カフェブロッサム繁昌記2014年の巻
これは、「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」。更に今月は、厨房で活躍する愛妻がリンパ腫治療のため入退院を繰り返し、現場復帰に至るまでの奮闘記となる次第です。


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2014年3月31日(月)晴、風有
深更風有。朝、ヒコマの知り合いより電話有。「昨夜、店の付近で火災があった。」と知らせを受ける。息子を伴い店に出掛ける。火災発生は昨夜、10時過ぎであったと言う。近澤街道より店に入る角の2軒が焼けてしまった。驚くべし。
2014年3月30日(日)曇後雨後晴
昼より雨。三々五々人在り。車関係のグループ漸く到着。終日暖炉の火は絶えず。5時の外気温13.5度。夕暮、俄に空晴れ渡り残照閑林に鮮やか也。
2014年3月29日(土)晴、暖
ヒコマ8時の外気温は8度、室温16度。三々五々人来。今日が初めてという人は、庭にて晩餐。雰囲気、景色に頻りに感激。都内の近いところに、この店が在れば「大ブレーク間違いなし!」と言うなり。3時の外気温は23度。寒からず、暑からず・・・、春になった。明日使用する薪を拾いに出ると、野原を胴の長い猫がスタスタと横切る。其の先には梅が咲いている。背を伸ばして南を見渡せばあぜ道をとぼとぼと杖をつき行く、背中の丸くなったお婆さんが目にはいる。其の先にやはり、梅が数本並んでいる。地面が緑を帯びてきた。自然の営みは確実に運営されている。しばらく、風景に見とれて佇む。3年前の震災を思い出した。平和な春の一時であったが、突然に心持が変わってしまった。人間の生活は激変、自然の営みは粛々と進行していた。この並列的なところが面白い。陶淵明の「大意」とはこの境地であろうか・・・。むべなるかな。
2014年3月28日(金)晴、暖
朝より天気晴朗。昼、リラク編集氏と食卓にて歓談。病妻は俵すしのお稲荷さんが食べたいというので、佐野に買いに出掛ける。帰路、アウトレットモールを覗いてみる。今日はお天気も良いから何処もかしこも人で一杯であった。愛妻にセール中の麻のスカーフを買い帰宅。
2014年3月27日(木)曇、花冷え
袋川の桜は開花。昨年の「繁昌記」で確認すると、開花は20日とあった。愛妻は薬の副作用が収まってきた様で、少し食欲が出てきた。昼は、蕎麦が食べたいというので、生蕎麦と天麩羅を買い食べる。午後は、炬燵に足を入れ何か忘れたことがあると、それを頻りに考えていたが寝入ってしまった。老妻も傍で鼾をかいている。愛犬サーヤが逝って9年が過ぎてしまった。あの時の虚しさは大分収まってきたが桜の頃になるといつもあの当時のことを思い出す。夕暮、春遊に外出したが、体が冷えてたまらず、途中で帰宅。風呂をたいて長湯。夜、老妻を伴い「ゆり」にて晩餐。
2014年3月26日(水)曇後時々雨
晩夕、TVのニュースでベビーカーを電車に乗せる時のマークを取り上げている。子育てに関わるお母さん達は本当にご苦労さんだ。そういえば、当店にもこの頃は、随分ベビーカーで入ってくる家族連れが増えてきた。余輩も昨年は骨折で暫くの間車椅子生活をしていたが、愛妻に車を押してもらい、何処でも不便な思いをせづに、生活が出来たのだから、文明の進歩は素晴らしい。来月で余輩の骨折事件も早一年となる。感慨無量也。
2014年3月25日(火)晴、暖
朝より暖。裏の桜は蕾、大分色付き春陽初夏の如し。病妻は、朝食を済ませ、独りで車に乗り病院に出掛けてしまった。余輩は、陽気に誘われ、織姫山散歩。帰路、市中に降り中川君の店に立ち寄り、杯盤笑語。店を出がけに、前橋から来たと言う、紳士を虎谷さんまで案内する事になた。年齢を問うと大正13年生だと言う。震災の翌年生まれたことになる。90歳だ。矍鑠として頼もしい。虎谷に入ると、ここでも美質な妙齢の婦人に遭遇する。酔いに任せて、失礼ながら、年齢を尋ねると96歳であると言う。旧市内で、矍鑠としたお年寄りが、洒落た装いで春の穏やかな日に闊歩するところは、歴史の街の余情いや増すばかりである。ここに数台のクラシックカーでもさりげなくあしらえば、レトロな映画のワンシーンになる。千鳥足で帰宅し午睡。病妻はまだ帰宅していないので、再び河南に歩。河風が気持ちよい。少年達が足を水につけて遊んでいる。夕暮帰宅。よく歩いた一日となる。
2014年3月24日(月)晴、暖
