夕焼け有。予報では明日は快晴になると云う。他、特に記す事無。
2014年10月09日(木)曇
午前中休息。午後、飛駒にて草取り。晩夕、織姫山散歩に出掛ける。登り坂を一気に上ったら頂上で力が尽きて、先へ進む事が出来ない。家内に電話を入れ迎えに来てもらい、一件落着。晩餐は昨日ヨーコさんがTVで観たポルトガル料理に触発されタラの天麩羅となる。
2014年10月08日(水)時々晴
久しぶりに織姫山散歩。帰宅したら、愛妻が蕎麦を食べたいと言うので、蕎遊庵にて飯。午後、甥が、18日のイベントで来訪者に楽しんでもらうメニューの試作をするといって来。ご馳走になる。月食有。久しぶりに織姫山の坂道を一気に上ったので、筋肉痛が生じた。頽齢避け難し・・・。
2014年10月07日(火)時々晴
昼前より飛駒に出掛け、苔の周りの草取り。今年は、盛夏の頃は、暑さも忘れる程毎日熱心に苔の草取りをしていたが、その疲れた9月に出て来て暫く休んでいたら、雑草がすっかり回復して、振り出しに戻ってしまった。しかし、蚊もいなくなり、暑さも遠のき草取りには最適。昼、スープとパンの粗食。午後、作業続行。
2014年10月06日(月)雨後晴、台風一過
静岡県方面より上陸せし台風18号、その後も北東方面に進路を進める。朝9時過ぎには驟雨となり、昼前には止む。幸い也。午後より台風一過となる。山田風太郎著「戦中派虫けら日記」を読み始める。
2014年10月05年(日)台風18号の接近で終日雨
雨にかかわらず各方面より人来。終日、暖炉でステーキ、仔羊を焼く。有難きかな。TVでは香港青年達の反体制デモがよく映し出される。中国政府の対処方法を世界が注視しているからであろう。老輩は昔、貿易業務で香港を経由してしばしば中国に出掛けた。そこは体制主義特有の世界。十日程の日程をこなし、香港に戻ると、自由主義世界にも色々問題があるとしても、身も心もリラックスして伸びやかになる空気感は今でも忘れられない。秋のある日、例によって深川から香港に戻る。定宿のフロントに荷物を預け、街を散策途中、フランス料理店に入り、ビンテイジのボルドーワインとフィレニヨン・・・。大いなる自由。さて、今後の進展いかん!
2014年10月04日(土)曇
終日曇。各方面より来。帰宅後、TVニュースで香港で青年達が体制に反対するデモの様子が映し出され、状況の解説有。1960年の日本の安保闘争を思い出す。今日の状況はもっと複雑だろう。共産党独裁にくっするか否かという明確な選択肢があるが、それは、外側から見ていることでわかるが、渦中に入っている者にはわかりにくいのだ。翻って、自分たちの政治的状況も外側からみたらさぞかし奇妙に映ることだろう・・・・。
2014年10月03日(金)曇後晴
台風18号が日曜の後半より太平洋側に影響を及ぼすと云う。昼、ヨーコさんは秋刀魚を焼く。午後は一人で飛駒に出掛け、草刈り、清掃。5時、外気温24度。帰宅後、老妻のけんちん汁で飯。新しきサトイモが入っていて美味しかった。老妻もようやくにして病苦を克服してくる也。驚いたことに、抗がん剤で頭髪が全く抜けてしまった後には、70歳の年齢を考えると、白い髪の毛が生えてくると、予想していたが、カーボンブラックの黒々とした髪の毛が伸びて来た。だから、顔だちをみると、老女であるが、頭を見ると、知り合った頃の黒い頭で、どうも変な具合である。しかも、直毛系で日柄を経ていないから、ショートヘァーというところで、まったくモダンバーサンだ。TVで御嶽山の噴火当時の画像が頻りに流れる。3年前の震災の時よりも、デジタル動画、画像系のツールが身近にあるためだろう。その画像の中に、避難小屋でヘルメットを被り顔面をタオル等で覆った集団が映っていた。その画像は全学連が活躍した70年代の若き日々を思い出させるのだ。老妻は明日は営業で店に出ると言い、頻りに休息をしている。
2014年10月02日(木)曇
朝より曇。午前中よりヒコマに出掛け、草刈りをするつもりであったが、疲労感があり、終日休息とする。「頽齢」という言葉を思い浮かべる。昼、粗食飯。午後、炬燵に入り午睡。今日は旧暦の9月9日で重陽の節句だ。そのことに気付いて、息子家族を引き連れ、近所の「鳥常本店」にて夕暮晩餐をなす。末の中二の孫ボーイの背丈も伸び、並んでみると老輩の高さをすでに超えてしまった。年を取るわけ也。
2014年10月01日(水)曇
深更少雨有。朝より曇。昼より老妻を伴いヒコマに出掛け店内を整理整頓。老輩は草刈り。外為110円を付けたと云う。日本は加工貿易国である。円安は材料の輸入費用がかさむ也。

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