これは、「暖炉料理」にこだわり、「飲食道」という迷路をたどり、店の環境向上と質の向上につとめる老生の日々を綴るものです。
題して「カフェブロッサム繁昌記」


改訂版カフェブロッサムの繁昌記の目次

2013年10月31日(木)晴、暖
午前中、友夫妻来話。病院に向かう途中、例によりサンドイッチ受領。昼はグラタン、パン、ママレードジャム、白菜の澄まし汁也。美味。午後、愛妻は薬剤投与を楽にするポートを埋め込む手術に向かう。先生とお互いの料理のこだわりを話しているうちに手術は終わったと言う。術後、暫く安静。夕飯は焼き魚、茶碗蒸し、味噌汁也。かくして、10月は終わる。
2013年10月30日(水)晴、暖
朝より陽射しあり暖。友来話。薩摩揚恵。昼前、知人宅訪。病院途中、パンピースにてサンドイッチ受領。昼食は焼き鯖。美味也。老妻もカンパーニュのサンドは美味しいと言う。午後、入浴手伝う。病棟の窓より望する利根川堤に立たんと思い立ち、それと思しき方向に歩。この付近の風情は武蔵野の面影を残したようなところが有る。途中、水路に進路を立たれ、今回は断念。しかし、空は高く、かつまた広い。普段の生活とは離れた、旅行気分を一時ひたる。夕食は鶏のから揚げ、サラダ。微熱有。かくの如くして今日も暮れる也。
2013年10月29日(火)曇後雨、寒
今日は気分転換に浦和パルコにて「タイピスト」を観る。仏蘭西の田舎娘がタイピストとなり、書類に文字を打ち込む速さを競う、コンテストで世界の頂点まで登りつめる。実話が下敷きになっている映画。時代は1959年、東京オリンピックの5年前の話だ。現役時代、余輩も英文タイプでブラインドタッチに苦労したので、其の時代、多様なタイプライターがあった事を映画はみせてくれ興味深い。昼に至り、「中村」にて「う」食。暫く書店の棚をのぞき、再び「大統領の料理人」を観る。映画の前半は怒涛の如く料理の画像、食材が目の前を通過してゆく。余輩の店でも見かける食材に出会い、非常なる親近感が興る。ヨーコさんも元気になったら、再び渡仏してエリゼ宮のあるサントノーレの通りをぶらついてみたいものだ。夜、病院訪。夕食は卵と海老のチリソースがけ、とお澄ましであった。
2013年10月28日(月)晴
昨夜、初めて洗濯機を触る。朝、取り出し干す。TVではカールトンホテルの偽装報道頻り也。他山の石として大いに学ぶべし。和幸でヒレカツサンドを買い、病院訪。昼食は天ぷらそばであった。午後、骨髄より組織を採る検査有。愛妻は安静。頃合を見計らい、気晴らしに、病院周辺を歩す。この辺りは墳墓が沢山有る。何時であったか、明治の初めのアーネスト・サトウが記した日本滞在日記を読んだことが有る。彼が赤城山に登山する途中、この利根川周辺に立ち寄っ際、沢山の埴輪や土器の類が田畑に露出していおり、墳墓も大いに散見されるという描写があったが、きっと、この周辺を歩いたのであろう。病院も墳墓を犯して作られたのかも知れない。感慨無量也。夕暮、畑に菊をみる。世が世であれば、将に重陽の節句たけなわ。丘に料理と酒壷を携え登り、「人生、口を開けて笑うこと難し・・・」というところを破るつもりで、おおいにご馳走、美酒をくらい、菊の花を頭に挿して帰路につくちょうどよい季節だ。余輩の人生、嗚呼無常也。夕飯は焼いた鮭、酢の物、豆腐と野菜の煮付け。美味。
2013年10月27日(日)晴天、風有
朝より晴天。モーガンで店に見に出かけ、雨で濡れた薪を野原に干す。須花峠の蕎麦屋にて、ヨーコさんの蕎麦弁当を買い、病院へ向かう。つらつら思い出すに、二十数年前、同病院に入院せし愛妻をモーガンに乗って見舞いに通った事を思い出した。其のときは、サクラの頃で、助手席に愛犬のビーグルが乗っていた。病室に到着すると、孫達も来ていた。昼食も届いていたので、ヨーコさんは蕎麦弁当、余輩は病院食で昼食とする。極めて美味也。午後、入浴の手伝い。一段落後、テレビにて「リックカールトン」の食品偽装問題が報じられたと言う。帰路、弟の家に寄り、すき焼をご馳走になる。かくの如くして、一日は過ぎたり。