裏の袋川の桜を観察。蕾は思いの外膨らんでいる。老妻に頼まれ郵便局に出掛けて用足しを済ませ、其の足で織姫山散歩。午後、イオンにて「ウオルト・ディズニーの約束」を観る。春の空気に包まれて帰宅。病妻は「もう一ヶ月の辛抱だぁ〜!」と呻吟する事頻り也。
2014年3月23日(日)晴
ヒコマ、7時50分の外気温は3.5度。室温14度。9時半の外気温は10度、室温27度。暖炉で頻りにローストビーフを焼く。今日は前橋育英高校に通う孫が、春休みになったので手伝いに来てくれた。したがって、余輩はあまり動かなくてもよいので有るから、非常にらくチン。このところ、普段供する赤ワインの在庫が切れてしまい(もっとも、これは余輩が仕入れるのを忘れてしまった故のことであるから、誰にも文句は言えない)お客様からワインの注文があって初めて思い出した次第。ワインセラーに降りてみると、大分旧い、ニュイサンジョルジュがあったので、コルクを開けて供する。試飲をすると、20年の歳月をへても、へたっていない、しっかりした、存在感のある古酒であった。思うに、この頃、例えば、奥の部屋に用事が生じて、必要なものをとりに出掛け、ドアを開けるが、其の瞬間、何ゆえに、ドアを開けたのか、失念を生じることしばしばである。老妻も同じような状態で、両者の間では其の状態は長年の付き合いで、了解できるところなのだけれど、若い人達に混じって働いていると、そういう忘却状態になると、不思議なものを見る様な視線を感じて我ながら不外の無さを切々と感じ入る。どうにかして、この、脳内の血流を明快にして、春の営業に望みたいと思う次第です。
2014年3月22日(土)晴
8時半の外気温は5.5度。室温15度。早速、暖炉に火を入れ室内を暖める。薪を取りに外へ出ると鶯の初音有。梅に鶯!絵に描いたような風景也。終日忙。他特に記す事無。
2014年3月21日(金)晴、風有
8時半の外気温は7度。室温13度。ローストビーフを焼き始める。9時の室温24度。昼の室温28度。三々五々人来。そとは風しきりなり。
他、特に記す事無。機体の一部、確認未だ出来ず。
2014年3月20日(木)雨
終日寒雨。病妻に頼まれて日用雑貨を買うためにモールに一人出掛ける。リストに書き込まれたモノを探しながら広い店内を移動する。運動になる。横浜の知り合いより、老妻にお菓子が届いた。先日は花を届けてくれたひと也。有難きかな。機体の一部発見か!
2014年3月19日(水)晴後曇、寒
少し暖かくなり、体も大分楽になった。このぶんでは、夕方散歩に出ようと楽しみにしていたが、西風が吹き出して寒い。寒さに逆らって散歩をしても碌な事にならないから、中止。その代わりに風呂を沸かして長湯す。このところ、病妻も治療と折り合いをつけられるようになり、菜を拵えるようになったから、昨来の続きで仔牛のカッテットを頼む。塩を強めにふってあげたものを食べると、チーズを食べているような味に仕上がって美食に仕上がりました。久しぶりにワインを戴いたので、炬燵にて暫く寝込んでしまった。マ航空機事件、謎深まるばかり。
2014年3月18日(火)晴、暖
足利の外気温21度。所要にて佐野、栃木方面をドライブするに、交通量思いの外多いのは3月ゆえ為るか。夜、晩餐に老妻が鰯のソテー、仔牛のカッレットを拵える。マ航空機は未解決。
2014年3月17日(月)晴、暖
朝より暖。弟を伴い所要にて熊谷に出掛ける。昼に至り、駅前老舗にて「う」食ス。待つこと30分、重来。芳醇美質也。帰宅後、病妻、洗濯、炊事に粉骨砕身せしと細語す。夕暮、織姫山散策。かくの如くして一日は終了。
2014年3月16日(日)晴
ヒコマ、8時半の外気温は5度、室温14度。昼より千客万来にて、頻りに階段の上り下りをする。旧知の人も来。夕暮に至り、外に出ると、赤い月が山峰上空に登りて、寒村に生じる、早春の風情いや増すばかり。帰宅後、老妻、相変わらず、マ航空機の報道を弁じて止まず。
2014年3月15日(土)晴
朝、早朝より店にてローストビーフを焼き始める。8時半の外気温は2度、室温12度也。10時の外気温7度、室温27度。昼に至り、人、三々五々来。ワンちゃんも来。庭の食卓にて春の陽射しを浴び寛ぐ。「熊の油」も好評。夜、寒月天空に有。
2014年3月14日(金)晴
昼を過ぎ、店に到着。室温18度。数日来、観察に務めし梅花ついに一輪を認める。寒風頻り也。室内清掃、営業の準備を完了。他、特に記す事無。マ航空機未だ発見無。
2014年3月13日(木)曇後雨
朝、暖。老妻と朝食時、先日より報道が続いている、マ航空機の痕跡不明に話題が及び、その後の報道が気になるところだ。情報を集めるテクノロジーが発達した今日でも、あんな大きな機体の行方が不明だとは驚くばかり!
