竹岡の酒造り 清酒「聖泉」醸造元 和蔵酒造

明治7年、現在の富津市竹岡にて創業。「聖泉」の銘柄は、上総掘りの深井戸から
泉のように沸き出る清水で仕込んだ酒から命名されました。
伝統的な手造りの技を今に守り、「基本に忠実であること」「手間を惜しまないこと」を
信念とした酒造りの姿勢を貫いています。
『酒造りの思い』
日本酒は、麹菌や酵母菌などの微生物の力によって醸されます。
微生物の営みに感謝し、聞こえぬ声に耳を傾けながら謙虚に誠実に微生物と向き合う。
目に見えないものの力を感じ得ることが酒造りの醍醐味なのだと思います。
〜「聖泉」のできるまで〜
〈原料処理〉
洗米、浸漬した白米を和釜・甑を使用して蒸し上げます。お米を蒸すことにより
デンプンがα化し、麹の酵素による分解作用が働きやすくなります。
〈製麹〉
蒸米に種麹(黄麹菌)を植え付けます。
四十数時間かけて麹菌の胞子が蒸米に繁殖し麹が出来上がります。
麹が供給する糖化酵素の働きにより、お米の主成分であるデンプンがブドウ糖に分解されます。
〈酒母〉
酒母は文字通りお酒を生み出す母であり、発酵のスターターの役割を果たします。
水麹に優良な清酒酵母を添加し、10日から12日かけて強健な酵母を大量に培養します。
〈仕込〉
仕込みの初日に「酒母」をタンクに投入し、「三段仕込」(麹・蒸米・水を4日間で3回に分けて仕込む)
という方法で醪(もろみ)を造ります。
日本酒の醪は、麹の酵素の働きによってお米のデンプンがブドウ糖に分解される糖化という現象と、
分解された糖分を酵母が栄養源としてアルコールを生成する発酵という現象が同時並行的に行われる
のが特徴です。
これを平行複発酵といい、世界のお酒の中でも最も複雑で繊細な醸造技術が必要といわれています。
およそ20日から30日かけて低温で醪を管理し、ゆっくりと発酵をすすめ上槽に移ります。
〈上槽〉
発酵を終えた醪を圧搾濾過して、清酒と清酒粕に分解します。高級酒は、酒袋という袋に醪を入れて
槽(ふね)という道具を使用し、ゆっくりと圧をかけて搾ります。