2013年10月26日(土)雨後曇、寒
深更、地震有。昼前に雨止む。今日もパンピースでハムサンドを受け取り、病室訪。午後、ヨーコさんの入浴に付き添い、背中を洗う。名古屋より、愛妻好物の奈良漬が届く。美味也。帰路、甥が料理長の「青の洞窟」にて飯。かくて、土曜日は終了。
2013年10月25日(金)曇後雨
昼前、病院付近のパン屋さんでカンパーニュのハムサンドを受け取り、ヨーコさんの病室訪。この2週間続いていた、微熱は去ったと言う。間も無く、昼食が到着。今日はラーメンとスイーツである。食欲は昨日よりあるようだ。こころなしか、足のむくみも引いてきた様な気もする。それを見ると、しばらくまとわり付いていた重たい空気が大分軽くなった。食後、愛妻はは午睡。余輩は読書。病院内を歩。先日遭遇した俳優の安藤サクラ女史の「今日子と修一の場合」をコクーンで上映していることを知り、夜、鑑賞に出かける。途中「う」食。帰路、台風27号の雨が激しくなる也。
2013年10月24日(木)曇後雨
朝、病院訪。ヨーコさんの入院手続き完了。息子は荷物を運ぶ。付近に美味しいパン屋さん有。カンパーニュのハムサンドを昼前に毎日一人前作ってもらう様に頼む。これは、明日よりの昼食也。今日はラズベリーの入ったパンを、薄く切ったものを食。病院のご飯は新米で美味しかった。お米を食べるのは久しぶり也。家内は暫くは検査が続く。病院で夕食を済ませ帰宅。無事、第一日目は終了。
2013年10月23日(水)曇、涼
朝より、佐野厚生病院訪。異常なし。一年後の予約を済ませ、帰路、関西より帰郷せし息子と佐野市中にてピザ飯。明日はいよいよヨーコさんの入院の日也。家族一同、我が家に集い、熱烈壮行会を決す。一番上の孫は東京に居るので、Face timeにて一同と会話。便利な世の中になった。12月の予約入り始める。有難きかな!
2013年10月22日(火)曇涼
終日涼。録画がたまってしまったので、久しぶりに映画番組を観る。休日休養。他、特に記す事無。
2013年10月21日(月)晴時々曇
気温やや上昇。家内を乗せて入院の際必要なモノを買いに市中へ出かける。昼、粗食飯。午後、読書、散歩。夜、孫の家で晩餐。他、特に記す事無。
2013年10月20日(日)雨、終日冷水降
8時のヒコマの外気温は14度。雨が頻りに降る。ローストビーフを焼いていると、しまいには家中が暖かくなる季節到来。
昼前義娘手伝いに来る。昼過ぎに人三々五々来。頻りに仔羊を焼く。ヨーコさんは仕事を皆に任せ、個室に退場。
4時、外気温14度。店が一段落した後、来月末の営業再開を皆と打ち合わせ、終了。夜、鴨南飯。
2013年10月19日(土)曇、涼
10時の外気温は14度。暖炉の火が心地よい陽気也。今日は家内の療養生活を激励に、遠方より来店する人もあり、非常に励まされる。家内の入院は24日と決まり、高齢ゆえ治療は一ヶ月を要することとなった。
2013年10月18日(金)曇、涼
朝より、ヒコマに出かけ明日よりの営業準備。ヒコマは極めて涼也。薪の準備も万端。帰路「強記飯荘」にて晩餐。帰宅後TVを付けると、ちょうど大島の台風被害を報じている。27号も発生したと言うではないか。難しい時代になった・・・・。
2013年10月17日(木)晴、涼
朝よりTVの画像に見入る。大島の台風被害甚大也。昼、「う」食。午後、読書午睡。夕暮、市井に歩し中川にて独酌歓談。肌寒き時節になりにけり。
2013年10月16日(水)台風26号余波