2014年3月12日(水)晴、暖
ヒコマ10時半の外気温は15度。東風有。裏の梅は一面に朱色の蕾となる。夜、釜揚げしらすで独酌。他、特に記す事無。
2014年3月11日(火)晴、寒
梅花ほころび、春の近づく気配有。三々五々人来。ボーダーコリーも来。老妻、治療を済ませて帰宅。頻りに疲労困憊と弁ずる。
2014年3月10日(月)晴、寒
朝より寒風有。スコーンをクローテッドクリームで飯。終日休養。k今日は、3月10日、空襲戦災の日だ。他、特に記す事無。
2014年3月9日(日)晴
今朝は、寒風去り、春の陽射し明らか也。昼、ロメオ愛好家17〜8台、各方面より来。終日席を満たす。野原にて記念撮影。来年の予約も受ける也。
2014年3月8日(土)晴、寒風有
ヒコマは朝より寒風有。8時半の外気温は2度。室温12度也。9時10分の室温18度。昼に至り、室温28度。東京より、鉄道、バスを乗り継いで人来。ワインと料理を堪能して帰る。先日、掲載された写真家が使用する、照明用具の画像をみて店を訪ねる気持ちのなったのだという。帰宅後、老妻が録画せし「グリーン・フライド・トマト」を二人で観る。第一次世界大戦後の頃から、とある米国南部の町で物語の発端が始まるのである。田舎町のカフェが出てくる。二人で、しみじみと見入ってしまった。ヨーコさんはこの映画に元気を貰ったという。印象的だったのは、赤土の泥濘を人や車が通り過ぎる風景だ。我々は大分以前になるが、こんな風景のところを旅行したことがあった。本道をちょっと脇道に逸れると赤土の旧道現れ、廃業して時間がたってしまったガソリンスタンドや、人気の無い商店跡などが散見される。しばらくは、50年代にタイムスリップしたような気分でハンドルを握り更に進むと、トタン張りの、さびが出ていてなんとも云えぬ風格のあるゼネラルストアーの前に出た。中に入ると、ガラスの仕切り棚が広い店内に整然と並び、何時仕入れたのか不明になってしまった、靴や身の回りのものが陳列されている。人気の無い店内に歳のいった店主が店番をするばかりの店であったが、映画を観終えて、話がそこに至り、ひとしきり盛り上がり夜も更けゆく。
2014年3月7日(金)晴、寒
朝、ヒコマに営業準備に出掛ける。今日も寒也。11時の外気温は4度。室温12度。暖炉に火を入れ、室内を暖める。昼、ステーキを試食。4時、外気温は5度。室温30度。初夏の如し。夜、老妻を伴いかん林にて晩餐。かくの如くして一日は終了。
2014年3月6日(木)晴、寒
深更強風発生。朝、寒。午後、二人でヒコマに出掛け、準備。老妻も努力して営業準備に勤しむ。3時の室温12度。外気温5度。暖炉に火を入れて、あたる。
2014年3月5日(水)雨、寒
朝、モーガンにワイパーを取り付け、佐野市の病院訪。尿、血液検査の結果、余輩の腎臓の数値は若干の向上が見られるとの先生の所見を得る。次回の検査は70日後となる。帰宅後、ヨーコさんにその報告をする。慶賀するべきであるが、その、ヨーコさんは昨日、病院で担当医の先生から病根未だ消し去り難く、更に二度の治療を受けるべしと言われたのだ。慰める言葉無。終日雨。
2014年3月4日(火)晴、寒
所要にて東京に出掛ける。用足しをして帰路、有楽町で「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を観る。見応えのある映画であった。御徒町界隈にて、晩餐は牡蠣フライ飯。
2014年3月3日(月)晴、寒
朝、ヨーコさんはスコーンを焼き、クローテッドクリームと紅茶で飯。今日のスコーンはサックリとした食感があるもので、クローテッドクリームをたっぷり付け、蜂蜜をたらし口にすると、口中にクリームと甘い蜜の豊かな食感、スコーンの粉っぽい感覚がたまらないのだ。ようやく、老妻も味覚が戻ってきて、食欲も出てきたようだ。日中は寒いので炬燵で休養。夕、弟夫婦来。歓談中にローストビーフの焼き方に談が及び、即ち「熱源Aからたんぱく質の熱に対する反応を利用して、Bに目指す温度にいかを速やかに熱を写すかと言う事で・・・」という話題で歓談に興じる。
2014年3月2日(日)曇時々雨、寒
終日暖炉を燃やす。晩夕帰宅。長湯。拵えてもらった鍋を突っつきながら、録画せし「寅さん」を老妻と観る。終わっても、話は尽きず、携帯電話の無かった時代、茶の間や玄関先に電話があってと・・・、暫く当時の話に打ち興じる也。
2014年3月1日(土)時々雨
今日より3月。9時の外気温は6度。心なしか、やや春めく。終日閑。他、特に記す事無。

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