作深更より風雨激。朝、乱風頻り也。伊豆大島台風被害報有。昼前、織姫山散歩。山頂にて荒船山望。蕎遊庵にて鴨汁蕎麦を啜る。蕎麦は美味、汁は鴨の油少なし・・・。午後、書店を訪ね「ガリア戦記」「千字文」「お洒落名人ヘミングウェイの流儀」を買う。読書の秋たけなわ也。
2013年10月15日(火)曇後雨
朝、フレンチトーストにメープルシロップを掛け飯。午前中、織姫山散歩。昼、愛妻の作りし海老の天麩羅にて一杯。最近、米作家トム・クランシー氏夭折を知る。「レッドオクトバー」「今そこにある危機」「パトリオット」というふうな国際情勢のプロセスの裏面をテーマにした面白い作品を発表した作家だ。しかし、90年代の後半より、そこに描写される勧善懲悪的なモノが鼻についてきて読まなくなってしまった作家也。ソビエト連邦時代が崩壊する直前の海軍が直面する深刻なテーマを扱った「レッドオクトーバー」に接したときは非常に新鮮な驚きを得た。旧い話になるが、やはり、国際政治の舞台裏をテーマにしてデビューしたフレディリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」を読んで胸躍った時と同じ感興を味わった。しかし、二人の作家の間には時間的距離があり、トム・クランシーの作品には、フォーサイスには無かった情報機器が登場して今日的な体裁を整えていたと思う。ところで、冷戦時代が終焉すると必然的に、スパイが活躍する物語も消えていってしまった。そういうものを愛読していた余輩は其の頃、非常なパニックに陥った記憶がある。夢中で其のどん底から這い上がろうともがいて、幸い、1900年代の現代史、欧州大戦に関連する事象に関心を移して其の世界にどっぷりと浸かる事ができひとます安着した。トム・クランシー輩の冥福をせつに願う・・・・。
2013年10月14日(月)曇時々晴、涼
昨日よりやや陰。昼に至り来店続く。外に憩う人多。午後、薪をとりに隣の小屋に行くと、向こうの畑に雉の夫婦が散策するのを目撃。深紅の鶏冠が印象的であった。3時の外気温は20.5度。5時半17.5度。
2013年10月13日(日)晴、涼
朝より極めて涼。野分の様な風頻りに吹く。行楽日和につき人来。厨房も俄に忙しくなり、義娘も厨房にて活躍。陽没して星群輝く。月光樹影明らか也。
2013年10月12日(土)晴
終日涼しい風吹く。湿度計も3〜40%で推移。人、三々五々来。宮城県でそめいよしののサクラが咲いたと報有。他、特に記す事無。
2013年10月11日(金)曇後晴
所要の為宇都宮に出る。昼、「フィールド」に飯。偶然にもリラクの編集氏に遭遇。暫し歓談。連休をひかえて、ヨーコさんも用意万端怠り無く整えるなり。4時の外気温23度。晩餐を例の如く「強記飯荘」にて飯。
2013年10月10日(木)曇後雨後曇
昼前にヒコマ到着。昼食は「たるいベーカリー」のイチジクの入ったパン、ボローニャの腸詰、冷えた白ワイン、食後の葡萄と言う具合。思うに、旧暦の重陽の節句はこの時分だ。菊が咲き、「江に秋影をひたして雁はじめて飛ぶ・・・」と世が世であれば、ご馳走とお酒を携え、友と連れ立ち、丘の上で宴会をもようすにちょうどよい頃だ。
昨日まではちょっと暑すぎです。夜、海老屋の佃煮とご飯をしみじみと味わうなり。先ごろ、偶然浅草で発見したこの店の佃煮は旧きよき時代の風合いをとどめる秀逸なモノだと感じ入る也。。
2013年10月9日(水)晴、暑
昨日に続き暑。新潟県では35度を越したところが有るという話だ。今日も時間があったので、代々木の甥のやっているイタリアンレストラン「LIFE」に昼食。相変わらず繁盛して入れ替わり立ち代り来客のあるところが面白い。
甥のライフスタイルを取り上げた雑誌『KINFOLK』を記念に貰う。一段落付いたところで、甥と参宮橋の店まで歩く。お客さんで来ていた、女優の安藤サクラさんを紹介してもらい、一緒に記念写真に収まる。帰路、伊勢丹メンズのステッキコーナーを覗いく。少し気に入ったモノがあるが、先生は「出来るだけ、ご自分の足で歩きなさい」とおっしゃるので買うのはやめにする也。やんぬるかな・・・。
2013年10月8日(火)晴、湿
朝は涼也。気晴らしのために浅草に出る。レストラン「吾妻」に飯。アメリカの「紅花」の如くパフォーマンスを楽しめる店だ。途中「丸善」の書棚をのぞいて、銀座にて「私の愛した大統領」を観る。映画の背景が丁寧に描かれていてとてもよかった。最近、「ヤルタよりヒロシマ」という今次大戦のノンフィクションを読んでいる最中で、病魔におかされ、残り時間の少なくなったルーズベルト大統領が、スターリンを懐柔せんと奮闘する場面を読み、映画を思い立ったところなり。しかし、今日もずいぶんと暑かった・・・・。
2013年10月7日(月)晴、湿
台風の影響であろうか、温度も上がり、蒸し暑い日となった。終日休養。晩夕、ふと気配を感じて、玄関を開けてみると、末の孫が、深刻な顔をして暗闇に佇んでいるではないか!傍らには、所帯道具をまとめたような、大きなバッグが下ろしてある。もちろん、そのことが起こる前に、孫のママより、概略の説明を受けてはいた。「・・・という訳で、あんまり言う事を聴かないので追い出しましたから、義父さん、どうぞ、拾ってやってください・・・。」人生色々也。と言う仕第で、孫は、我が家より、中学校に通うことになった・・・。
2013年10年6日(日)曇時々晴
11時より来客有。知り合いのご家族来。食事も一段落して、お嬢さんの活躍ぶりを報。子育てをしながら、アラン・デュカスの日本担当秘書としいて銀座にて奮闘中であるという。仕事が佳境に入ると、足利から子守に出かけ後方支援に惰りないと言うのだ。今日的な話に愛妻ともども一時興ずる也。昼を過ぎてより来店途切れず、大いに体を動かし全力投球。
2013年10月5日(土)雨
台風23号の余波にて終日雨。極めて閑。しかし、お客様とゆっくりとお話が出来るのは別の楽しみ也。京都の桂川の氾濫が話題になった。洪水で一つ思い出したことが有る。1967年に無銭旅行の折、フィレンッエを訪れた。きっと其の以前に、サマセット・モームの紀行文を読んで啓発をされて思いついた訪問であったのかもしれないが、兎も角、詳細は忘れてしまったが、その前年に発生した、大洪水の痕を、フィ市内の石造建築物の壁に明確に認め、わが国であれば、木造住宅は流されてしまうが、異国の文明の相違を学んだ思い出が有る。
2013年10月4日(金)曇
午前中より草刈をする。この草刈も今年はこれが最後となるような気がする。いや、そうあって欲しい・・・・。今日は汗が出るほどの陽気ではないので、何時までも作業を続けられるような気分だ。しかし、昼に至りお腹が空いてきた。作業を中出して、パンとワインで空腹を満たし、作業を続行。かくして今日も暮れ行く。
2013年10月3日(木)曇後雨
店に向かう途中、黄金色に染まった稲田を散見する。昼前にヒコマ到着。庭内、金木犀の香りが漂う。粗食飯。駐車場の草刈をする。途中、雨が降り始め、作業中止。他、特に記す事無。
2013年10月2日(水)雨後曇
読書深更に及び、今朝は朝食後再び寝入る。昼、近所の蕎麦屋にて飯。午後、店の整頓のためモーガンでヒコマに出かける。今日は市中、午後より蒸し暑くなったが、須花峠に入るとひやりとすつ空気が舞い降りてきて、秋の中を走っている気分になる。
2013年10月1日(火)雨後曇
午前中より群馬県に所要のため出かける。渡良瀬川l西北、赤城山麓秋影色濃くなる。帰路、登利平にて孫の土産に焼き鳥を購う。晩夕、「ヤルタよりヒロシマ」を読み始める。


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